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紙の本
ドイツ人作家テア・フォン・ハルボウ氏による近代ドイツの黄金期を反映した耽美なSF小説です!
2020/08/20 09:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『やつらはわれわれについてきた』や『戦争と女たち』、『聖ジュンプリチアの伝説』などの作品で知られるドイツ人作家であり、元女優のテア・フォン・ハルボウ氏の作品です。同書の内容は、バビロンタワーがそびえたち、歓楽街ヨシワラの灯がきらめく巨大都市メトロポリスを舞台に物語が進行します。その全ては労働者たちがかしずく偉大な機械で支えられていました。しかし、ある日、ある一体の女性ロボットが誕生し、すべてが変わっていきます。一体、この女性ロボットとは何なのでしょうか?どう世界が変わっていくのでしょうか?近代ドイツの黄金期を反映した耽美なSF世界で読者を楽しませてくれる傑作です!
紙の本
SFと黙示録の見事なコラボ
2011/04/06 23:52
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
未来の大都市メトロポリスが舞台。すべてが機械仕掛けの巨大都市は、労働者と支配者階級とにくっきりと分かれた階級社会。
煌びやかなその魔都を創りあげた支配者の名はヨー・フレーデルセン。彼はメトロポリスの中枢でもあるネオ・バビロンタワーに住み、すべての権力を掌中に収めている。で、その彼の息子であるフレーダーが今作のヒーロー。
権力者の息子でありながら、正義感溢れる清廉な青年。その彼がとあるきっかけで労働者階級の娘・マリアと恋に落ちたことから、自分の身分に、さらにはこの街の格差社会に疑問を抱き始めてしまう。そのフレーダーとマリアの階級差を超えた愛情と、労働者達の反乱、さらに、ヨー・フレーデルセンの恋敵である天才発明家・ロートヴァング、その彼が創りあげたロボット…というか、アンドロイド・マリアが絡んで壮大な一大革命的ストーリーが展開。
タイトルでもある魔都メトロポリスがとてもリアル。まるで聖書のソドムとゴモラのような禁忌の都市。退廃的、享楽的で極彩色を感じさせる描写と、労働者の過酷な犠牲の描写が鮮やかな対比を成して見事。作品の発表が1920年代なのに古さをまったく感じさせない世界観が素晴らしい。
特に印象に残ったキャラクターがアンドロイドのマリア。「未来のイヴ」のハダリーを彷彿させるけれど、性格はまったく正反対。人間のマリアを聖とするなら、アンドロイドマリアは完全なる悪。その彼女の創造主・ロートヴァングの思惑どおり、メトロポリスを破壊させるために労働者達を扇動するシーンは圧巻!
この作品のテーマは作者が冒頭でも書いている通り、「頭脳と手を繋ぐものは心でなければならない」とのこと。
ここでいう頭脳というのは支配階級者。手は労働者階級。そして双方を結ぶ重要な心というのは、支配階級でありながら、労働者階級に心を砕くまさにフレーダーに他ならない。この配役がとても巧い。
新約聖書のヨハネの黙示録がかなり重要なベースとなっています。
その中に登場する悪徳の都であり大淫婦・バビロンがそのままメトロポリスとアンドロイドマリアのモデル。その他内容的にもそれがほとんどモチーフとして使われているので、黙示録を知っているとさらに面白く読めるかもしれません。けれどまったく知らなくても丁寧な注釈があるので助かります!
ラスト、廃墟と化したメトロポリスで、艱難辛苦を乗り越えたフレーダーとマリアがようやく結ばれる清澄なシーンがとても印象的。さらに、労働者を支配しつづけたフレーデルセンも、自分の愚かさを悔い改め、さらに今は亡き妻の手紙によって救われるという、意外なハッピーエンドに読後感も爽やか。
女性作家だからなのか、SFという形態をとりながらもかなり宗教色・ラブロマンス度高し。いやいや、SFと黙示録の見事なコラボレーションというべきか。
父と息子の葛藤の物語としても、ひとりの女性をめぐる三角関係の物語としても読める、なかなか多彩な読み方のできる1冊でした。
BIBLIO HOLICより
紙の本
日本ではあまり知られていないハルボウの人物像も紹介
2016/02/24 22:08
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投稿者:Shigenobu Fujioka - この投稿者のレビュー一覧を見る
フリッツ・ラングの有名な同名の映画の原作本。
この作者は、当時、フリッツ・ラングの妻でもあった。
全体の流れは映画と同様だが、さすが小説の方が、個々のシーンが細かく描かれている。
巻末には、日本ではあまり知られていないハルボウの人物像が紹介されていて、興味深かった。
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