紙の本
ぬえのなく夜に気をつけろ
2022/02/17 11:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藍花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬戸内海の小島を舞台に、因縁深い名家の確執、双生児に洞窟とこれまでの集大成のような作品!
「ぬえのなく夜に気をつけろ」この言葉は何を意味するのか?おぞましい光景と狂気に満ちた犯行に戦慄を覚えました。終盤の緊迫感は凄かった!
もう一つの物語の切なさには思わず涙。
紙の本
グロテスクで美しい
2021/03/19 20:50
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投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
名作揃いの横溝正史作品の中で、この作品が一番好きだ。
グロテスクで禍々しいのに、どうしようもなく魅了されてしまう。
最後の洞窟の中のシーンも、悪趣味なのに最高に美しいエンディングだと思った。
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横溝って、実際読むまでは血みどろ死体の“怖い”ばっかりで、男と女のドロドロがこんなに描かれているとは思わなかった。(2004-10-28)
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金田一耕助シリーズ
消えた片穂。野犬・阿修羅を追う吉太郎の発見した遺体。謎の青年・三津木五郎の正体をあかす浅井はるの手紙の全貌。磯川警部の秘密。地下鍾乳洞の冒険。シャム双子の秘密と失踪した3人の男たち。「鵺の鳴く夜」の秘密。金田一耕助がたどり着いた真相。
2003年4月14日購入
2003年5月4日読了
2010年8月11日再読
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うわぁぁ、きつい表現オンパレードだなぁ。
夜に読んだらたまったものじゃあないですね(笑)
なのでエロ・グロ・狂気いずれかが苦手な人は
気分を害しますので気をつけてください。
なんというか、最後はなんか虚空にいるような感じ。
空っぽになってしまいました。
なんというか、悲しいものです。
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悪霊島の大洞窟、八つ墓村の鍾乳洞…設定は似通っているが、作品には欠かせない舞台。明らかにされる因縁。
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怪しい人が犯人だったので、そのへんの意外性はなかった。
でも、神性が汚されたような気がして嫌だったなぁ…神性そのままで希代の殺人犯となって欲しかったかも。
しかし蒸発した人たちとシャム双生児がああなってたのは驚いた!
悪趣味でグロテスクで最悪に最高だった!
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かなり人間ばなれした人々が織り成すグロテスクな愛憎劇。
磯川警部の隠された過去にも驚く。
最後の最後まで、後味が悪い感じ。
あと、推理小説というよりは冒険小説という感じ。
期待通りの変態っぷり。
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後半作品は時代背景が落ち着いているので微妙なのが多い…と思っていた自分が恥ずかしい!
大体の大筋は下巻の前半からわかってくるのですが、1つ覆り2つ覆り…
クライマックスは八ツ墓村にも匹敵するほどの緊迫した犯人との対峙が待っています
金田一の好相棒・磯川警部の驚愕の事実も明らかになり、盛り沢山で最後まで手を休める暇がない!
冒頭部分も好きですが、終わり方も含みがあっていい・・・
しかし、金田一シリーズの中でも1,2を争うほどの悪女ではないでしょうか
蒸発した3人の殺害方法がエログロ・・・
サイコパスぽいな
2012/11/22-23
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うーん、これで終わりか・・・・・・。
最後まで
「いや、そんなはずはない。いつかどんでん返しが・・・・・」
と淡い期待を抱いていたのだが…。
僕のような本格志向の人には、ずいぶん物足りない結末と言わざるを得ない。
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うむ、これぞ横溝。
因縁因習家督相続どろどろこそ日本のミステリの王道!(と、とりあえず言い切ってみる)
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ネタバレありの書評。
これから読みたいと思っている方は要注意。
ストーリーの中核の一つとなる手紙に細工があって、「実はこうでした」という種明かしをして話を一気にひっくり返すのは、ちょっとどうかなーという感じ。上巻でギリギリ、その辺を推測できそうな描写があったりするけど、上巻では手紙の内容をそのまま文章で書いたのみ。一方、下巻で新たに隠された便箋があると判明した時には、手紙の体裁を見せるために便箋1枚ごとに枠で囲んであったけど、このトリックを使うなら上巻からこのようにして、読者に推測の余地を残さないと卑怯かな、という印象が拭えません。
これが、☆をだいぶ減らした理由の一つ。
二つ目の理由は、犯人と最後の謎解きの舞台とが、横溝正史の十八番過ぎて面白くもなんともなかった、というところ。
隠し扉、地下の迷宮、最後にすべてを暴露してくれる犯人、捕まらず(捕まえられず)に死ぬ犯人、そして犯人(たち)のキャラクターなどなど、ものの見事に「どれか別の横溝作品」でも出てくるものばかりです。目新しさがなければ面白くもないわけで、この辺、ホームズやポワロの方がよっぽど気が利いてると思います。まぁホームズもポワロも、推理の飛躍や舞台の描写の弱さなどといった点では時折アレなのですが、少なくとも犯人のキャラクターは作品ごとにしっかり違ってます。
とにかくここまで来ると、著者は女性に対して何か特別な偏見や劣等感、恐怖心を抱くようなトラウマでもあったのかな、という下種の勘繰りまでしてします。横溝作品を読むならば、最初から「女性」を疑っておけば犯人捜しそのものは難しくない、と、僕が感じているのも、決して無茶な理論ではないと思います。
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なんで犯人は片帆を殺したの??最後まで説明がないのでもやもやする。
あと、冒頭にシャム双生児なんて興味深い題材持ってきてほとんどストーリーに絡んでないというか、え、それだけ?みたいなのもなあ…
上手くすれば大傑作になりそうなのに色々惜しい
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クライマックスへ向けて怒涛の展開と謎解明はスッキリした!
読み終わってみると、やっぱり金田一さんは素晴らしい。
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アメリカ帰りの富豪に依頼された人探しのために、金田一耕助は久しぶりに岡山県へ行く。そこで磯川警部と旧交を暖めたのも束の間、警部の話から探していた人物が怪死したらしいことを知る。
こういった物語が、上巻にあるような恐ろしく謎めいた言葉の書き出しで始まる。
こういう、今から恐ろしい物語が始まるよ、と自然に読者を横溝正史の世界に引きずりこむ盛り上げの上手さが横溝正史作品の魅力だと思う。
横溝正史の作品には「平家物語」や平家の落人といったものがよくあり、岡山県と平家は深く繋がっているのだなと感じる。「平家物語」も読むと更に愉しめるのだろうが、ちょっと読めそうにない。
この作品では、蒸発という出来事が頻発する。
蒸発という表現に時代を感じる。今なら失踪というところだが、昭和の時代では確かに蒸発とよく表現された。
こぼした湯が蒸発して姿を消す様と、人がある時忽然と姿を消す様が似ているために使われたのだと思うが、これも死語になるのだろうか。
また、シャム双生児という言葉も出てくる。
腰の部分で結合した双子。こういう気の毒な状況で生まれた子供を、恐ろしさを高めるために使うのは現代にはそぐわない気もするが、昭和の時代は障害のあるひとを差別語を用いて悪意なく呼ぶひとは普通にいた。横溝正史の作品を読むと時代の流れを感じる。
どの作品にも共通の殺人事件がドンドン起き、大概殺されたあと金田一耕助が推理という、もっと早く解決してよとツッコミたくなるところは同じであり、洞窟を探検するところなどの冒険のあるのも横溝作品には暫しある定番の面白さだ。
この作品の魅力は、金田一耕助シリーズにおいて金田一耕助と人気を二分するのではという磯川警部について多く描かれているところだ。わたし自身が金田一耕助よりも磯川警部がお気に入りだ。
「悪魔の手毬唄」においても磯川警部の切なさが印象に残ったが、金田一耕助も磯川警部も年を取り、老いが感じられるときに「悪霊島」で綴られる内容は、本当に辛く哀しい。磯川警部ファンには、益々磯川警部が好きにならざるを得ない。
若い頃の叶わぬ恋が忘れられず、富豪となって故郷へ帰ってくる男。これが金田一耕助の依頼人なのだが、まるっきりギャツビーではないか。
犯人は誰かなと推理小説本来の愉しみは勿論あり、そこに「平家物語」が絡んだり、昭和の時代を窺ったり、磯川警部の気持ちを読んで哀しくなったりと様々に愉しめる。
最後はまた金田一耕助が真相について沈黙するというわたしには異議ありな形であるけれど、今回は愉しめたので文句なしにしたい。
最近だらけ気味だった『ひとり横溝正史フェア』であったけれど、これだよ、こういうのを待ってたよと嬉しくなる作品だった。
おかげで最後まで『ひとり横溝正史フェア』を続けられそうだ。