漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説4
<日本一のチーム編64首~83首>

ちはやふるストーリー 第64首 - 第73首

※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。

かるた全国大会・団体戦<前半> ― 準クイーン 逢坂恵夢(めぐむ)との出会い

  瑞沢高校かるた部が発足してから、千早たちにとって二回目のかるた競技全国大会が開幕します。かるた競技全国大会は毎回、かるたの聖地である近江神宮で開かれます。団体戦の前半での注目は、準クイーン逢坂恵夢(おうさか めぐむ)と千早との対戦です。

彼女は前年のクイーン戦予選の西の代表であり、団体戦での一戦ですが、千早が燃えないわけがありません。

チームを持たない新は、個人戦にエントリーしていました。新は、あるトラブルに巻き込まれて他校のメンバーの替え玉として団体戦に出場せざるを得なかったのです。

このトラブルが新の心境の変化を起こし、クイーンをも巻き込み波乱の展開になります。

ちはやふる第64首~第83首は、それぞれの身に起こるアクシデントやトラブルが全編に渡って展開されています。目が離せないストーリー展開です。

まずは第64首~第73首の見どころを登場人物ごとにご紹介していきます。

ちはやふるの見どころ・新(あらた)編 「強さってなんや」

良きマンガ求ム!より

チームを持たない新は、単独での強さを追求します。新は、今回の全国大会でも個人戦のみにエントリーしていました。ところが、あるトラブルに巻き込まれ、友人のチームで替え玉として出場していました。

個人戦の最中、替え玉出場という不正がばれるのを避けたい新は、最初は手を出さずに、ただ相手の前に座っていました。しかし、そのチームの敗北が決まった瞬間、新の中にある気持ちが芽生えます。

「対戦相手に誠意を送りたい」「チームに何かを伝えたい」というこれまでに無かった感情でした。

ちはやふるの見どころ・クイーン若宮と新の関係編 クイーンが懇願するとき

良きマンガ求ム!より

新が他校チームの替え玉として出場したことが、大会の運営事務局にバレてしまいます。翌日の個人戦の出場停止処分するかしないかの審議に発展していました。

かるた選手として有望な新の処遇を決めかねている運営陣に対して、新は、「自分は罰をきちんと受けるべきだ」という真面目な姿勢を示します。

そこへクイーン若宮が登場します。若宮は新を個人戦に出場させてほしいと、頭を下げて懇願するのです。

次回以降のネタバレになってしまうのですが、じつは新と若宮は小学生のころに一度対戦したことがありました。他を寄せ付けないクイーン若宮ですが、新の存在は彼女にとって特別なもののようです。こういうエピソードを、千早に作っていないところが、ちはやふるが面白いところです。

ちはやふるの見どころ・新たなライバル編 西の代表・逢坂恵夢(おうさか めぐむ)

モヤモヤぶろ~ぐ2より

千早は、前年のクイーン戦予選の西の代表である逢坂恵夢(おうさか めぐむ)と団体戦で対戦します。ネタバレになってしまいますが、逢坂は後にクイーン挑戦権をかけて西の代表となる選手です。

一見すると大人しそうな逢坂恵夢ですが、じつは気が強く負けず嫌いで、毒舌キャラとして設定されています。試合前半は千早が優勢でしたが、千早の才覚が逢坂の闘争心に火をつけ一進一退の攻防を繰り広げます。

ちはやふるの見どころ・瑞沢かるた部男子部員の友情編 肉まんくんと机くん

まんが栄養素より

ちはやふるの競技かるたの試合での見どころは、千早や新や太一ら三人が活躍する場面だけではありません。試合相手を徹底分析し、三人をサポートする机くん(駒野)がいたりします。

その机くんに対して、肉まんくん(西田)が言ったセリフが、そのキャラを表わしています。

サポート役に徹し、試合の出場を後輩に譲ろうとした机くんに対して、創部の時期から一緒にやってきた仲間としての肉まんくんが言います。

最後まで一緒に戦い抜きたいという肉まんくん(西田)の熱い気持ちの表れです。ちはやふるは、まさに青春ドラマでありスポ根ドラマと言えるシーンです。

ちはやふるストーリー 第73首 - 第83首

かるた全国大会・団体戦<後半> ― 日本一への執念

※この記事には、ちはやふる ネタバレを含みます。内容を知りたくない方は閲覧をお控えください。

  ちはやふる第73首は、千早と逢坂の白熱する試合から始まります。千早は逢坂との対戦には破れるものの、チームとしては3勝2敗で準決勝へ勝ち上がり、日本一をかけた決勝戦へ向かいます。

決勝戦の相手は、全国大会常連の強豪・富士崎高校でした。富士崎高校との決勝戦では、千早にまさかのアクシデントが起こります。ぜひご期待ください。

熱戦を交わした富士崎高校と端沢高校の関係は、先の北央学園と同じように、この対戦以降もお互いによきライバルとして切磋琢磨する関係になります。

ちはやふるの見どころ・個性が強過ぎるエキストラ編 逢坂恵夢のファン三人組

Hatena::Diaryより

ちはやふるは、主要メンバーだけでなく、脇役からエキストラまでキャラ設定にこだわりが見られます。キャラ設定の精度が非常に高いので、ストーリーの面白さを幅広いものにしています。

逢坂恵夢のファンである「追っかけ」男性三人組は、特に濃いキャラのエキストラです。彼らにとっての最大の興味は、見た目とは裏腹の毒舌キャラの逢坂恵夢の態度です。

自分たちが隠し撮りした彼女の写真を、恵夢本人に消去されることを逆の喜びにしている三人組です。

ちはやふるの見どころ・大江奏(かなちゃん)編 大事な一勝

まんが栄養素より

逢坂恵夢が率いる明石第一女子との準決勝でのシーンです。ここで、かなちゃんの見どころを紹介します。

肉まんくんが一敗した後、かなちゃんが一勝を取り返します。チームにとって意味の大きい一勝をあげたことで、かなちゃんが思わず叫ぶシーンです。気合いが入り過ぎて噛んでしまっているところに味があります。

しかしこの時、かなちゃんの身にはあるアクシデントが起きていました。これについては、この後の千早の身に起こる事件とも関わってくるので、ネタバレを避けておきます。

ちはやふるの見どころ・新(あらた)編 真摯な新の姿

リアル大丈夫?より

今回も新の出番が少ないので、新の見どころも解説しておきます。

団体戦において図らずも不正行為がバレてしまった新ですが、その罰としては、団体戦の応援に行かずに反省文を書くことを課せられました。(あらすじ解説第64首-第73首をご参照ください)

千早と太一が日本一をかけて決勝戦を戦っていることを知った新は、応援に行きたい気持ちを押さえて、なんとか踏み留まります。どこまでもかるたに真摯に向き合う新は、「ルールを破った自分は罰を受けなければならない」と自分を戒めます。

ちはやふるの見どころ・太一(たいち)編 太一の気合いと執念

オトコでも読める少女漫画より

ちはやふるのキャクターの中で、1番の共感を呼ぶ太一の見どころ解説は外せません。

太一は、全国大会の団体戦決勝の相手・富士崎高校の主将との対戦を自ら選びます。その試合で、恩師の原田先生直伝の「読まれる札を引き寄せる」という戦法を試みます。

これまでの試合では、運のなさを露呈してしまっていた太一ですが、ここ一番の勝負では日本一への執念が運を引き寄せることになるのです。強運が巡ってきた太一の試合の行方にもご注目ください。

ちはやふるの見どころ・かるた部顧問編 桜沢先生(富士崎高校顧問)

チェックメイトより

明らかにネタバレ情報ですが、富士崎高校の顧問の桜沢先生は、かつてクイーンに王手をかけた実力の持ち主です。

富士崎高校の強さをつくったのは桜沢先生と言っても過言ではありません。決勝戦でも、全国大会の常連校・常勝「富士崎高校」らしい安定した実力を見せます。

最後は瑞沢高校に準優勝という結果に終わりますが、そのときにチームにかけた桜沢先生の言葉がとても心に響きます。ぜひ漫画「ちはやふる」でお楽しみください。

まとめ

今回も、ちはやふるの第64首から第83首までのあらすじや見どころをキャラクターを通して解説しました。

出来るだけネタバレし過ぎないように気を付けています。この章は、千早や、かなちゃん、新らの身に起こるアクシデントからの展開にも注目してください。

次回は全国大会の個人戦です。個人戦の開幕で、ついに新が競技かるた界へ戻って来ます。新が戻ってくることで千早、新、太一の関係にもついに変化が起こるかもしれません。次回もちょっとだけネタバレを交えた解説をしていきます。

以上、漫画「ちはやふる」が読みたくなる見どころ解説4<日本一のチーム編64首~83首>でした。

ライタープロフィール

川添 勤(かわぞえ つとむ)

1968年生まれ。2010年フォロワー数20万人超えの「ハマコーTwitter」をプロデュース。
当時、日本のTwitterフォロワー数ランキングトップテン入りに貢献する。
2011年、故浜田幸一氏の最後の本となる「YUIGON」(ポプラ社)を監修。ベストセラーとなる。
2014年2月、キッザニア日本の創業者住谷栄之資氏の「キッザニア流!体験のすすめ」監修。
2014年10月には10万部を超えるベストセラーとなったゲッターズ飯田の「運命の変え方」に企画協力。

この記事で紹介した漫画

ちはやふる(12)

高校かるた選手権全国大会、開幕! 全国屈指の激戦区・東京都予選を制した瑞沢(みずさわ)高校かるた部と北央(ほくおう)学園は、決戦の舞台を近江神宮に移し、ともに頂上を目指す。常識破りの戦術、桁外れの選手層、全国の高く厚い壁――。掲げ続けてきた日本一という目標。それは、勝ち抜く努力と、勝ち抜く執念を燃やし続けるチームだけがもぎとれる遥かなる夢。自分を信じ、仲間を信じ、千早たちの戦いがいま始まる!

ちはやふる(13)

全国大会団体戦、決勝トーナメント。各ブロック予選を勝ち上がった強豪8校がぶつかりあう負けたら終わりの勝ち抜き戦。そこには、千早(ちはや)たちが目に焼き付けたクイーン位挑戦者決定戦の舞台を知る逢坂恵夢(おうさか・めぐむ)の姿も――。“クイーン候補”率いる注目校の猛攻に、瑞沢高校かるた部は!? 千早が描く夢の先をゆく数多の強豪が集う夏!!

ちはやふる(14)

負けたら終わりの全国大会団体戦決勝トーナメント。予選ブロックを勝ち上がった千早(ちはや)たち瑞沢(みずさわ)高校は、クイーン候補と期待される逢坂恵夢(おうさか・めぐむ)擁する西の代表・明石(あかし)第一女子高校と対戦。千早と恵夢の意地と意地の戦いが拮抗するなか、流れをつかめない他の瑞沢メンバーは苦戦。5人対5人の勝負は、おのずと全力をぶつけあう死闘となりある者は勝ち、ある者は負けていく――!! 3人勝って団体戦決勝へ駒を進めるのはどちらになるのか!?

ちはやふる(15)

高校かるた選手権、団体戦決勝トーナメント。千早(ちはや)たち瑞沢(みずさわ)高校は精鋭ぞろいの常勝校・富士崎(ふじさき)と対戦。それぞれが格の違いを感じるほどに手強く苦戦を強いられるなか、千早は流れを引き寄せるために果敢に攻め込んでいく。しかし札に飛び込んでいった矢先、その指に激痛が走り窮地に! 瑞沢かるた部全員の闘志がマックスになる決戦がいまここに!! 日本一まであと一歩――千早の夢は叶うのか!? 団体戦決勝の運命の鍵を太一(たいち)が握る!?

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