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登場人物の寂しさ、人間の弱さ、そしてそこから描く混沌とした現実社会…。あっという間に全部読んでしまいました。
この「サウダージ」というコトバはポルトガル語なんですが、日本語ではどうも訳しにくい言葉なんだそうです。言葉を学ぶことって、もちろんコミュニケーションができるメリットもありますが、そのコトバそれぞれのニュアンスを感じて楽しむこともコトバを知る面白みだな〜って思います。
小説はというと、嫉妬する気持ちや親に対する想い、祖国に対する想い。自分と環境があまりにも違うので、登場人物に自分を重ねたというより、新しい人生観を体感したという感じでした。盛田さんの作品、もっと読んでみようかな。
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「夜の果てまで」のヒットで復刻された本ですが、やるせなさ感(サウダージ)はありますが、いまいちな感じです。サウダージといったらポルノグラフティなほうかも・・・
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人材派遣会社に勤める主人公が、裏で密入国などのビジネスにも関わる一方で、多様に揺れ動く20代後半の生活を過ごしつつ己が人生を見直していく。
主人公は男なんですけど、作中では一貫して女性に振り回されています。それは主人公に止まらず、友人や父親、といった主要な男性陣はことごとく女性に振り回されている。「弱いっちいなあ、オイ」と思う一方で、他人事ではないように思ってしまいました。
シンプルに見てしまえば振り回す方の女性が身勝手(もちろんそのような側面は否定できないのですが)なようにも思えるのですけど、詰まるところはそれを許してしまう主人公ないしそれに付帯する男性にこそ病理が潜んでいるのでしょう。この話のコアになるのは主人公の幼少における母親との乖離なんですけれど、それを乗り越えるステージとして20代後半という役の割り振りはそれなりのリアリティーがあったように思います。
とは言え名言的に教訓めいたことを訴えているわけでもなし、またエンタメ的要素も薄いといった感じで、改めてこうやってレビューを書いていても「また読みたいなあ」といった感慨を抱かせるには弱い作品であったようにも思います。単純に僕の経験値の低さや感受性の問題であるのかもしれませんけど。ただ、文章構成や表現は好きな部類だったので、また作者の違う作品は読んでみたいなと思います。
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色々なものを背負った人間達が東京という街に流れ着き、そこで触れる喪失感、恋、友情、愛。生きてく上で無くすものって多いのです。
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海外から日本に出稼ぎに来ている方々の状況が書かれた郷愁を誘う作品。『娼年』に出てくる女の人とすることは似たようなものなのに、こうも印象が違うのは何故だろう。
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「サウダージ」とは「孤愁」というような意味らしい。
島国日本の言葉には訳せないコンセプトだとか。
国際色が豊かな登場人物たちそれぞれが日本で色々と考える。
日本で生活して、不満もないけど、何かが足りてない感じ。分かる気がする。
「うすのらな生活をいつまでも拒んでいると、しまいにはつまらない夢を追いかけることしかできない人間になってしまう」
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070907(m 不明)
080818(m 081119)
090111(s 090320)
090404(a 090624)
091014(m 091223)
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【あらすじ】
「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い―。日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。若いパキスタン人労働者シカンデル。日系四世のルイーズ。裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。
【感想】
最初に読んだ盛田さんの本です。
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女は若くても年老いても、男に体を売ろうとする。それは寂しさをまぎらわすため?でも、それを繰り返せば虚しくなるばかりなのに…
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意識は外に向いているか内に向いているか。自己と他者の境界線は曖昧なのに、過度に線を太く描くとつまらない。盛田さん二冊目読了。
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心にトラウマめいたものを抱えながら淡々と生きているものの、何故か女性を惹きつける魅力がある青年が主人公の物語。誰かの作品に似ていると思いながら読んでいましたが、最後になって樋口有介氏だと気付きました。全ての事柄に決着を付けてしまわないで、何となく曖昧に終わらせてしまうところも共通項です。
今日は仕事納めのせいか気持ちが落ち着いており、そんな日に静かに読むにはいい感じの作品でした。
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盛田さんの二作目読み終わりましたー。なんだか題名のサウダージっていう言葉の意味「それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い」からも登場してくる人達が心の中に虚しくて、やるせない想いを抱えながら人と出逢いまた別れていく。って感じのお話でした。なんか悲しいけどリアルってこんな感じだよなぁ。って思いました。
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最近、移民に日本語を教える活動はじめたので、読んでみました。
エロいしグロいし不快な物語ですが、読了後は、人間を静かに抱きしめたい気持ちになりました。
大人にもわからないことは多いし、故郷は違くてもみんな同じ人の子なんだなー、と思いました。
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【本の内容】
「サウダージ」、それは、失われたものを懐かしむ、さみしい、やるせない想い―。
日本人の父とインド人の母の血をひく裕一。
若いパキスタン人労働者シカンデル。
日系四世のルイーズ。
裕一の行きつけのバーの雇われママ、フィリピン人女性ミルナ。
それぞれが癒しがたい喪失感を抱きながら、東京に流れ着き、出会い、そして別れていく。
人々の胸に去来する、やるせない想いを描く傑作長編。
[ 目次 ]
[ POP ]
嘘臭いけど書きます。
主人公・裕一のセックスに対する何だかよく分からない嫌悪感というのは僕にはよく分かって、ルイーズやあずさに誘われても決して一線を越えない裕一の言動は本当にツボだった。
対女性関係の交渉能力のなさとか。
内面の闇を描きながらも、深層を明るみに出そうとしない著者の姿勢も良い。
作中、居場所を探して彷徨っているのは、ハーフの裕一や外国人労働者たちだけでなく、玲子や博やあずさやその他大勢の人々もふらふらと放浪を続ける。
年齢や性別や国籍に関係なく彼らが彷徨い続ける様は、本当に泣きたくなるような風景だ。
そしてこの作品の魅力は、登場人物たちがありもしない「ここではないどこか」を闇雲に探しているのではない、ということだ。
だからこそ、ラストでの裕一の決断が感動的なのである。
それにしても派遣社員の面接に来る女性たちの行動には、別にうぶを装うわけではないが、ちょっと唖然とさせられた。
これってリアリティがなさ過ぎて逆に恐い。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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夏っぽいかな、と思って手に取った本。この作家はたぶん初読。少なくともbooklogに書いているリストには無い。
日本人とインド人のハーフとして生まれた主人公が、フラフラしている父親、モデル上がりで奔放な母親、国外退去に怯えるパキスタン人、お金のない日本人たちに振り回される夏の終わりのひと時。
「貧困セックス小説」とでも言うんでしょうか。最初から最後まで一貫して、居心地の悪い状況が続く。1990年を回想して書いているらしいけど、別に携帯電話を出して1999年でも、スマホが出てきて2015年でも良いような作品でもある。
内容はともかく、個人的に嫌いな表現が多いので、読んでいて辛かった。具体的には、章が変わった所で視点が別人物に変わっており、個人名や固有名詞がバラバラバラと撒き散らされる。あずさだのトシだのダイアー・ストレイツだのニール・ヤングだの、知るかボケと言う表現が出てくる。
なんかこのイライラ感、以前に読んだよなー。マガジンハウスとかの女性向け雑誌の後ろの方に、なんだか抽象的な絵を入れて、ストーリーをブチブチに切ったアレ…角田光代の「どこか遠く」とか言うアレだ、と気がついたときにはときすでに遅し。嫌いなタイプの小説ですよ、もう。
結局、バンドのボーカルに投影だとかはしなかっただけ救いは有ったものの、なんというか、打開も破綻もなければ殺人事件もなく、気分の悪い状況を維持だけで終わって、個人的には何も残りませんでしたという作品でありました。