紙の本
小さいことにクヨクヨしてしまう人にも、大きな壁を前にあきらめてしまう人にも贈りたい
2011/11/17 02:05
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリ好きの好きな言葉。「館」と「島」。この鉄板ワード二つがあわさったタイトルの作品を紹介します。
推理小説には「館もの」と呼ばれるジャンルがあります。奇妙な外観や不思議ないわくのある建物で事件が起きる、というのが一つのパターン。綾辻行人先生の作品が代表でしょうか。そして、もう一つ、「孤島もの」と呼ばれるジャンルもあります。多くは絶海の孤島で連続して起こる事件を扱うもの。外部から隔絶されていて、登場人物の出入りがなく、限定された人物の中に犯人がいる、被害者が出るたびに容疑者の数が減っていくというサスペンスがスリリングです。代表作はやはりクリスティの『そして誰もいなくなった』でしょう。
今回、紹介する作品でも、清く正しく美しい本格ミステリらしく、孤島の奇妙な館で事件が起きます。すべての真相が明らかになった後で、読み手はタイトルの意味に気が付き、うならされるでしょう。
「館」であり「島」である。同時に「館」でもないし「島」でもない。まさしく「館島」としか言いようのない「館」と「島」の正体には、ビックリするはずです。チェスタトンの逆説にも通じるとんでもないミクロとマクロの逆転。傑作、名作揃いの館もの、孤島ものを向こうに回すような、無効にするような大胆な試み。ありとあらゆる館もの、孤島ものを痛烈に揶揄したパロディともとれる挑発的な作品です。
仕掛けられている大掛かりなトリックは、島田荘司先生のある作品を思い起こさせます。笑いの印象が強いせいか、なかなか言及されませんが、これは新「××屋敷」だと思うのです。
ギャグが巧妙に手掛かりや伏線をカムフラージュしているのも、見事。東川先生の真骨頂ともいうべき、笑いと本格ミステリのコラボレーションを堪能していただきたいです。腹を抱えて笑えるシーンにこそ、ご用心。
紙の本
内容のわりに
2017/07/15 21:35
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
中盤が薄くて 飽きる感じです。作者さん特有のユーモアやいい意味での馬鹿さが少ないので今ひとつ東川作品を読んだ気がしませんでした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
軽妙すぎてついていけない。
硬い語り口で書いてくれた方が楽しく読めたかも。
シリアスな場面でもジョーク
そしてレイ◯スレスレ..あれだめでしょ。
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私的にあらゆる点ですれすれ
すべるすれすれのギャグ(しらけるというほどでもない)
○○すれすれのトリック(○○はネタバレしそうな言葉なので自重)
アウトすれすれの動機
これは本格ミステリすれすれなのか。はては馬鹿ミスか。
全体としては面白かったです。おまけの★3つ。
ゲシュタルト崩壊すれすれです。
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表紙買い(というか出版社買い)をしたのですが大当たりでした。自分これすごい好きです。笑えるほうに面白かったし、読んでてすごく楽しかった!トリックもすごいですねこれ。いや本当に。他の作品もぜひ読まなければ。
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探偵はやや距離をとった場所から,目の前に聳える銀色の館を見上げていた。隆行も彼女の傍らに立ち,あらためてその奇妙な物体を観察した。見れば見るほどおかしな建造物だ。
それはまるで銀の装甲で覆われた孤独な要塞のようにも,あるいは海辺に打ち立てられたステンレス製の巨大なオブジェのようにも思える。形は六角形。いちおう四階建てではあるが,屋上にはドーム型の展望室があるため,実質五階建ての高さがある。個人が所有する別荘には見えない。そそっかしい女探偵がラブホテルと早合点したのも頷ける造りだ。
いずれにしても,人間の住み処らしい暖かな雰囲気ではない。
(本文p55-56)
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想像よりはトンでもではなかったので安心。シーツで台風の風にあおられて飛ぶ人間凧かと心配してた。コメディミステリで、テンポが軽くて好き。ただ、描写が主人公とヒロイン2人にとても偏っていたのがちょっと・・・。
本当にあるの?館島(笑)
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良くいうところの館島、キャラが軽めで怖さのないかまいたちの夜みたいな感じ
残念なのはトリックも見え見えのところ
でもラストはなかなか考えられていて、あれをメイントリックと見れば良作か、悪くはない
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帯につられて買った。
最近森博嗣ばかり読んでいるせいか、やたらと読みやすい。
主人公の煩悩刑事が御転婆女探偵とともに事件の真相に迫っていく。
アイデアは面白い気がするが、動機等の描写がもうひとつかな。
登場する女性がなんだか皆独どこかで見たことのあるようなキャラクター。
物足りない感じではあったが、気楽に楽しめる一冊だった。
2009/03/12
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主人公からトリックまで、ひたすらノー天気な作品。
多分この本はツッコミながら読み進める、ボケ作品なんだと思う。その割に本格推理としての体裁だけは、真面目に整えているので、そのギャップが何とも言えず、妙に心に残ってしまいます。
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キャラクターが個性的で面白く、さくさく読めます。
トリックについては意見分かれると思いますが、面白かったです。
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スラップスティックミステリといった感じや、キャラクター造形は他のシリーズとほとんど同じですが、それが面白いんだからいいかとも思ったり。
中央に巨大ならせん階段を有した六角形の館。その階段踊場で墜落死体と化した天才建築家。しかしどこにも墜落した形跡がなかったのだった。いやはや何とも思い切った大胆なトリックです。館ものでこの手のトリックを正攻法でどんと攻めてくるところが嬉しいですな。しかもまた大胆にヒントを明示してあるんですよ。ミステリの楽しさ面白さを、そして誉め言葉としてのバカバカしさを堪能できます。
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ユーモアミステリーっつーんですか?殺人事件を軸にしたドタバタ劇。そのドタバタ加減もなんだかサムい感じで・・・。
私、このジャンル、苦手かも知れません。
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自らがデザインした建物で死んだ建築士。
あきらかに転落した痕があるにもかかわらず
どこにも転落した跡がない。
それから半年ほど経った後、彼の妻から招待され
島に訪れ起こる殺人事件。
主人公の刑事と、招待された探偵が事件を調査するわけですが
非常にやり取りが面白いです。
しかも後半になるにつれ、おれは休暇できてるのに! と
事件解決への思考回路の合間に色々してくれるので
呆れを通り越して『面白い』としか言い様がないですw
島で起こった事件の理由もすごいですが
建物もすごいです。
想像もつかない、というよりも、よくもまぁ…という感じで。
ちょっと脳内運動にいいかもしれません♪
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『ユーモアミステリーの新鋭が仕掛ける驚天動地のトリック』ってな帯に吸い寄せられる様に購入。
『十文字和臣(じゅうもんじかずおみ)の名は岡山では知らない人がいないほど有名であり、岡山以外では知らない人がいないほど無名である』
そんな一文が、ユーモアミステリーとは何ぞやという読者の眼に飛び込んでくる。この癖のある筆致に惹きつけられたなら、この本はとてつもなく面白いだろう。
下心全開だけど、どこか憎めない刑事「隆行」
品が無いのだけれど、超絶美人の女探偵「沙樹」
天然にして、毒舌なお嬢様「奈々枝」
登場人物のキャラクタがなかなか面白い。当初は粗野な印象の探偵にがっかりしたものだが、刑事を一升瓶で殴り倒す(経緯は本編にて)につけて、結構好きになってしまったわけで。
「機動力野球」のくだりが本当に大好き。
さて。
肝心のトリックだが驚天動地ではある。驚天動地ではあるが、驚天動地であることが必ずしも正しいんじゃないんだな、と思う。やりすぎだ(笑)
驚愕の動機と含めて、こういう趣向を笑い飛ばせる人々に向けて書かれた作品なのだろう。
帯で釣る人間を間違えた事が最大の問題な気がする。
期待するところを間違えると、痛い目にあうかも。
次回作が出るそうで。
読後の印象の良さが際立った作品なので、割と読んでみたいと思う。次は、読者として心構えが出来そうだからね。