- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
電子書籍
言霊はいかに歴史を動かしてきたか?
2015/08/25 15:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
称徳上皇は史上言われて生きたような色狂いではなかく、むしろ彼女は理想に燃えた有能な指導者だった!桓武天皇が遷都したのは奈良仏教との決別なぞが理由ではなく、もっと個人的な、或いは宗教的な理由であった!世界に誇る日本語の古典・万葉集は言霊信仰のために作られた?
一見途方もない新説に見えるが、しかし論理立てて説明されると納得してしまう。特に言霊の説明は読んでおいた方がいい。日頃、自分たちが言霊にとらわれて行動しているにも拘わらず、それを意識していないというのは怖いことであるから。
電子書籍
怨霊と言霊が支配した時代。
2024/02/25 16:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
この「逆説の日本史」シリーズを読んで気がついたことなのだが、我々現代日本人の日常会話や思考の中にも「言霊」信仰が生きている と感じることがしばしばある。現代でさえそうなのだから、千数百年前では、言霊が一刻の政治を左右してもなんの不思議もない。著者の考えがのびのびと述べられている巻である。
紙の本
風水作りの平安京と万葉集の言霊
2019/12/07 13:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
□道鏡と称徳女帝
日本の三大悪人
弓削道鏡(臣下なのに天皇位を狙った)
平 将門(朝廷に対し反逆した)
足利尊氏(後醍醐天皇に反逆し建武の新制を潰した)
称徳女帝は、時代の掟により生涯独身であることを強制された
そして、持統王朝最後の帝王である
藤原氏は自身の権力を確立することに腐心した
光明皇后は、紫微中台に中麻呂を据え、藤原氏の血統である大炊王を推した
中麻呂は、大炊王が皇位に就く(淳任天皇)と新羅征討を計画する
実行すれば唐に日本を征伐する口実を与えることになる
吉備真備によるクーデターにより計画の実行を阻止した称徳女帝の功績は大きい
称徳女帝は、日本の統治機構を天皇制から皇帝制に替えようとし、その皇帝候補に弓削道鏡を選んだ
天皇家の寄生虫である藤原氏は、自らの財政基盤を拡大するために「墾田永年私財法」を施行させた
律令制を守り、藤原氏の勢力を抑えるために墾田の拡大を道鏡と共に実行しようとしたのである
道鏡の失脚を決定づけたのは宇佐八幡の神託である
この後、アマテラスの子孫だけが日本の王になれるという天皇制が確立する
□桓武天皇と平安京
平城京から平安京への遷都が行われたのは、天武・持統王朝から天智王朝が復活し、王朝の交替があったためである
遷都は、平城京→長岡京、長岡京→平安京と続く
平城京は、天皇家にとって血統が断絶した「家相の悪い家」であった
また、長岡京は早良親王の怨霊の祟りにより手放すことになった
家相の良い家とは、四神(玄武・青龍・朱雀・白虎)相応の地であること
平安京は、この四神に相応した土地である
東(青龍) 流水→鴨川
南(朱雀) 沢畔→巨椋池
西(白虎) 大道→山陰道
北(玄武) 高山→船岡山
平安京は、風水の思想(陰陽道)により設計され、怨霊の祟りから防御するために建設された
そして、鬼門<艮(東北)>方向にいた蝦夷を征伐した
□万葉集と言霊
万葉集は存在すること自体、奇跡ともいえる極めて重要な文化遺産である
長屋王、大津皇子、有間皇子など、無実の罪を着せられ死に追いやられて犯罪者として憤死した人々の歌も載せられている
中国・西洋では、敗者の記憶につながるものは徹底的に抹殺される
万葉集は、いつ世に出たのか?
編纂者大伴家持も犯罪者であり「反政府詩集」と言われる歌集は世に出せなかった
桓武天皇は、家持らの罪を許し、歌集を世に出すことで名誉を挽回させた
それは怨霊を恐れての鎮魂のためである
古今集の序文(仮名序・真名序)に「平城天皇の時代に万葉集は編纂された」と明記されている
この序文の内容は歴史書としての読み方ではなく、文学書として見なくてはならない
柿本人麻呂は、政府高官だったが「犯罪者」とされたため、流罪にされ非業の死を遂げた
それ故に「歌聖」となった
鴨山五首・・・柿本人麻呂が刑死され、海に捨てられたことを詠んだ歌と思われる
歌の意味ははるかに重く、歌とは言霊を操ることであり、その言霊によって天皇や皇族の魂を直接ゆさぶることである
言霊の世界では言葉ひとつ一つが単なる記号や道具でもなく、場合によっては凶器にすらなりうる
歌は本人の霊そのものであり、だからこそ虚構の成り立つ余地は少ない
万葉集の編者は、柿本人麻呂に尊敬の念を抱いている
すなわちそこに、嘘はなく、不幸な死に方をした人々に対する畏敬の念である
紙の本
コトダマイズム
2001/10/20 03:06
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
言霊に終始する一巻。日本人の根幹をなす思想は言霊と穢れであるとして、歴史上の種々の現象を両者によって解決しようと試みる。べつにこの巻に限らないけれども、この方の本は非常に読みやすいし歴史に対する興味を持つにはいい本を書いていると思う。文庫版と言うことで持ち運びしやすくなってより便利。