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平家物語は無常と普遍、栄光と没落を学ぶ最高のテキストだと著者さんは言う。
大震災前から、現在の世の中は、もはや乱世を超えて末世の様相を呈していると著者さんは言う。国土は疲弊し、庶民の生活は逼迫しつつあると。
さらに著者さんは、以下のような分析をなさる。
朝令暮改をくり返す為政者たち(政府)、批判するだけで何もしない貴族たち(野党)、
騒ぎ立てるだけで仕事をしない寺院勢力(学者・マスメディア)...etc.
確かに、どう考えても、現代という末世は、幕末維新ではなく、平家物語の時代に似ているよね。
著者さんは、歯医者さんらしいですけど、なかなか興味深い分析でした。
さらにさらに、戦うは男ばかりとは限らず、女たちもまた、それぞれの戦いを生きているという。OLも女学者もキャバ嬢も、千年前からいたのだと。
確かに平家物語関連の新書を読んでいると、そんなことがおぼろげながらわかりますねぇ。オイラみたいな歴史音痴にも、楽しく読める本でした。
おすすめ度は5点中、3点。
◎目 次
はじめに 「現在」はいつも乱世
第1章 平清盛は悪人か
第2章 貴族という「官僚システム」の腐敗、平家の変質
第3章 院----「代行」という無責任な権力者たち
第4章 山門・南都寺院という火種----わがままな「知識」と「大衆」
第5章 戦う男を駆り立てるもの
第6章 女たちの物語
終章 「歴史」「物語」の使い方
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吉川英治の新・平家物語でも挑戦しようと思ったら、16巻くらいあると知って即断念。即。
なので、ざっくり概要が掴めるのと、ちょっと変わった視点も取り入れたような本がないかしらと思い、即購入。
んー、まあフツーですね。新書でざっくり平家物語。タイトルどおり。
ただ読んでみると、今の大河はやっぱり細かい歴史エピソードも丁寧に拾ってることが分かる。
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歴史は苦手やけど、図書館の特集コーナーに置いてあったから読んでみた。
現代の社会に例えてある部分はすごくわかりやすかった。
ただ、原文を引用されてる部分は現代語訳が載ってない時の方が多くてなんとなくしかわからんかった。
合ってるかわからんけど、読んだイメージとしては、
平氏は清盛がオラオラ系、重盛は思慮深い知識人、宗盛は愛嬌のある馬鹿。
源氏は頼朝が這い上がるカリスマ、義経はイケメンな自己中、義仲は純真な熱血。
それから天皇家は後白河が馬鹿なふりしたさとり世代
という感じがした。
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大河ドラマ平清盛や鎌倉殿を楽しむために。平家物語の全体像が把握できて良い。ドラマの細かなエピソードも実際に平家物語に残っているものと知れて面白い。