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銀行の腐敗の原因が、権力者の公私混同、社内政治の横行といったものに原因がある事が描かれている。
金融機関だけでなく日本の企業経営者は多かれ少なかれ当てはまるのではないか。
小説であるが、自分の勤めている会社のことを描いているように思えた。現代の日本企業の病巣を抉り出した力作
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金融系にでも就職しない限り、地下水み脈のように見えないところで大きく流れるお金の動きについて知るコトはまずないだろう。
この本を読んで、日本の金、権力、法、マスコミ、ヤクザの関係性について新しい視点が持てるようになったと思う。
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主人公の竹中は、総務部渉外班での特別任務を終え、次のポストはプロジェクト推進部。プロジェクト推進部の業務は不良債権の回収。不良債権の回収が遅々として進まないのは、その筋の方が多く関係しているから。
一生懸命不良債権の回収をしている行員をよそ目に会長は銀行を私物化し、新たな不良債権を創出する。そんな会長に反抗できる唯一の人たちが…
日本社会にとってヤクザが一番儲かる商売である。政界、財界の表に出来ないことは全てヤクザが担当する。あの有名な首相の資金調達には…地上げ屋とヤクザと銀行の関係など、日本にはまだまだ闇の部分が多すぎる。
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すごく面白かった。やりたい放題の鈴木がずるずると権力の座を滑り落ちていく様はいかにも痛快であった。08.6.3読む。
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限りなくドキュメンタリーに近いフィクションという印象。綿密な取材がベースにあるんだろうなあという事は感じられる。長い割に話の流れはトピックスごとに分断されていて、もう少しクライマックスのある物語を期待していた自分としては若干残念。
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今でこそ銀行が倒産するなんて事は当たり前?ですが、
あの時代にここまで書けたというのはすごい。
主人公の竹中が臨機応変に対応し、総会屋の大物とも懇意
となるというのが若干無理があるが。。。
二転三転するストーリー展開にどんどん引き込まれる。
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三○銀行(現MTU銀行)がモデルになっているらしい。
しかし、次から次へと目が離せない展開。面白い。
いやあ、女は怖いなあ。気をつけないといけない(笑
しかし、柳沢吉保はどうなったんだろう。
結構気になったりするんだけど、やっぱり左遷されたのかなあ。
ふと思ったのが、国民は公的資金の注入について反対が多いのだろうか?
俺はそうは思わないんだけど。
もちろん、責任を出来る限り償わなければいけないけれど、
もし銀行が倒産したのなら、経済が大ダメージをうけることは事実だしなあ。
確かに、金融機関以外がつぶれる場合でも放置するのに、
金融機関に限って救済するなんておかしいと人情的には思うけど、
やっぱり長期的視野で論理的に考えるとせざるを得ないと考える。
ただ救済に痛みが伴わないのであれば、
銀行がモラルハザードに陥りかけないので、
出来る限りツケは清算しなければならないが。
しかし、こんなにやくざさんが絡んでたのね、金融って。
今はどうなのかなあ。
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ヤクザこえぇ...・'97頃の銀行の不良債権処理を描いているが、そこらへん丹念に書きすぎていて退屈。・農林系の住専の不良債権処理に関して自民党の政治家による介入で都市銀行がより多くの負担を被ったみたい。自民党の指示基盤は地方の農民たち。・バブル期に無茶な投機をしたやくざらに対する債権の回収がうまくできなかったせいで問題が長引いた側面もあるらしい。・小説として権力闘争みたいな部分は面白かった。バブルの銀行の責任論を説いている部分は正直読んでいてつまらなかったが、多少なりとも勉強になった。
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バブルを知らない世代の自分にとっては、当時の様子がリアリティを持って書かれているので非常に面白かった。小説ではあるものの、金融の歴史を知る意味でも役に立つ本だと思った。
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おそらくはうちの銀行が主なモデルの金融小説。
会長による不正融資、MOFへの接待、不可解な人事、暴力団との絡み、住専問題…
バブル後の痛みに痛んだ銀行の内部が1人の感情的で正義感の強い主人公の目を通して描かれている。
読んでいるうちにテンションが下がってきたが、次第に視点は変わってきた。
・絶望するような現実の前でも頑張れば正義が通ることもあり得る。
・内部の権力闘争はハンパない。
・政治と金融は切っても切り離せない。
人生キレイゴトだけで生きていけるとは思わないけど、いかにキレイゴトを大事にするかも大事だし、今は余計な心配をせずに夢を持って1日1日がんばろう!
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銀行が舞台になっています。
三和銀行がモデルになっている”協立銀行”が舞台。
正直、銀行ってところはどんな業務をしているのか知っていそうで、
知らないことが多く”へぇ~”って感じでした。
特に、主人公が色々と銀行の裏側で、スキャンダルを処理するところなどは、
フィクションならではの描写だろうなぁ~
などと読み進めていきました。
ただ、高杉良作品は比較的事実を元に、脚色している部分もあり、
真実味があり、”こういうこともありえるんだ”と感じる部分が多々あり、
参考になりました。
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右翼団体からのいやがらせなどに耐え、少しずつ正道に建て直していく。
終盤には裸の王様鈴木会長を含めた権力逃走が描かれる。
最初は愚痴っぽくひがみっぽい主人公も随分成長している。
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このシリーズは6、7年前に読んで、小説っておもしろいと思わせてくれて、本を定期的に読むキッカケとなった。久しぶりに読み返してみたが、やっぱりおもしろい。銀行という非常に窮屈で、失敗に厳しい職場のなかで、清濁を併せ呑んで、でも自分に誠実にできる範囲で仕事をこなしていく主人公は読んでいて好感をもてるし、同僚・上司との会話劇は読んでいて飽きることがない。自分のオススメのシリーズです。
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高杉良さんの代表作。
ワンマン経営者が経営する都立銀行の、内部における事件・事故。それに対峙する会社人の悲喜交々を、主人公を通して描き出している。
登場人物は架空のものであるが、時代背景や政治背景は現実に則しており、舞台はバブル絶頂期。膨大かつ丹念な取材をもとにしたであろうその筆致は、現実以上のリアリティーをもって読み手に迫ってくる。
バブルに踊り踊らされた日本を、銀行という組織の内部を舞台に、陰に陽に表に裏に描き出した大作、迫真のドラマ小説である。
本当に素晴らしい。