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みんなのレビュー53件

みんなの評価3.8

評価内訳

53 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

書棚の一番いい場所に、思い出とともに置きたい一冊

2011/02/22 11:54

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

実はこれ、伊坂幸太郎があちこちでやたら薦めてるものだから読んでみるか、と読み始めた作品である。伊坂氏は本書の解説をしていて、
「不思議で、素晴らしい終わり方だなと僕は感じた。~そして、書棚の一番いい場所に置きたいなと思った。~この本を読む人の中に、同じような気分になる人がいるかどうかは分からない。ただきっといるはずだ、いてくれればいいな、と思う。」
と書いている。
そして私は見事にその「同じような気分になる人」になってしまった。

主人公の翔太はいわゆる草食系で臆病な、しかし自分の幼稚さと非力さを自覚している平凡な11歳の少年である。翔太は電車の人身事故に巻き込まれて以来、イオウのような臭いと不自然な笑いと尻尾の生えた心を持たない人間の世界に迷い込んだらしい。
訳の分からないまま、警察と自衛隊から追われ、唯一の元の世界からの同伴者で売れない俳優・山ケンと逃亡するが、こちらの「家族」に裏切りられ、軍に捕われる。
ともあれ、翔太たちは軍の収容所キャンプ・ポピーで平穏な日々を過ごすことになる。国家機密として、研究対象として、要注意人物として。
監視役の職務に徹しつつ自然な表情で明るく接する豊田准陸尉、唯一元の世界を共有し粗雑ながらも男気のある兄貴分の山ケン、違う人間だと分かってもなお「山ケン」を愛し続ける恋人ユキ、翔太たち「メタ認知生命体」について奇抜な可能性や仮説を研究するユニークな老研究者、阿部先生・・・。
翔太たちは異質ながらも優しい彼らと温かい交流を深めつつ、元の世界に帰る方法もこの現象を説明することも出来ないまま年月は流れる。
阿倍のある仮説により、2つの世界も人も思い出も、自分自身さえも否定するその仮説にすべてを失うまでは。
たった一人の保護者であり愛すべきゴウストである「彼女」をのぞいて何もかもを失った翔太は、全ての答えと一つの思いを築き上げる。

彼らの遭遇した現象は何であったのか、どのような真実が待っているかは読んで頂くとしても、この作品にはそんな事実解明などものともしない素晴らしい「答え」があるように思う。

「ぼくは誰かのあいにすがりついて生きてきた。~相手になって欲しい、というのがぼくの愛の請い方で~日常を平穏のうちに乗り切るには、誰かに愛されていることが必要だった。」

翔太この言葉に、きっと人間という生物の哀しくも愛おしい全てが集約されている。

人は「私」を見てくれる、つまり他人からの認識されるという「愛」なしには生きられない。
それはきっと倫理的や道徳的な生易しい意味ではなくて、もっと根本的で本能的で、残酷なまでに必然的な生存条件で・・・翔太はそれに気がついたのだろう。

実は私の「少女期」にも同じ思いをしたことを思い出した。
「私って何?」「私を見ている、この私は誰?」
合わせ鏡のような「私」の意識、認識について延々と問い続けた日々。
答えのでない永遠の問答に幼い私が気が狂いそうになる、そして他者に助けを求めるのだ。 愛して欲しい、認識して欲しい、「私」という個体を客観的に、確実にこの世に存在させて欲しい、と、翔太のように愛を請う。

だから、私はこの作品に、非力で弱くて「私って何?」と問い続けたあの頃の「私」を思い出し、目頭が熱くなった。感動したからではない、ただひたすらに懐かしかったからだ。

伊坂幸太郎氏。私も「書棚の一番いい場所に」置きたくなりました。

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紙の本

これよりも素敵な本に出会えるだろうか?

2016/01/11 13:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

導入部も見事で

なんだかわからないけれど気になって

ついつい目で追っていて気がついたら

その人を好きになり始めている自分に気づく。

みたいな感じで私はこの物語の世界に引き込まれました。(笑)

四分の一ぐらいを過ぎたあたりからは

加速度的に頭も心ももって行かれ

もう読むことを中断することもできずに最後まで進み

残りのページが少なくなることになんとも言えない気持ちに。

ほとんどの本は読了後に手放しますがこの作品は誰にもあげません。

私が死ぬまで私のものです。(笑)

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紙の本

「心」に真正面から向き合った物語。ファンタジーなんだけれど、ファンタジーではない。

2011/08/24 14:18

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

気にはなっていたのだけれど
ファンタジーを連想させるようなタイトルに躊躇して
なかなか手が伸びずにいた。

しかし読んでみれば、ある種のファンタジーでは
あるのだけれど、全く不快感はなく
先が気になって気になって
一気読みしてしまった。

「パラレルワールド」なんていう言葉が登場するから
ファンタジーはファンタジーなのかな。
でもタイトルにある「ゴウスト」はそのままの意味ではなく、
「ゴウスト」は「ゴウスト」だけれど
いろいろな意味が込められている。


なにかのきっかけでパラレルワールドにワープしてしまった
11歳の翔太と俳優のヤマ健。
その世界は、翔太とヤマ健がいた世界と一見同じなのだが、
ふたりは周囲の人々に違和感を覚え始める。
やがてパラレルワールドで翔太たちの存在がバレ、
彼らは「異分子」として隔離されることになる。


本書は11歳の少年の、成長の物語でもある。
突如、異世界に放り込まれ、そこで理不尽な出来事に遭遇し
それらと適当に対峙しながら生きていこうとする翔太。
彼の生きる世界は厳しく一般的ではないけれど、
その中で彼は「大人」になっていく。
いや、「大人」にならざるを得なかったといったほうが正しいかもしれない。


彼を囲む脇役たちのキャラもいい。
翔太と一緒に異世界に迷い込んでしまった山ケン。
翔太たちの監視役兼検査役やお世話役を務める
阿部先生に豊田准陸尉に一枝二等陸尉などなど。
魅力的なキャラたちが脇を固め、
物語をより一層深いものにしているように思う。


また本書では、
(ネタばれになるから詳しくは触れないが)
「心」という、目には見えないがその存在は当然で、
当然過ぎて話題にものぼらないものに対して
真正面から取り組んでいる。
この発想がとても斬新に思えた。
そしていろいろ考えさせられた。
(どう考えさせられたかもネタばれになるので書かない)


そして何よりも驚いたのは、物語のラストだ。
簡単にいうと意表を突く終わり方だった。

「意表を突く」といっても、
ウルトラCみたいな大どんでん返しがあるわけでも、
がっかりするものでもない。

ただ単に、わたしの想像を超えた終わり方だというだけ。
そのラストを読んで初めて、
「あぁ、こういう帰着もあるのか」と気付かされた。
これじゃまるで未知との遭遇だ(笑)。

なんて、本書がすごい物語であるかのように書いているけれど、
ストーリー自体は大きな起伏もなく
坦々と進んでいく。

翔太たちが元の場所に戻ることができるか、できないか。
それが読者の一番の興味ではあるのだと思うが、
それを超えたところにある「ラスト」を著者は用意していた。

だからこそ、驚いた。
そして、考えた。
でもってたぶん、感動した。


好きだな。

読んですぐよりも、
読んでちょっとたった今のほうが
もっとずっと、好きになっている。

好きな作品だ。

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2008/12/22 21:47

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2008/12/23 17:09

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2011/03/24 20:31

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