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福祉先進国として、福祉の分野ではよく注目されるスウェーデン。だけど、実際のところどんな国でどんな制度なのか、実はあまりわかってなかったので、話題のこの本を読んでみた。
筆者が考えるスウェーデン国民のキーワードつまり高福祉高負担に必要な要素は、「自立した強い個人」「規則に基づく組織力」「透明性」「連帯」。
この本を読むと、“地域包括ケア”を掲げる日本の介護制度がスウェーデンに近い形をめざしてるのがわかる。
びっくりするのは専業主婦率2%という数字。さらに親との同居率も低い。一体どうやって子どもを育てているのか。社会全体の理解があるとはいえ、これはすごいことだと思う。
あと私が強く感じたのは政治に対する国民の意識の差。日本みたいに選挙を前にすると政治家が負担の話ができなくなるっていうのは、どう考えても国民に問題があると思う。
この本に書いてあるスウェーデンの生活は規則がきっちりだったり、効率性が求められたりとなかなかに大変そうだけど、日本はさらに厳しい状況なのだから、覚悟を決めてがんばるしかないんじゃないかな。
財政破綻でもしなきゃなかなか意識は変わらないのかもだけど。
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スウエーデン公使を2年勤める筆者がスェーデンの紹介をしている内容。一言で言えばつまらん。いかにも官僚的な内容。題名から期待するのはスウェーデンの高福祉国家になるとどのような暮らしになるのか、ということだと思うのだが、統計データが示されるだけで生活に根ざした体験談のような内容が乏しい。スウェーデンとはどんな国か、どんな歴史、どんな国民性があるか、などを知るという意味では意味のある本だとは思うが、それをある程度知っているなら、最後の”おわりに”の数ページを読むだけで良い。正直それ以上のことは書かれていない。たびたび著者が主張するスウェーデンの特徴を表した3つのキーワード「自立した強い個人」「規則に基づいた組織力」「連帯」が出てくるのだが、無理やりそれらをこじつける部分が多くて嫌になる。
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自立した個人が、それぞれのベストを尽くして国を支えている!それこそ、人口900万人の国の成功の秘訣だと思う。果たして日本は一部だけを真似て短期的な成功を手に入れるべきなのか?この本を読んで、個々の持つべき意識や根本的な社会のあり方を考えた。
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スウェーデンを考察することで、日本の政策を考えようとするものだが、実際はスウェーデンを知ることそれ自体で十分興味深かった。
日本との共通点も有しながら、日本にはない4つの特徴からスウェーデンという国を辿っていくのがとても面白い。
その特徴故に、無批判ににスウェーデン的な政策を日本に取り入れることに警鐘を鳴らす。ただ、日本に対しての政策上の提案がもう少し欲しい。
しかし、中立を維持しようと努めた歴史的な流れや、強い個人としての国民性など、実に面白かった。そして、それを支える国家的な機能も、もっと日本において議論されるのがいいだろう。
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リンドグレーンの故郷ですね。一度行ってみたい。以降は本からの引用です//200年中立政策より戦禍を免れたという特異な歴史上の経緯から他のどの国よりも早く人口ピラミッドが成熟した。寒い国では勤勉でない人は生きていけない。透明性、個人番号、連帯、専業主婦率2%、日本は28%。自宅に住み続ける高齢者、子供と同居しているのはたったの4%、ホームヘルパーに」よる自宅介護か施設入居、自立した強い個人。国民負担率は66.2%、日本38.95。ジニ係数0.43、課税移転後は0.23、日本0.44→0.32.法人所得課税は26.3%、日本は40.69%。若年層の高失業率。
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スウェーデンは、「自立した強い個人」が「連帯」しているから、とてもしっかりとした社会になっているんだね。
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「住みよい国」の代表としてあげられる事の多いスウェーデンだが、その実態は殆ど知らなかった。人口はわずか1000万人足らず。高税率/高福祉の「大きな政府」の代表格。真面目で内気な国民性は日本人とも共通点がある。スウェーデンモデルは果たして成功しているのか。日本はこれに学ぶところはあるのか。と思い読み進める。長い冬、厳しい気候がもたらした、逞しく自立心のつよい国民性がこの国の有り様を支えている。従って単純にこのシステムを日本に導入することは難しいだろう。なによりも政治家と国民との間に信頼関係が築けない我が国では、このような高負担を国民が飲むことはできない。なぜスウェーデンでは透明性の高い政治が可能になっているのかが知りたい。
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スウェーデンの実生活からスウェーデン人の価値観や社会システムのあり方に切り込んでいる。僕の実感とも近い。
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本書は、一人当たりGDPランキングで世界のトップクラスであるスウェーデン王国について、その文化や社会保障制度・労働市場・医療制度等をわかりやすく紹介したものである。アメリカ的市場経済重視の資本主義が行き詰まりを見せている世界経済の現状において、それとは違う資本主義モデルとして、興味深い思いで本書を読んだ。
本書によると、スウェーデンの専業主婦率はわずか2㌫だそうである。日本の2005年の統計によると日本の専業主婦率は28㌫だそうであるから、スウェーデン国民は良く働く国民であると感心する。
そのほかにも、様々なエピソードを交えてスウェーデン社会の実情を紹介しているが、社会制度の成立には、その特有の歴史とそれにより培われた国民性が背景にあることが、良くわかる紹介の仕方となっており、興味深く読めた。
著者は、東大卒業後外務省に入省し、スウェーデン公使も勤めたエリートのようだが、スウェーデンの社会をよく理解していると感じた。本書はわかりやすく、読みやすく、スウェーデンを全く知らない人でも、その歴史と現状の概略を知ることができる良書であると思った。
本書の最終章「ストックホルムで考える日本外交」において、著者は「ヨーロッパにおけるスウェーデンと同じく、アジアにおいて日本が法の支配・人権の尊重・民主主義という原則を掲げる運動の先頭ランナーであるべき」として、日本が「スウェーデン同様に軍縮・国連のPKO活動・開発援助という分野で積極的貢献を続けることが重要である」と主張している。PKO活動への参加には、いろいろと検討しなければならないこともあるかもしれないが、基本的には賛同するものであると思った。
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テストの論述対策に使用。全部精読したわけじゃないけど、分かりやすいし、おもしろかった。北欧万歳福祉国家最高みたいな感じじゃなくて冷静なとこも良い。国民性みたいなところにグイグイ持っていく笑
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「自立した個人」を目指すというところがスウェーデンの様々な制度の基礎となっているのだと分かった。そこからは良い面ばかりでなく、冷たい面も見えてくる。
ちょっと子どもが熱を出したら2~3日様子見てくださいとか、何かの症状で具合が悪くなっても大事ではなさそうだったら(もちろん自分では判断のつかない場合もあるのだが)診断が先延ばしにされることなど、ちょっと可哀そうな部分もある。
産業構造を積極的に転換し(その際、後から雇われた者、若い者から解雇される)、国際競争力を高めるというところはいいけれども、15歳から24歳の若者の失業率が25%ってのはかなり高いなと思った。この辺りについて若者はどう思ってるのか。
スウェーデンの制度はやり方として効果的なものはたくさんあると思うが、限度として少しやりすぎではと感じる部分もあり、日本がそのまま真似するべきものではないと感じる。この部分はスウェーデン式やり方をこの程度参考にするというふうに、少しずつ盛り込んでいくのが一番良いんじゃなかろうか。
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デンマークやフィンランドに並んで、日本が憧れるような教育や男女平等や年金制度なんかの福祉が整った国。日本とは違うタイプの自己責任が成立してる。自己責任をもって自立するためには、国の介入がすんごい必要という矛盾。不思議だ。ただ、国民が幸せだと感じてるんだから、日本よりはスウェーデンの方が正解に近いんだろうて。
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スウェーデンで公使(大使の次のポストらしい)を務める著者がスウェーデンのシステムについて日本と対比しながら紹介する本。
詳細なデータや自分の経験に基づいた文章は理論的で説得力がある。何よりも、スウェーデンの歴史的、地理的な背景に触れながら、スウェーデン・モデルを可能にした国民性というところにフォーカスしている点は、とても興味深かった。
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スウェーデンの特徴が、「自立した強い個人」「規則に基づく組織力」「透明性」「連帯」に現れているというのを裏付けるような事実や数字、体験談があってよく理解できた。
特に国際養子縁組数が世界一多いことと、非英語圏では難民受け入れ世界1位になるなど、それを可能にする土壌・決してユートピアではない側面もよく説明されているように感じた。
単純に日本もそうするべきと言わず、現実的に考えていきたい。(日本だと、負の側面、治安悪化や職を奪われることばかりに焦点を当てすぎな嫌いはあると思うが)。
タイトルは変えてもよかった気もする。
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今年の4月からスウェーデン語を勉強し始めた自分にとってスウェーデンの文化について断面的に横断しているこの書は概論として非常に良かった。
筆者によるとスウェーデン人の強さの秘密には2つの側面「自立した強い個人」と「規則に基づく組織力」にある。人類学者のÅke Daunはスウェーデン人を「北欧の日本人」と表現し、有名洋服ブランド「H&M」の日本市場での成功の一要因として見ている。彼も述べたように、スウェーデン人の国民性には横並び意識の強さ、内気で上下関係に敏感、など日本人のイメージに近いものがあり、親しみを持つ事ができた。この内気な国民性は外国人を受け入れることに乏しかったこと、日照時間の短さが家族と暮らす時間を増やしたという事実がある。この冬の厳しさはスウェーデン人が生きていくうえで個々を強くさせたと筆者は述べていた。スウェーデンとはどんな国か知りたい人にはおすすめの一冊。