紙の本
天文学者・石田五郎氏による星との対話を綴った書です!
2020/08/22 13:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『星の歳時記』、『星空が語る宇宙の話』、『星と星座』、『天文台日記』、『星ものがたり 星のものしり入門百科』などの著作で知られた昭和の天文学者であり、文筆家であった石田五郎氏の作品です。同書では、「わたしたちがなにげなく仰ぎ見る星空に、天文学者たちは<自分の星>をもっている。ある時はそれと静かな対話を楽しみ、またある時はそれと戦う」と述べられています。観測の合間にかわされる会話や、天文台を訪ねる人々とのふれあいなど、興味深いエピソードをちりばめて、岡山天体物理観測所で副所長を勤め、星と対話を続けた著者が記した天文台職員たちの生活をうかがい知ることができる好著です。天体観測が好きな方には、たまらない一冊ではないでしょうか?
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昔の名作の復刊シリーズです。
大して厚くもない文庫の割りには泣かせる値段です(財布痛。涙)
1970年代に岡山の天文台で副所長をしていた著者の一年間の日記です。日記の形式を取っていますが、単なる記録だけではなくてコラム的な内容も多々あります(笑)
技術も情報量も現代とは比べ物にならない時代の話なんですが、何と言うか星に対する情熱が感じられて良いです(笑)この時代の天文台の日常も淡々と書かれていながら興味深いです。
山の上の天文台に住み込んで毎夜毎夜天候に左右され、ガラスの乾板に一つの星を写すのも大変な当時の天文台の様子が伺えます。マメ知識っぽいコラムの日も読んでて楽しいです(笑)
日記の初日にいきなりペットの犬にタマネギを食わせていたりするのが昔の時代です(爆)
そしてやっぱりこの人も天文屋なんですよ(笑)
小柴先生の本の時(前の日記だけど)でも書いたんだけど、こういった学者や研究者が、自分の職を物理屋とか天文屋とか言うのが好きです(笑)つか〜屋ってのが好き(爆笑)
俺はコレでメシ食ってんだ!って職人みたいな責任感があるイメージで好き(笑)
個人的に英語の略称とかカタカナの職業は、何となく仕事キッチリってよりは条件でフラフラ流れるような責任感が無い感じのイメージなんです;;
現代の日本の天文学では、ハワイに作られた世界最大級の望遠鏡「すばる」が有名です(笑)晴天が多く澄んだ空気の中で、この時代とは比較にならない程に大きくて精度の高い望遠鏡を使って、近年色々な新しい発見を次々としています。
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子供の頃の愛読書。子供の頃は星を見るのが好きで、天文学者にあこがれていました。(しかし、天文学者には数学の才能も必要で、挫折)すばるができる前、日本最大の望遠鏡を管理運用する学者の日常。夜の静謐な時間が流れている感じがよく分かる淡々とした文章がすごく素敵です。
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実際に天文台で働いていた人の日記。
専門用語に注釈は付いていないけれど、日々どのような生活を書かれていて興味深い。毎日星を眺めて暮らしているかと思ったが、他の天文台や学者の人たちが頻繁に来るので、望遠鏡を独り占めにしている訳ではないらしい。
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日々繰り返される 星空との対話。
星空に興味のある方もそうでない方にもおすすめの一冊。
元旦から大晦日まで、天文台の一日を淡々とつづった星空エッセイ。
のんびりと豊かな気分になれます。
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岡山天体物理観測所に勤められていた石田五郎さんが、天文台の春夏秋冬を綴った本。もともと1972年に「ちくま少年図書館シリーズ」として刊行されたものですが、石田さんの格調ある文章は、青少年はもとより大人が味わうにふさわしい内容です。
長らく国内最大だった188cm反射望遠鏡を擁する岡山の天文台。観測中の大事件小事件や、天文台ならではの四季の出来事、夜型生活の天文学者の暮らしぶりなど、観測所の人々の様子が息づかいを感じるように描かれています。
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長らく天文台に勤めてきた天文学者である著者の、星や宇宙への愛がひしひしと伝わってきて、地味だけれど温められる。
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岡山天体物理観測所で副所長を務めた著者の、星との対話を綴った日記。
アヴォカドさんよりお薦めしてもらった本です。
この画像を見てもわかるように、表紙がとっても綺麗。
しかしこの本、もともとは筑摩書房より昭和47年に発行されたのを、中央公論新社が2004年に文庫にしたもの。
だから、この本で書かれている「当時」は昭和40年代。私が生まれる20年も前のことなのだ。
当たり前だが、星の観測は夜に行われる。
夜を徹して星の観測が行われることもあるというのだから、天体に関してはさっぱりの私は驚いてしまった。
時には、2日3日連続して徹夜することもあるという。
しかし、それを描く石田さんの筆はあくまで穏やかで、温かく、そして真摯だ。
1月1日の日記の始まり方からして、その雰囲気は始まっている。淡々と仕事をこなす様子にも、力まず慌てず、仕事に対する誠意と、天文台を訪れる人々とのユーモアを交えたやりとりがにじみ出ていて、何気ない日々がとても豊かなものであるように感じられた。
星の観測をずっと続けるというのは、それこそ星が見えている間はずっと目を離さずにいるということなのか、それともデータを取っていて、数秒とか数分置きに星の動きを見るということなのか、そこらへんが少し気になる。
実はこの本でも、科学的なことは全くわからず私はずっと「?」状態だった。
けれど、著者の石田さんが「ラプラスの伝記を研究したい」と言って天文学科に入った(!)人であるくらいだから、星の描写や人々との交流もフィジカルで丹精な文章で綴られているので、科学的なことがわからなくても、「星を観測する仕事」の日々が覘けて楽しめた本であった。
やっぱり星と宇宙にはロマンがあっていいな。大きすぎて、人間がちっぽけに見えてしまえるところがいい。
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40年余り前の天文台の活動状況を綴った1冊。天体観察に携わる人の心意気、心構えは今でも通ずるものであり、色あせることはない。
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先日、中学・高校の同窓会があり、同期の友人に誘われて出席しました。
会場で、中学校の時のクラブ(天文研究会)で一緒だった一学年下のS君と、30余年ぶりに再会しました。驚いたのは、かれとは陸上部でも一緒でしたが、特に天文クラブでは、わたしから懇切丁寧な指導を受けたことを今でもよく覚えている、と話してくれたことです。しかし、わたし自身はかれのことは覚えていたのですが、クラブでの活動についてはほとんど記憶がなく、かれに「今でもその当時の『天文年鑑』をとってある」とまで言われ、ちょっと当惑してしまいました(もちろん、悪い気はしないですが、どんな指導をしていたのかと思うと…)。
そんな当時、わたしが夢中になって読んでいた本のなかの一冊が、この『天文台日記』です。著者は国立岡山天文台副所長を勤めていらっしゃったかたで、当時国内最大の反射望遠鏡を使った天体観測にまつわるエピソードを、季節の移り変わりにあわせて日記風にまとめたものです。わたしが手にしたのは「ちくま少年図書館」シリーズの一冊でしたが、現在は中公文庫に入っています。
当時と比べ、観測技術も天文学の内容も大きく変わったことは想像に難くないのですが、本のなかで著者や同僚たちが夜空に天体を追いながら、天候に左右されたり、観測にまつわる地上でのさまざまな雑事にも奔走する姿が実に人間らしく、いま読み返しても感動します。
同窓会の帰り道、友人たちと別れてわたしは、ひとり会場からほど近いところにある母校の前を久しぶりに歩きながら、「ひょっとしたら、この本を読んだ感動をクラブの同僚や後輩に語っていたのかもしれないな」と思いつつ、自宅にもどりました。途中ふと見上げた街中の明るい夜空には、木星と思しき明るい惑星が光輝いていました。。。
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初めて読んだのは、小学校の低学年の頃でした。その時は何だか難しくてよく分からなかったけど、数十年たって何故かもう一度読みたくなり、図書館をまわって探し出して再読しました。星を相手にする暮らしが羨ましくて。石田先生の淡々とした語り口も素敵です。文庫で再版されたのを見つけ、嬉しくなりました。昔の版から、図版が何点か削られたのが残念。
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新聞で渡辺潤一さんの紹介記事をよんで、表紙に惹かれて取り寄せた本。表紙のために買ったくらいの気持ちだったけれど。
天文台での生活や観測の知識が興味深くおもしろいということはもちろんですが、所々でひと息ついて、しみじみとこの生活に思いを馳せる、そのときの文学的情緒のこもった文章がなにより心に残る。すばらしいです。
星をみて、ひとと関わり、また自分を見つめる生活に、憧れずにはいられない。
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ずうっと持っている数すくない本。
開くと、静かでしんとした空気を感じます。
どこに書いてあったかいつも忘れますが、深夜、ゆびをゆっくりとおって数をかぞえ、鼻がかゆくなったらその指で鼻をかき、眠くならないように歌をうたう。というところが好きです。
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現在の天文台は、電子制御の塊となり、精密測定が容易く行われているが、人の手により何事もなされた時代の記録。様々な注意事項が書かれたイロハガルタが秀逸。
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とても気さくな印象を受ける日記。天文小話も所どころ登場するので、小物語集としても楽しめる。底本からは多少時間が経過しているだけに、今よりももっと星が見えたのだろう。羨ましい。