紙の本
最善を選べることが幸福につながるとは限らない
2010/08/29 19:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅井ケイと春埼美空がこれまで出会ってきた人たちの能力を組み合わせれば、二年前に事故で死んだ相麻菫を生き返らせることができる。マクガフィンから導かれるその結論は、これまでの彼らの道筋が予測されたものだったことを悟らざるを得ない。その想いは、ケイに二年前の相麻との出会いから別れまでの出来事を思い起こさせる。そしてそれはケイと美空の出会いの物語でもある。
ケイが美空の信頼を得ていくまでにあった、一人の少女と母親を巡る物語。それは彼らが関わるように相麻が誘導した出来事でもあるが、全てが彼女の思い通りになったわけではない。未来を見通せるがゆえに、常に最善の選択肢を選び続ける。この最善が本当に自分が得たい選択肢ばかりとは限らないからだ。
そして舞台は二年後の現在へ。再び時間の流れの中に戻った相麻菫が目指すこととは何なのか。それは次の物語。
二年前のケイと美空や菫の関係性と、現在の彼らの振る舞いから感じる関係制が、何かずれているような印象を読中ずっと感じていた。だがその理由は、菫が亡くなった時のケイの行動を知って、何となく分かった様な気がした。
最後のイラストは本来ならばありえなかった構図のはず。それが示唆しているものは何だろう。
投稿元:
レビューを見る
表紙は誰かと。
ちょっと不思議な感覚のする小説ではある。
一般人離れしている登場人物であることには間違いないし。
あと、ラスボス登場、かな?
そんな雰囲気の登場でした。
でも大半は過去話な。登場人物の特異性が際立った巻でした。
投稿元:
レビューを見る
過去へとさかのぼり、ケイと春埼の出会い、そして相麻とのエピソードを中心に描かれていました。
今回は「アンドロイド当て」というのがひとつのキーワードとなっています。三者三様の思考を描きつつ、その答えをどの形で捉えていくのかということを丁寧に描いていると思います。
2巻では少し読みづらい印象もあったのですが、今巻ではそれが改善されているように思います。相変わらずストーリーテラーたちが基本的に淡々としているので起伏にはかけていますが。
あと能力の制限の無さには相変わらず驚かされますね。まだこれ以上のものが登場するのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
3巻めもおもしろかった。今回は過去編ということでこれまでの登場人物が最初どのような形で咲良田(さくらだ)という街に関わってきたのかが描かれており、第2巻の最後の続きが早く読みたいと思わせながら、うまく3巻の最後まで引っ張ったんじゃないかと思う。つまり第2巻から未来のお話はほんのわずかという構成で、今回は恐らく大きな動きとなる次巻につながる舞台を整えたという感がある。もちろん単なる自己紹介的昔話で終わったわけではなくマリという小さな女の子とその母との物語を軸に、すべての登場人物の行動原理をより理解する上で非常に重要な内容だったと思う。ファンなら間違っても読み飛ばしたくない巻。
投稿元:
レビューを見る
今までの二冊よりも過去の話。浅井ケイと春埼美空の関係がどんなものだったか、二人の関係がどうやって良くなっていったのか分かる話。
・能力の使い方・それを人を使って利用する仕方
能力云々にかかわらず人を説得させるのに大胆な行動に出れる浅井ケイ、その割にはキスしたあとにリセットを使わせる辺りは。春埼美空のルール、0番目にそれを置いちゃうのか!?っていうインパクトはあった。一・二巻でも信頼してる描写はいいとは思っていたが、ここまでガッチリと規定されているのは・・・今度はちょっと関係が強すぎるのではないかとも受け取れた。
・事故死した相麻菫との間にどんな関係があっのか
リセット自体も影響度強いが、能力の組み合わせで死者を蘇らせられたり未来がわかったりとか、個人的に対人間の優位性よりもこの世界全体にかかる影響力で矛盾とかも出てきそうな気も、サクラダの町の中でしか能力を使えない制限も突破できたり。話の基本的な展開としては今までと同じくリセットをメインに使った過去・現在・未来の時間の揺れ動きにある。ここに新しい能力を持つ人とどう絡み合っていくか?マクガフィンはほんとに意味があるのか?なんかは今後気になります。
投稿元:
レビューを見る
今巻は今までで一番おもしろかった。それに、スラスラと読むことができた。二巻までは読み進めるのに時間がかかったのですが・・・文体に慣れたからだろうか。
今回は中野の出番が増えたのが良かった。他にあまり明るい人がいないので中野が出ると少しホッとします。
あと中二の春埼がかわいい。
投稿元:
レビューを見る
春崎とケイが出会った頃の話
相麻が何を考えて行動してたのかは、結局良く分からんかった。次巻に持ち越し?
未来予知って便利だけど、先が全部わかってて、幸せになるためにはそれに従って生きないとダメ、ってのはやっぱツマンナイんだと思った。先が分からないから面白いみたいな
あと、春崎は髪短いほうがカワイイ
投稿元:
レビューを見る
1,2巻ではわからなかった過去が部分が判明し、死んでしまった相麻との関係も出てきたので、今までで一番面白かった。相麻が戻ったことでの、この後の展開がとても気になる。
投稿元:
レビューを見る
前二作において限りなくケイに従い続けてきた春埼。その信頼関係の原点をここに見た気がします。透明感のある文章は今作でも健在。まさに無色透明純粋な世界といった感じでした。そこに加えられる少量の異物が、物語に幅と奥行きを与えているように見えます。
投稿元:
レビューを見る
今回は過去編、今まで若干ぼんやりしていた春埼とケイ、そして相麻の関係性がメインです。
相麻が戻ってきたことにより、今後どんな展開になるのか注目。
投稿元:
レビューを見る
主人公「ケイ」と「ハルキ」が中学生の頃のストーリー。
更に「ケイ」がこの町に来てからの経緯も書かれていて
ここにきてこのシリーズの血の部分が露になってきました。
個人的な偏見ですがラノベが割とベタっとした平面の
イメージを持っているのですが、このシリーズは奥行き...
と言っても立体的なものではなく、透けるような、あくまでも
平面上の奥行きを感じます。暖かいのだけれど
暖色ではなく透明感があるというか...。
ライトノベルの舞台ではなく、一般文芸作品の
舞台でも勝負出来る作家さんなのではないでしょうか?
樋口有介の初期の頃に雰囲気が近い気がするのは
自分だけ?? なの??
「リセット」の能力によって時間を遡って行き来する
展開が多いのでどうしても流し読みすると、スグに
ついて行けなくなるので、読むのに少々疲れるのが
贅沢な難点w。
投稿元:
レビューを見る
今まで明かされてなかったケイと春埼、そして相麻3人の過去話。そしてなんかこうもどかしい!けどようやくスタート地点なのかな?次も楽しみに待ちます。
投稿元:
レビューを見る
この巻単体で完結しても良いくらい、出色の出来だと思う。
なかでも相麻菫という人間味溢れ、どこか哀しいジョーカーの存在は秀逸。
投稿元:
レビューを見る
相馬菫が、復活するお話。
全体的には、2年前の出来事を、回想している。
ケイの、残酷な一面が、垣間見れた。
投稿元:
レビューを見る
羊の皮をかぶった羊とかそういうこの作品の言い回しがすごく好き。ケイと春埼が出会った頃を書いた作品。1、2巻の疑問が少し解ける。今回も作品の世界に引き込まれてしまった。結構辛いことがおおくて泣けるけど、よかった。続きに期待。