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hontoレビュー

用心棒日月抄 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー112件

みんなの評価4.4

評価内訳

112 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

国元からの刺客を迎え討ちながら、江戸で糊口を凌ぐために始めた用心棒。随所に見られるユーモアや個性的な登場人物によって得た明るさと、幾重にも凝らされたサスペンス的趣向が魅力の時代小説。

2010/07/27 18:48

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

【あらすじ】
青江又八郎は、国元で偶然に筆頭家老大富と藩主侍医村島の、藩主毒殺の密談を聞いてしまった。
又八郎は、許婚由亀の父で徒目付の平沼に、大富家老の陰謀を打ち明けたが、斬りかかられ、反射的に平沼を斬った。その夜、ただ一人の身寄りである祖母を残して脱藩し、江戸にやってきた。
又八郎は、糊口を凌ぐため口入れ屋でさまざまな用心棒の斡旋を受けながら、国元からの刺客を迎え討ち、やがて父の仇と現れるかもしれない由亀を待つのだった。

【書評】
用心棒日月抄シリーズ第一弾。
多くの評論家や著者自身が『明るい基調を見せ始めた作品』と言っているとおり、ユーモアと個性的な登場人物たちによって明るい雰囲気に包まれいて、哀しい結末を描かないことで爽やかな印象を残す作品となっている。

本書の明るさは、哀しい境遇にもかかわらず主人公又八郎の開き直った自嘲的な様子、変わり種の用心棒、情もあり律儀な口入れ屋吉蔵との交流、職の斡旋には抜け目がない吉蔵との割の良い仕事を巡る掛け合い、口入れ屋で知り合った豪快な子だくさん浪人細谷源太夫との交流、などによって創り出されている。
それも初めて訪れた口入れ屋で、細谷に割の良い仕事を攫われたあげく、犬の用心棒しか残っていないと無慈悲に言う吉蔵と、それを受けて犬の用心棒につくという奇抜な第一話から、何やら面白そうな空気が漂い始め、ページをめくる手が止まらなくなる。

ユーモア溢れる作品「獄医立花登手控え」シリーズは、その反面、シリアスで暗い部分もあり、明るさと暗さが対照的に描かれていたが、本作品では、その暗さの部分を自嘲的に描くことで、全体的な明るさを獲得しているように感じられた。

本書の魅力は、その明るさだけではなく、幾重にも凝らされたサスペンス的趣向にもある。
全十話に別れた用心棒又八郎の活躍を軸に、用心棒又八郎の周囲に見え隠れする赤穂浪士と吉良方の影、思い出した頃に襲ってくる国元からの刺客との剣闘、国元に残してきた祖母と許婚だった由亀の様子、などサスペンス的趣向が二重三重に凝らされ、物語と読者の読進欲を力強く牽引している。


変わり種の用心棒の他に人足もこなす主人公だが、定職のない生活は楽ではない。何日か雇われたあとは、また新しい仕事を探さなければいけない。
たびたび空になる米櫃、近所の住民達との飯の貸し借り、割の良い仕事の切望、用心棒先での飯の心配、そういった食に関わる挿話は、又八郎の生活臭を生々しく漂わせ、ヒーロー然としていない主人公をどうしても応援したくなる。
その反面、今度はどんな変わり種の用心棒が……と意地悪な気持ちも湧いてくる。
本書は、主人公にそんな気持ちを抱かせる良作なのである。

----------
第一弾:用心棒日月抄
第二弾:用心棒日月抄―孤剣
第三弾:用心棒日月抄―刺客
第四弾:用心棒日月抄―凶刃

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紙の本

藤沢周平の代表作

2007/09/14 00:03

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

時々、藤沢さんの作品を読みたくなるのですが、
藤沢さんの代表作といってもいい用心棒用日月抄シリーズにtryです。

 この青江又八郎を主人公にした、用心棒日月抄シリーズは
全部で4作出ていまして、
本作「用心棒日月抄」が第一作にあたります。
 NHKでもドラマ化されたので、
もう、みなさん、重々承知だとは、思いますが、
簡単にご紹介、、。

 藩の陰謀を偶々知った青江又八郎は、許婚の父親に
そのことを報告するのですが、
その父親が切りかかってきて許婚の父親を殺してしまいます。
 で、脱藩し、江戸で浪人をしています。
このことが、小説では、丹念に描かれているのかと思いきや
なんと、あっさり、毎回、又八郎の浪人の故を説明するくだりで、
さらっと書いてあるだけなんですね。
 これが、また、吃驚。
 第一話の、「犬を飼う女」で
又八郎が、同じ浪人の細谷にいい仕事をとられ用心棒稼業の口入れ屋の吉蔵に、
それでは、「青江さまには、犬の番しかありませんね」と、
言われるところから、読者へのツカミは、OKです。
(実際、犬の番に又八郎はいきます)

 で、本作は、長編小説というより、連作集といった感じで
各章一応独立していまして、適度に謎解き、斬りあい、
人情話をちりばめブレンドし、読者が時代小説に求めているものをしかっり与え
軽~く満足いく状態で終わります。
 で、本作は、その世界観のバックボーンとして忠臣蔵を取り込んでいます。
 なにやら、なぞめいた、集団や、陰謀があると、浅野方の浪人だったり、
吉良方の集団だったりします。
終盤の作品には、吉良の屋敷に警護の用心棒として
青江や、細谷が雇われたりします。
(そこで、清水一学が登場したり、、)

 以前、藤沢さんの初期短編集「又蔵の火」を読んだときに、
どれも美しいばかりに暗い、と書いたのですが、
本シリーズは、逆に藤沢さんが、こういうのも書けますよ、と
めいっぱいエンターテイメントのほうにわり振った作品ですね。
 しかし、とはいえ、藤沢さんの清貧で質素を重んじ、弱者の庶民の目で世界をみる
価値観や、簡潔で、どこか、清潔感さえ感じられるきっちりした文体は、健在で
読んでいて、読者をすがすがしい気持ちにさせます。

 あっさり、藩のほうで大勢が変化し、帰国になるところは、
ちょっと興醒めでしたが、
(散々、許婚の由亀が敵討ちにやってくると、煽っていたので)
まぁ、これも、どんどん続いていく、シリーズ物のエンタメ小説の 
王道ということで、次作に続きます。
(実は、2作目の「孤剣」のジョーカーといってもよい、大富静馬が、もう今作で終盤にちらっと登場するのですよ)   

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紙の本

用心棒日月抄

2022/08/27 10:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

主殺しの秘密を聞いてしまったため、義父を殺し藩を脱藩した主人公が、送られた刺客と戦いつつ、いずれはやってくるであろう婚約者に会うまで、用心棒稼業をしつつ日を過ごす。
一つ一つの話を貫く大きな話として、国許のお家騒動と赤穂浪士の討ち入りが進行していて、とても面白い構成になっている。

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紙の本

用心棒

2020/02/19 19:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

昔、ドラマ化されていたような。厳しい状況の中でもそこはかとなくユーモアもあり、端整な文章に背筋が伸びる思いがしました。

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紙の本

キラリと光るユーモア

2018/02/21 20:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:暇ではいけないはずの誰か - この投稿者のレビュー一覧を見る

藤沢周平氏の初期作品は、どれも昏い物語が多かった気がする。
しかし、解説でも述べられているように、この本では、その切ない部分も残しつつ、随所にユーモアが見受けられる。

それがいい。

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紙の本

現代に重なる浪人(フリーター)

2004/04/03 09:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶたころちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 用心棒シリーズの一冊目。我々団塊世代もそろそろリタイア準備。暇が増えていくので読書三昧である。江戸時代の浪人生活(フリーター)生きていければ良いではないか。そう開き直って自分に重ねる。
 長屋の人情、食べる為になりふりかまわず働く、過酷な現実。あるときは人を守る為に戦い、またあるときは自分を守る為に戦う。今だからこそ用心棒青江又八郎が心に染みる。本は読む時期によって表情が変わる。
 

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紙の本

江戸の下層社会で生きる庶民派剣士の活躍

2011/02/13 01:50

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yjisan - この投稿者のレビュー一覧を見る

東北の小藩の馬廻り役の青江又八郎は、藩内での陰謀に巻き込まれ、脱藩して江戸で浪人生活を始める。剣術の腕を活かして用心棒稼業で生計を立てるが、仕事をこなしていく中で、国元からの刺客と闘ったり、赤穂浪士や吉良家の策謀にそうとは知らずに関わったり、とスリリングな体験をすることに・・・・・・

藩内の権力闘争を縦糸に、そして赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件を横糸に、又八郎の用心棒としての日々を綴った連作短編。白熱の剣戟場面がある一方で、貧乏浪人としてのつましい暮らしぶりもユーモアを交えつつ丁寧に描かれており、オンとオフとのギャップが面白い。

主人公の又八郎が過度に理想化されていないのも良い。完全無欠のヒーローではなく、ぶつくさ言いつつも下町生活に馴染んでいくところに人間味を感じる。


きな臭い仕事を何食わぬ顔で紹介する口入屋の相模屋吉蔵や、浪人仲間で豪放磊落な細谷源太夫など脇役の人物設定も巧妙。

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紙の本

「時代劇?」なんて敬遠するのは勿体無い傑作。

2017/02/05 02:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サクラフブキ - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公・青江又八郎が実にいい。
東北の小藩で馬廻組に勤める身でしたが、梶派一刀流の道場で師範代を任せられるほどの腕前。
その青江が、藩の政争に巻き込まれることになった挙句、襲撃を返り討ちにして人を斬り、脱藩して江戸に逃れます。
江戸で暮らすために口入れ屋「相模屋」に仕事を貰い……つまりは派遣労働者だな。慣れない江戸での生活を送ります。

作品は短編を積み重ねた連作長編で、特筆すべきはその一編一編を貫くタテの糸として『忠臣蔵』があることですね。

人気の高かった作品で、著者の藤沢周平は続編を書くことにして「孤剣」、「刺客」、「凶刃」とシリーズ化します。
どれも面白いんですが、俺的に「凶刃」だけは微妙です。シリーズの終焉を強く感じてしまうのが辛いからなんですが、4作目の「凶刃」だけ前3作から年月が経っててね……ん~。(苦笑)

ともあれ、普段時代小説を読まない人にこそ、特に薦めたい小説です。楽しいぞ。

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2004/11/02 17:46

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2004/11/13 20:13

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2004/12/08 22:50

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2006/01/18 20:07

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2005/11/11 21:54

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2006/04/22 02:15

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2005/12/02 10:59

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