電子書籍
漢字は感字
2022/03/10 19:45
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
異形の物語である「皆勤の徒」はっきりしたストーリー構成はなく、漢字は感字 というわけではないが、奇怪な造語と粘つくようなイメージが全篇を覆っている。大変に読みにくい物語ではあるが、なにか心に引っかるものがある。
紙の本
国産SFにどっぷり浸かる。
2016/01/16 19:06
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には「アリスマ王の愛した魔物」が一番よかった。
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最近のSFアンソロジーは当たり続きだ。これも。メモとしてお気に入りの題名列挙。
冲方丁「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」自分の寿命は普通(80歳かそこら)のままなのに、我が子(とその世代)は300歳まで生きられるようになったら・・・? 妊娠中の妻とその夫の日常の呟き。子どもからしたら、人生の2/3、200年以上は親がいないんだな。これは忘れちゃうよな。そう思ったら親は悲しくなるわな。
小川一水「アリスマ王の愛した魔物」森羅万象を計算しつくす算廠と、それを手にした王子様(ただしブサメン)のお伽話。
上田早夕里「完全なる脳髄」フランケンシュタインハードボイルド
津原泰水「五色の舟」未来を予言するという半牛半人の"くだん"。これを迎えに行こうとする見世物一座。重なり合う並行世界。なんという贅沢な三本立て、幻想ホラーファンは必読。美しくせつない余韻を堪能
長谷敏司「allo, toi, toi」"お気に入り"とか"面白かった"などの言葉は全く当てはまらない。はっきり言えば不快感-または恐怖感-にのたうちまわるけれど、扱っているテーマから目が離せない。そんな作品。幼女への性的虐待・殺人を犯して刑務所入りした幼児性愛男へ、脳内の「好き嫌い」を整理するデータベース管理ソフトをインストール。感覚器から来た動物的好き嫌いと、文化と社会の上に築いた社会的な好き嫌いを整理することの意味とは。
伴名練「ゼロ年代の臨界点」ゼロ年代ってそっちかい!
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長谷敏司「allo, toi, toi」と津原泰水「五色の舟」の2作が再読ながらやはり傑作かと。上田早夕里、山本弘作品は安定感抜群。月村了衛は全然マークしてなかったので拾いもの。眉村卓作品もこの中ではより質の高さを感じる。
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「結晶銀河 年刊日本SF傑作選」大森望、日下三蔵/編
SFアンソロジー。色々。
2010年刊。第四集。
アツいですね、単純に冊子の厚さも厚いけど、非常に充実した読み応えたっぷりの2010年刊です。
本編に加え、大森さんと日下さんの解説、付録類の充実も特筆です。
全13編。
「メトセラとプラスチックと太陽の臓器」冲方丁…新たな臓器を獲得したことで、超長命社会が実現しようとしている世界の前夜譚。エッセイの形式が読みやすい、冲方丁の印象変わりました。
「完全なる脳髄」上田早夕里…サイボーグスペクタクル?もっと大きなストーリーから切り取った一章という感じ。正統派な娯楽小説、もっと読みたいなあ。
「光の栞」瀬名秀明…書物と身体性の関係を、生体製本と云う衝撃的な題材で描く。でも、とても詩的。穏やかな詩歌。…正直、読んでて美しいなとは感じるんだけど、結局何が言いたいのか分からなかったなあ。
「ゼロ年代の臨界点」伴名
練…架空の日本SF史。あ、設定がSFなのではなくて、架空の「女流SF作家」のエピソードをそれっぽく紹介すると云う、、本作自体はSFではないですが、たまにはこんなのもアリですね!
「allo, toi, toi」長谷敏司…小児性犯罪者の脳内思考をスキャニングする、サイバネティクSF。素晴らしく完成度高い。脱帽。ペドフィリアの薄氷の危険さを、巧い設定でタイムリーに問う。脱帽。
「皆勤の徒」酉島伝法…第2回創元SF短編賞受賞作。物凄い緻密さ、圧迫感です。結局、異星の話?異世界の話?
全体通しての感想は、正直、“非現実的な娯楽性”と、“難解な科学哲学”の共存が受け容れられていない風潮も感じつつ。
たぶんSFオタクは昔からジャンル間闘争というか、『こんなものはSFとは認めない!』という土壌があって、その中でこれだけ手広くカバーしたアンソロジーを編める選者のお二方に敬意。
僕自身としては、明確に科学技術・理系空想の描写がありながら、叙情的な、ストーリー性の高いSFが好きなので、本集の中では「五色の舟」が好みでしたね。
でも、安直に、物語としてすんなり浸透してこないから、という理由で、難解な作品群を批評してしまうのが悔しいんですよ。
だから、円城塔、瀬名秀明などの作品を、脳みそ使って感じたいし、難解だからってだけで有り難がるようにもなりたくないなあ、と。
楽しいは正義。けど幅広く受け容れていないと、判断の可能性も狭まってしまう。そんなことをいつにも増して感じされられた一冊でした。(4)
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2010年のSF短編傑作選。どの話も面白いけど、のめり込めるような傑作はなかったかな。お気に入りは3編。瀬名秀明「光の栞」、生きた本を創る話。SFとしての理論はしっかりしていても幻想的な空気が流れているのが素敵です。小川一水「アリスマ王の愛した魔物」、人を消費する万能演算機を造り出した数学の天才の王の一生の物語。おとぎ話風の語り口と最後の余韻が好き。上田早夕里「完全なる脳髄」、「華竜の宮」の同一世界観の話。この世界観の話が広げられるのか楽しみにしています。
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アンソロジーの醍醐味をたっぷり堪能。
「完全なる脳髄」「光の栞」「メデューサ複合体」「allo,toi,toi」・・・気に入った作品を挙げるときりがないってくらい内容が濃い。
軽く読みはじめたので、ガツンと殴られた。
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真っ先に津原泰水「五色の舟」を読みましたが、噂に違わず良かった。異能・異形の者たちと時代背景は、恩田陸「光の帝国」とも雰囲気が似ている。しかし文章はこちらが断然好み。本当にうまいです。
広島出身の著者なので、やはり背景にあの戦争が色濃くあるのだろうか。多彩な作風の方だが、特にSF作品に昭和の空気がまとわりついているように思う。ノスタルジックという意味ではなく。
「11」が楽しみすぎてまだ手を出せていない。
冲方・小川・円城作品は本誌初出時に一読していた。山本作品はわかりやすい皮肉っぷりだが存外突飛でもない。長谷作品は初読だったけど、あの長さを読ませるなあ…。「ロリータ」をSFでやったような…。そして犯罪者とそうでないものを分ける境界の頼りなさはここでも提起されている。現実世界の不安を不安のまま、目に見えるかたちで差し出すとき、著者も言っているように適度な距離感を保てる形式として、SFは独特の地位を占めていると思う。
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http://twitter.com/#!/emopit/status/99045169130774528
http://twitter.com/#!/torgtaitai/status/99134533957468162
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読み応えのある、濃ゆい作品ばかりだった!!
『光の栞』が一番、効いた。
本好きならドキドキするんじゃないのかしら。
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冲方丁目当てで購入。
冲方丁は短編駄目かもしんない。ホラー物も以前書いてたけど別段目立つ出来でもなかったし、今作も…うーん。
「ゼロ年代の臨界点」が面白。
嘘に情報を肉付けして説得力を出すのが上手い。思わず登場人物名ググったよ。
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2010年の日本SF傑作選。大半が既読作だったものの、それでも楽しめるのはさすがだね。何度目だよと思いつつも、津原泰水「五色の舟」にやられてしまう。未読作では、小川一水「アリスマ王の愛した魔物」、伴名練「ゼロ年代の臨界点」がお気に入り。
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高級チョコレートの詰め合わせを開けたような気分。一粒一粒、じっくり堪能。大好きな小川一水、上野早夕里はもちろん面白かった。印象的だったのは酉島伝法の「皆勤の徒」。独特の表現が異様な世界観を演出。気持ちの悪い映像が頭に浮かんできて、それが癖になる感じだった。
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SF短編集。短編ではあるが、結構、背景も読みごたえもある作品が多く、その終わりは中途半端な感じが残り、長編のプロローグのように思われるものが多い。もう少し続きがあってもよいのではと思うものが多々あるが、短編は短編として切りよく終わるのもありかとは思う。
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『皆勤の徒』を読んでいて、なぜか民明書房が頭に浮かんだ (。A。)
半分以上は読んでいた作品でしたが、SFSFしている谷甲州と、幻想と量子論が融合昇華された津原泰水が既読の中では双璧。
上田早夕里のハードボイルドな文体で描かれる世界、長谷敏司の意識と認識と脳と内心と表層に現れる行動・感情を真っ向から描く作品。
このふたりはやはり凄い。
もちろん傑作選だから、自分の好みの作品・作家を探す楽しみもある。
堪能しました。
冲方があんな話をかけるとは思わなかったのも拾いもの。