サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

hontoレビュー

檻―おり― みんなのレビュー

  • ブラウザ
  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac
一般書

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー10件

みんなの評価3.5

評価内訳

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本

母達のしたたかさが印象的でした…

2007/12/01 17:51

13人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る


 いつも活動的なプラスエネルギーに充ち満ちた登場人物の多い烏城作品と、暗い影やどうしようもなくジメジメして肌寒い因縁話のよく似合う今市子氏のイラストという組み合わせに、「おや?」という思いを抱きつつ読み始めたのですが、読み始めてすぐ、心の底から納得感を覚えました。
 なにしろこの作品の主人公である稔は、学業を半ばで放棄したあと、何も仕事をしていないのです。好きな道はあったのですが、とある陰惨な事情で断念し、それっきり将来の展望も持たないまま、家に籠もって暮らしています。いちおう、不治の病を抱える母親の介護をするという役目はあるものの、母がいなくなれば、父の残したお金を食いつぶして過ごすだけの、無為の人生が待つばかり。
 主人公の好きになる宗司という男も、唯一の家族である母親と口も聞かずに、家に閉じこもってデイトレードに明け暮れるような人物です。この人はどうやら有能らしいのですが、仕事の様子はほとんど語られず、最初のうちは、穏やかな相貌の裏に、何らかの理由で瓦礫同然に破壊されたらしい心を隠しているらしいことが伺えるのみです。
 こんな後ろ向きの人物ばかりが、烏城作品に出現するということだけでもオドロキですが、さらに「檻」というタイトルに示唆されているように、稔が巻き込まれていく事態は、外の社会につながる空気穴すらふさがれたような、おそろしく閉鎖的な様相の濃いものです。
 難病を抱える母親の介護をしながら、世間から隔絶されたような暮らしを送っていた稔は、伯母の勧めによって、母親と共に母の生家に戻ることになります。伯母というのは母親の兄嫁なのですが、母の兄はすでに亡く、広い屋敷で息子である宗司と二人暮らしをしながら、夫から継いだ財団の仕事をしています。世慣れていない稔は、伯母について慣れない仕事を学ぶ傍ら、幼少時から人に言えない思いを寄せていた宗司との同居に心をときめかせ、淡いながらも気持ちの通じ合う過程を喜んでいるのですが、屋敷の庭に存在する、出入りを禁じられた開かずの茶室にまつわる「何か」が、稔以外の家族たちを重く縛り付けていることを感じ、不審に思い続けます。
 やがて稔は、家族としての好意とも底の見えない執着心ともつかない、微妙な感情を向けてくる宗司に対して、口に出せない思いを抱えきれなくなり、その茶室に引きつけられるようにして入り込んでしまうのですが、そこは稔が知るよしもない、いまはこの世にいない、血を分けた者たち……稔の母の兄であり宗司の父でもある宜哉と、母のもう一人の兄である尚秋の残した、愛憎の亡霊の住みかだったのでした。
 稔が茶室にいるところを見てしまった宗司は、稔を尚秋の亡霊と思い込んだかのように、普段の温厚な性格をかなぐり捨て、殺さんばかりの憎悪を向けて稔に乱暴をはたらきますが、自分のしてしまったことに気づくと、悔恨とともに自室に引きこもって出てこなくなります。稔は自分の存在が宗司を苦しめると考え、母の生家を出ることにするのですが……。
 稔も宗司も、極端に社会性というものに乏しい人材で、生い立ちやトラウマを考えれば同情の余地が多いとはいえ、正直、発破をかけたくなりました。とくに稔よりもずっと年上であるはずの宗司は、口もきかない関係の母親の手のひらの上で暮らしつつ、稔の勇気と包容力に救われるばかりで、最後までほとんどいいとこナシであるだけでなく、蓋を開ければサド系というキャラで、なんとも情けない限りでした。
 それに対して、彼らを見守り、理解し、絶妙な立ち位置で支えながら、最終的に二人の息子を幸福に導いていこうとする母親たち……稔の母である由美と、宗司の母である聡子の、強さとしたたかさは、たとえば烏城作品の「許可証」シリーズの主人公である弘と前原の、愛情深く元気で明るい母親たち(天然と苦労人のコンビでした…)や、「LinS」の主人公である惇を、強引に生涯のパートナーと引き合わせてしまう、親友の里村今日子のたくましさに、深く通じるものがあるように思い、やっぱりこれは烏城作品なのだなあと、うれしい気持ちになりました。二人の母は、屋敷の茶室にまつわる過去のために、人生が壊れるほど傷ついてきているはずなのですが、それを乗り越えて、一癖も二癖もある深い愛情を持つ女性になっていったのでしょう。
 稔と宗司がいつの日かたくましく成長して、母たちの手のひらからはみ出るほどの魅力を持つ人間になるのかどうか、いささか心許ないものがありますが、頑張ってほしいものだと思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

因縁・ミステリ

2017/06/30 23:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る

謎を引っ張るミステリーとしてはとても面白かったんですが、BL的な萌えはなかったです。
攻×受というより攻×尚秋、宜哉×尚秋にしか見えなかったので…。
執着攻もヤンデレも好きなんですが、受の存在がありながら攻は尚秋(と間違われた受)を犯してるし、受個人ではなく因縁への執着に見えました。
受は尚秋の幻影に過ぎず、攻との間にあるのはラブではなくひたすら因縁だなあという印象です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2 件中 1 件~ 2 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。