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紙の本
これほど“むやみ”なタイトルもない
2011/03/07 20:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
何と言うか、これほどタイトル通りの内容もないだろうという作品の第6弾。これだけ無闇やたらと分裂しながら誰かに迷惑をかけるでもなく大沼クン一点集中で収束していく物語も珍しい。最早、いや、今更ながら物語と言えるのかというグダグダの趣き深さである。むしろ大沼クンが分裂しようが、教室に鬼が来ようが幽霊が来ようが平然としているクラスの面々を見ると、些細な事にも大騒ぎする世間をシニカルにせせら笑っているようにも思えてくる。この、飄々とした脱力系の笑いに、細やかな風刺の毒針を垣間見せる作風が相変わらず堪らない魅力。そのため、このシリーズに明確なヒロインは存在しなくなり、というか不要にすらなっており、誰もかれもが大沼クンの行く先々で真顔でボケ倒し、無理難題を大沼クンに押しつける面白展開であっても何ら不都合は無く、今回は一応、ダメ邪神に降格した大沼クンの威厳と資格の回復という名目もあるのだが、極論すると「もぅ、大沼クンの邪神設定すら不要じゃね?」という混沌が楽しめるのである。
読み手としても既に5冊分の世界観の共有があり、本巻を読む前から笑いフラグが立っているというか、笑い出し沸点が下がっている状態なので、ほんの些細なやり取りでもとにかくとことん可笑しい。これも作品世界が本巻でもしっかり維持されているからであろう。この前提に従えば表紙カラーイラストの“拝借”振りにもしてやられた感の心地良さである。
勇者の矜持はどこへやらで金の亡者に成り下がる田中露都。またもや騒動の発端となりつつ実は黒魔術師と言うより単なる通信講座好きなのでは?な一条凛(と黒ペン先生)。初期からすれば完全にモブと化した土御門加奈。そして、これだけの笑いが取れる希有な(本来はモブの)クラスメイト達。今回も見事な「大沼ワールド」であり、「川岸ワールド」と言えよう。
実は今回、文化祭の話だったりする。学園モノとしては重要なイベントだが本シリーズでは単なる設定である。だって、文化祭と大沼クンの分裂、全然関係ないんだもの。終始繰り出されるギャグに比して小ネタを巧みに使い回す省エネ設計が冴えてきている。
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