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紙の本
ツルンとした社会を生き抜くために
2006/01/17 23:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
難解な哲学用語を使わないで、さらりと書いてあるようにみえるが、含蓄があり秀逸な文章である。やさしい語彙が使われているにもかかわず、正確に読みとるのは難しい。それゆえだろう、入試の現代文や小論文に頻繁に登場する。「Ⅰ 名文句を読む」は、倫理(哲学)の理解を深めるのにも役立つ。「Ⅲ 遊びをせんとや…」、「Ⅳ モード死語辞典」はつまらいが、「Ⅱ いま、ことばの感触」、「Ⅴ 思考と言葉」がすばらしい。
この本を読んで、私も幸福について考えさせられた。そして、この本を読む心の余裕が持てる生活ができること、それはきっとこの上なく幸せに違いないと思った。と同時に、それは、心の安寧を求めて、この手の本を次々と読み続けないではいられない不幸の結果でもあると感じた。
少し前に『東電OL殺人事件』(佐野真一)を読んだが、被害者の心の奥に潜んでいた澱を照射する視点を、この著者こそ持っているのではないかと思った。そして、その被害者の心の闇と同質ものが、昨今のヒルズ族の心性にもあるように感じるのは、私だけだろうか。
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