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保元の乱の話です。悪徳公卿のイメージのある藤原頼長が、実はおんにゃのこでした! という話。
最初、頼長って誰だっけ、と思ったんですが。この辺りの、貴族が武士に取って代わられる時期はあんまり興味がなくて、ちゃんと勉強していなかったのでね。でも、調べて、ああこの人か、と。
流れとしては、おそらく、史実として語られていることがほぼその通りかな?
そんなことはどうでもよく、いやあ、西行法師のあまりの男前っぷりに惚れ惚れです。あと、正妻だった幸子姫のキャラがいい。当の頼長……と言うか、ヒロインの綾は、うーん、どうなのかな(笑)。藤原頼長という形ではなく、ただの男装させられた姫君だったらあんまり好きじゃなかったかもしれない。
で、こういうスザルルっていいよね、とか余計なことも考えてしまったのです。
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主人公の立場がどんどん追いやられてなす術もなく権力に負けるのは、見ていて歯がゆいものでした。
悲劇にしては、ラストは幸せそうだし、メインは生き様のような感じでしょうか。
時代も珍しいところを持ってきて興味深いですが、恋愛ものとしてはあまりはまれませんでした。
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藤原頼長が女だったという架空の設定のお話ながら、歴史背景も良く描かれていて、私にはとても面白くこれからの大河理解の為におおいに役に立った。最後はハーレクインロマンス読んでるみたいでしたけどww二人が幸せになってくれて、私の中にまだ残っていた乙女心は満足です。
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宮乃崎桜子『飛天のごとく』下巻
上巻が西行が出家したところで終わり、下巻はとうとう頼長の人生の転落が始まりますね。
正直頼長という人物が一番映えるのはこの時期だと思っています←
鳥羽院が最後まで優柔不断なままで…この人はだから…という気持ちになってしまいました、いつかの論文で摂関家の兄弟争いを冷たく見ていた云々とか言われてたけどこちらの方が鳥羽院のイメージに近いです(笑)
結末は無難な感じでした。
可もなく不可もなく…個人的には頼長には死んで欲しかったなあ…なんて思いましたが^^;
ところで上巻でクズ人間に極みだっような忠通が、下巻になってかっこよく見えるようになったのは私が忠通をフォローするためのフィルターをかけて読んでしまっていたからなのでしょうか、得子様の腹黒さがハンパなくて女は怖いですね、本当に…
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頼長の性別を変更する事によって、物語に清涼感を与えていると思います。残された記録を再構成するだけでは、かなりえぐい内容になってしまいますから。とはいえ、上巻は歴史小説と少女小説が程よく融合していたのですが、下巻は歴史を追うのに精一杯で駆け足の展開になってしまったのがとても惜しいです。もう少し設定と人物を生かした「らしさ」があればもっと良かったかな。という気持ちがかなり強いです。状況の描写より情景や心理を掘り下げて欲しかったのですがこれは好みの問題か。このくらいが騒がしくなくてちょうど良いのかもしれません。
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平安末期。性別を偽った藤原頼長は、男として乱れた秩序を戻そうと奔走していた。そんな中、初恋の人佐藤義清が僧、西行となって現れ、政治を捨て女として生きるよう、西行は頼長に言うのだが。世の中は保元の乱へと進む。
人が転落していく様を見るのが好きなせいか、下巻の方が燃えました。
西行、男前過ぎる!!頼長の考えは時代錯誤でしたが、その意固地さが帰って切なかったです。
男としての頼長がめっためったにやられて、戦死したので、綾として生まれ変われたのは幸いだったかな、と思います。