紙の本
フルマラソンをちゃんと完走したい人に最適の一冊
2010/02/12 16:47
15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悠々楽園 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Qちゃんこと、あの高橋尚子。オリンピック2大会連続メダルの有森裕子。世界陸上金メダルの鈴木博美。千葉ちゃんこと千葉真子も教えを請うた。
誰もが知る日本一のマラソン指導者であるあの小出監督が書いた本である。
マラソンは苦しい。苦しいけど楽しい。
楽しさのミナモトはいろいろあるだろうが、「生涯に一度はフルマラソンを走ってみたい」という人は少なくないだろう。いくばくかの苦しさや困難を乗り越え、少し前の自分ならゴールするなど思いもよらなかった距離を走り切り、完走するという夢が達成できるかもしれないという期待は大きなモチベーションになるだろう。
逆に、レースに出てはみたものの、途中でリタイヤするようなことになると、その悔しさは決して小さくはない。レベルは人によるだろうが、自分なりに努力をしてきたのならなおさらだ。
何回走ってもタイムがいっこうに縮まらない、というのもけっこう落ち込む。
そういう人に、この本はまず大いに役立つにちがいない。
多くの市民ランナー向け指導書同様に、この本も初心者からベテランまでどのレベルのランナーにも役に立つように工夫されてはいる。
マラソン・レースといっても、10km、ハーフマラソン、フルマラソンなど距離はさまざまだ。挑戦したい距離に合わせて細かな練習方法と、レース前の調整方法が記されている。
さらに、他の本にはあまり書かれていない特徴がある。
レースに向けたトレーニングやコンディショニングさらにはレース当日の走り方といった、「マラソン大会を走る」ことにかなりの重点が置かれている点である。小出監督ならでは、という本だといえる。
わたしが特に面白いと思ったのは、シドニーでの高橋尚子、世界陸上での鈴木博美のレース前10日ほどのコンディショニング・メニューである。トップシークレットといってもよいようなコーチングの核心である(今回初めてオープンにしたそうだ)。
この二人のメニューがコースの特徴やレース展開によってどのように違ったか--まるで今これからまさに大きなレースに臨もうとするコーチと選手のやりとりが、目の前で展開されているかのようなワクワク感が味わえる。
「そうか、そんな作戦があのレースの前に練られていたのか」という、あたかも歴史の1ページの謎が解けていくような歓び!
小出さんの指導の基本は決してしち面倒くさくない。たとえば、ランニング・フォームについて聞かれた時の監督の答えは「結論から言うと、基本的にフォームは気にする必要はありません」ということになる。
あるいは練習方法のポイントさえきちんと押さえておけば、1日30分のランニングでも、ちゃんと完走できる、といったことが書かれている。「がんばり過ぎ」はいけないと書かれている。時間がないとあきらめていた多忙な会社員も、この本を読んでもう一度チャレンジする甲斐が十分あると思う。
今月末には東京マラソンが行われる。
昨今のマラソンブームは、ヒートアップとどまることを知らず、東京マラソンに至っては3万2千人の募集に何と27万2千人以上の応募があったそうだ(フルマラソンの部)。宝くじ並みの確率にもかかわらず出場権を手にした3万人余りの幸運なランナーたち。その中には「勢いで申し込んだら当たっちゃったので、とにかく走ってます」という方もいるかもしれない。そんな人は今からでもこの本を手に取れば、少なからず役に立つに違いない。
とはいえ魔法の本ではない。完走にせよサブフォーにせよ、目標が達成できるかどうかは、あなたのこれまでとこれからの努力次第であることに変わりはない。
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2009年11月17日読了
さすがの小出監督、説得力あります。
しかもたんに走ってるだけじゃだめなんですね。
しっかり追い込む日も作る…と
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先日、映画「風が強く吹いている」を観てから、
走りたい意欲が湧いてきたので、手に取った本。
ここ数年、継続して走っていないので、
まずは最初の走れる脚づくりから取り組みたいと思います。
読みやすい本でした。
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高橋尚子などの一流選手を育てた小出監督が一般ランナー向けにマラソン練習法を紹介した本。ポイント練習などの組み立て方など参考になった。ただし、この本に書かれている練習内容は初心者向けではない。サブフォーぐらいの走力を持った人がサブスリーを狙おうという人向けのような気がする。これまで、ほぼjogしか行っていなかったけど、この本を読んで、月に2回ぐらい足を作る練習を取り入れています。
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走り方・鍛え方についてかかれた本を始めて読んだ。最近、マンネリ化していたランニングに刺激を与えてくれた。トレーニング、コンディショニング、レースでの心構えなどが具体的に書かれていて、参考になった。
読んだだけで鍛えられた気になるので、ちゃんと実践するように要注意。
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あの小出監督の本。プロの選手ばかりでなく、素人に教えた経験にも基づいているので、説得力がある。これで、つくばマラソンにむけて頑張ろう。
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マラソンはブームというより、すっかり安定した運動の一つになりました。人気のある大会では、マラソン難民が続出するくらいにもなっていますが、やはりフルマラソンは魔物であります。毎日トコトコ練習しても30キロを過ぎたあたりから脚が棒になる、これは練習の仕方やコンディショニングが間違っているから。ハイ、それは私でした。まるで私のために書いてくださったように、バリエーションにとんだ練習方法や補強運動、食べ物のことなど、「え?こんなことまで教えていいの?」というくらい小出マジックを披露しています。これから走ろうとする人からサブ3を目ざす人まで幅広い人に参考になります。一生この本はバイブルにします。
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マラソン本。
今まで読んだマラソンハウツー本3冊の中で一番しっくりくるなー。
実績がある分、説得力も抜群だし。
とにかく自分で追い込む必要性感じた。
無理はいかんけどね。
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高橋尚子、有森裕子ら五輪メダリストを育てた名将として著名な小出さんが書かれたもの。
マラソンについて、いかに長く、早く走ることができるか、一般ランナー向けにやさしく書かれている。
ただ単に毎日同じように走っても効果は低く、それなりの負荷を意識して練習することが必要であるということがよくわかった。
気に入った箇所
・「毎日走っている」だけでは、マラソンのトレーニングにはならないということ。
・続けるために頑張りすぎないこと
・背筋がまっすぐに伸びていると、足を遠くに着けるので、自然と歩幅が大きくなり、前に進む推進力が生まれます。
・たまには上り坂があるところを走って、呼吸を追い込んでみてください。
・体重を管理することは、走りやすい体を管理することにつながりますから。
・フルマラソンでの練習のポイントは「距離を踏むこと」です。
・レース前に脚に負荷をかけていないと、後半で脚がもたないことがよくあるのです。
・(わき腹が痛くなったら)対処法としては、痛む部分を指で強く押すこと。親指、人さし指、中指の3本の固まりでグーっと押してやると痛みが軽減することがあります。
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Qちゃんを育てた小出監督のランニング指南書。素人目には『金哲彦のマラソン練習法がわかる本』と似ている印象だが、土日にたっぷり走りこんだ後、月曜日もかるく走ることをすすめている。プロのランナーの事例が多く登場するのも小出監督ならでは。
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全くの初心者よりは、ある程度速さを求める中級者用という気がした。
もちろん初心者でも役立つことはいっぱいあるが。
基本的に、ある程度の負荷をかけることで力をつけていくという論理がわかった。
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小出監督のインタビューから誰かが書き起こしたものだろうか、軽妙な口調を彷彿させる読み易さと、活字にしたときの物足りなさが同居。エリートランナー向け内容と初心者向けの内容が混在し整理されていない。指南書ではなく、小出監督のファンブックとして楽しかった。
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・練習には負荷をかける必要があること。
・大会10日前に30km位のタイムトライアルをすること。
・大会3日前のインターバルランで大会当日にあえて足を”重く”すること。
・レース中は前半は特に、余裕があっても30km以前は抑えて走ること。
など、大変参考になった。これらを忘れずに練習して、次の大会にチャレンジしたい。
3/20に予定していた初のフルマラソンが震災で中止になった。落ち着かない日々の中、何はともあれ走らねばと、ランニングを再開。それと同時に、次の大会を目指すモチベーションをアップするために、購入した。
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編集協力に先輩ライターの岩本勝暁さんの名前があるのに、出版からだいぶだっての読了ですいません。とはいえ、走り出してから読んで本当によかった。なんていうか、ランニングとジョギングの違いというか、そういうものを実感できました(僕のやっているのはジョギングでしたw)
他のスポーツと同様、トッププロの練習方法と愛好家の練習は強度の違いと、そのときの繊細さの違いだけなんだなとか、練習するというのはこういうことなんだなとか、そういうことを感じられます。
ただ、タイトルの「毎日走っても完走できない」は、なんとなく「毎日走らなくてもよい」、もっというと「週1回ぐらいでいいんだよ」という連想をさせますが、週に3日か4日は走らないといけないので、そこら辺はご注意をw 楽して走れるようにはなりません。何事もw(2011.5.19読了)
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[ 内容 ]
市民マラソン大会に出ると、30km過ぎから歩いてしまったり、あるいはスピードがガクンと落ちてしまう人がとても多い。
みなさん、「毎日5km走っていた」など練習熱心な人が少なくないのだが、ではなぜ走れなくなってしまうのか?その理由は、毎日走っているだけではマラソンの練習になっていないから―。
本書では、このマラソン用の練習を説いていく。
初めて走ろうと考えている人から、将来フルマラソンを走ってみたいと思っているジョガー、そして3時間台での完走を目標にしているランナーにまで、段階別に伝授。
金メダリストたちの練習内容も初公開する。
[ 目次 ]
第1章 走るための準備を整える―まずは「ゆっくり走る」ことから(走れる体をつくる;走れる脚をつくる ほか)
第2章 脚と心肺に負荷をかける ―「速く」走るために(負荷をかけたトレーニング;フォーム ほか)
第3章 レース出場に向けた練習メニューづくり―「長い距離」を走りぬくために(スピードトレーニング;練習スケジュールを組む)
第4章 メダリストたちのコンディショニング―フルマラソンを「もっと速く」走るために
第5章 マラソン大会を走る―レースの流れを知る(レースの走り方;アクシデントの予防&対応 ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]