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昭和のヒーロー像に与えた影響
2023/04/23 18:56
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投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉川武蔵は、昭和のヒーロー像に影響を与えたと考えてきた。単なる技の優劣を競うのではなく、人間的成長をも目指す姿は、悩み多きヒーローたちへの影響が大であると。ではなぜ吉川はこのような武蔵を描き、後世の作家たちが描く武蔵はどう違うのか。巻末の解説に、戦後に登場した数々の武蔵像が紹介されている。吉川武蔵の影響の巨大さは想像に難くなく、そこから無意識に離れようとする作家としての思いもあるだろうが、時代の変化からの影響も想像できる。逆に、吉川武蔵が剣に留まらぬ人間性の感性を求めたのは時代のせいなのか、吉川の望みか。
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武蔵は小次郎からの手紙を受けて山に一人籠もる。将軍家御師範役の大役も目にくれず、我が道を行く。また、伊織に思いがけない身内が発覚する。しかし、それもまた不幸となるのか。江戸と柳生家の間で行き違いばかり起こる。最終巻への布石は充分に整った。どのように終焉を迎えるのか。。。
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~内容(「BOOK」データベースより)~
わが国の新聞小説で「宮本武蔵」ほど反響を呼んだ小説はないであろう。その一回一回に、日本中が一喜一憂し、読者は武蔵とともに剣を振い、お通とともに泣いたのである。そしていまひとつ気になる存在―小次郎の剣に磨きがかかればかかるほど、読者は焦躁する。その小次郎は、いち早く細川家に仕官するという。宿命の敵、武蔵と小次郎の対決のときは、唸りをうって刻まれてゆく。
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武蔵と小次郎の動向が主に描かれています。
いよいよ運命の決戦に向かって、物語の潮流が大きく動き出しています。次はいよいよ最終巻、この流れがどういう結末を見せてくれるのか、とても楽しみです。
全体を通じて人と人とのつながり、というものが特に描かれていると思います。何事も人から始まる―このことを強く感じます。
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ライバル小次郎の仕官。苦労人武蔵はそれでも焦らず、自己の道を着実に進もうとする。最後に勝つのは着実に進歩を遂げるものだ!早く出世したものではない。
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江戸では、取り入り上手な小次郎のお武家勤が決まる。いるよなーこーゆーヤツ…とか、すっかり感情移入のラスト2。
その江戸の周辺で、第一巻から続く良縁悪縁が組紐のごとくサブストーリーとして拗れていく。いや、寧ろこじれすぎて笑える。
表の顔は信仰深いが実は犯罪組織の首領、国家転覆を狙う大蔵がラストにどう絡むかが楽しみ。
江戸の時代って泰平の世のようなイメージだけど実際テロリストとか多かったのかなー
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他人のため、天下のために身を捧げるという承太郎に対し、沢庵が
「自己が基礎ではないか。いかなる業も自己の発顕じゃ。自己すら考えぬなどという人間が、他のために何ができる」
と述べるところが印象的だった。
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将軍家の話だとかがでて来て、少し雰囲気が変わった部分あった。今回も武蔵が登場しないシーンが半分くらいあり、そうなると前半の巻であったような痛快さもやや欠ける。
これまで展開した話が、この巻含め残り二巻で、綺麗に収束するのを期待している自分がいて、それに反してまだ新しい登場人物があったりと一向に収束に向かっている気がしない。
また勢いを取り戻して、且つ綺麗に刈り取られて終わることを、最後の巻に期待。
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だいぶ娯楽小説っぽくなってきた(いい意味で)。多くのキャラクターがところどころで絡み合っていくのが面白い。武蔵は意外と出番が少ないんだな。
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「それが不幸か僥倖かは、後になってのみ分ることで、人生の事々はすべて、回顧される時にならなければ、ほんとの薄縁とも不幸ともいわれないものであろう。」
「『自己の一身など考えていては天下の大事はできませぬ』
『青二才』
沢庵は、一喝して、城太郎の頬をぐわんと撲った。城太郎はふいを打たれて、頬をかかえたが、気をのまれたように為すことを知らなかった。
『自己が基礎ではないか。いかなる業も自己の発顕じゃ。自己すら考えぬなどという人間が、他のために何ができる』」
「学者の部屋の真理は、世俗の中の真理とは必ずしも同一ではない」
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宮本武蔵第7段。 否が応でも高まる最終章への期待。懐かしき賢人たちも登場し、心は踊る。 正義とは何か。大儀とは何か。命をかけるべき道とは。筆者の問いは、読者に深く突き刺さる。 「いかなる業も自己の発顕じゃ。自己すら考えぬなどという人間が、他のために何ができる」
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月日が経ち同じ人物であっても全く違うものとなって行くように、人と人との関係も変わりゆく。その関わり合いの焦点であるところに次第に物語が一点に収束していく。その先とは武蔵と小次郎の決戦。早最終一巻に一体どのような結末が待つのか。
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またまたすれ違いの妙。
しかしこんなに子供を舞台回しとして上手く使っていたのか、完全に忘れとりましたが感心しきり。
子供を上手く使う作品はメリハリが絶妙に効くとは当方の持論。
さてさて最終巻へ向かいますか。
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武蔵のいない所で、見ず知らずの他人同士が、武蔵の名前を通じて繋がりを持っていく所が良い。
2014/9/3
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結末に向かう第七巻。
ついにこの小説もラスト一巻となり、
武蔵の周囲の人物、又八、朱美、お甲、城太郎、
と言った人々にもそれぞれの結末が待っていた。
佐々木小次郎との巌流島での対決に向け、
武蔵の物語は収束へと向かいつつあるが、
お通とは意外な縁が明らかになるも、
やはりすれ違う。この期に及んですれ違う。
二人の結末は果たしてどうなるのだろうか。
そして誰もが結末を知っているであろう
佐々木小次郎との巌流島での果し合いの
決着はどのように描かれているのだろうか。
この小説をネタバレ無しで読める私は幸せである。