紙の本
交錯する団地内人間関係
2008/04/23 12:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
安野モヨコは恋愛資本主義者のカリスマであり、「働きマン」など、数多くの名作コミックを手がけている。かつまた、旦那はエヴァの庵野監督であり、オタクカルチャーにも手を伸ばしている珍しい人である。おそらく、好奇心旺盛なひとなのでは、と思ってしまう。
これは、様々な恋愛物のなかでも特に優れていると思わせる。なぜか?それは、これだけ交錯し、密度の高い人間関係においてさえ、それが主題になっていないと思わせるからだ。例えば東海テレビの主婦向けのドラマのチープさが本書には微塵も感じられない。なぜ、東海テレビがチープかというと、ケータイ小説に繋がる「言葉のチープさ」に他ならない。
彼女の場合、複雑な人間関係を丁寧に描きつつ、そこにとどまらない。常に出てくる言葉がある「恋をしているやつは誰だ」みんな恋をしているように見えて、それは単に所有欲であったり、世間体であったり、恋に恋してる、といったように突き詰めると何がなんだかわからなくなる。愛してるやつはいないのだ。
ラストになるにつれ、いろいろわかってくる。そして、わからなくなる。愛とは独りよがりなものである。一人でそっと窓辺でつぶやくぐらいがちょうどいい。それは相手に届いていようと、届いていまいが関係ない。愛のバランスを崩すと大変なことになる。そう、バランスなのだ。
本書を読んで、やはり恋愛は難しいな、と感じた。そして、恋愛は面白いな、と感じた。そして、恋愛は怖いな、と感じた。みなさんは本書を読んでどのようにかんじたのでしょうか?
電子書籍
片思い
2021/02/28 01:00
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投稿者:なめこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハミオが気持ち悪~い!ナオちゃんハミオはやめて~(T_T)と思いつつ、定期的に読み返したくなってしまう作品です。
電子書籍
皆恋してる
2021/01/10 07:17
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投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生の男女。その兄弟とか恋人とか教師とか親とか、皆恋してる。それが錯綜していて、思いも乱れて。。。わかる気もするけど。。。読んでいて疲れるというか重い。
電子書籍
まあまあ
2022/05/12 11:13
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投稿者:ちょびリッチ君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先生の作品は絵が少し苦手です。
でも言葉とかはっきりしていてスカッとするところがあります。
恋愛は面白い。
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今日買ったばかりの本
すごく楽しめた。
読み返してみたらもっと奥深いものだと思う。
もう少しわかりやすかったらいいなと思う
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恋愛って端から見てると楽しい。
って思ってしまう、これを読んでると。
本人は頭グルグルいっぱい、いっぱいなんだろうけど。
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なんだっけ、誌名忘れてしまったけど、ファッション雑誌に連載されてた記憶がある、これ。昔安野さんの漫画って、絵が濃ゆいし、すぐにセックスしてるし、あんまり好きじゃなかったんだけど、この作品は好きだった。A5コミックスのサイズでリイシューされてたのでこの度購入し、読み返してるけどやっぱおもしろいし、かわいい、好きです。
そうそう、庵野さんと結婚されたと聞いた時、私はこの漫画の主人公の父親の絵を即座に思い出しました。そっくりです。
”恋してるやつは誰だ!”
それはこの漫画を当時読んでたティーンの子達であり、多分誰よりも安野さん本人なんだろうなー。
てっちゃんがかわいくて、よく動いて(というかみんな走ってるけど)、この漫画でいい働きをしてます。
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友人のおすすめ、モヨコさん
全3巻と短めだったので一気に読みましたが、これは月刊誌の連載なんかでじっくり読んだ方が面白そうな漫画。
少女漫画といわれるものにおいて、恋愛話のもつれは定番だが、主人公とライバル女の全面対決なんか、いかにもありそうだが、この漫画にはそう言うシーンはなく、会話をする事もなかった。ある意味目新しいの?最近はこういうモンなの?
主人公が結構さっぱりした、素朴系女子だったので、ライバル女の色濃さが、もう鼻についてたまらなかった。
この短い話数で、これだけ人間関係をもつれさせるのは凄いと思う。SF的な要素は他に全くないのに、超能力者が、取ってつけたように登場する。要は電波系の、きもい男子だけど。
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ほんとは『宝島社文庫』の上下巻を持ってるんだけど
画像が無かったのでこちらにしてみました☆
不思議な世界観です。ちょっとミラクルな感じ(?!)が漂ってます。
もちろん基本的に現実的なシーンですが。
でもこういう世界を描ける安野さんは本当に凄いとおもう。
これもやっぱり★5つです。
安野モヨコさんの作品で嫌いなものはないかも。
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恋してるやつは誰だ?
一話、一話がいちいち乙女心をぐっとわしづかみにされるような内容で、とても胸が痛くなります。
誰でも一度は好きな人を振り向かせる難しさと苦しさを経験したことがあるのではないでしょうか。
心境や心情、細かな情景が視線だけでも伝わってきます。
とても好きな作品になりました。
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漫画にはまり始める5月。我が家にもコミックが増え始める。2年前の「火の鳥」以来でして。漫画喫茶を自宅に現出させること決意。
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全3巻/
これぞラヴの真理。ラブに付いてのマイバイブル。
初めと最後の野沢兄弟の台詞がラブの輪廻の全てを物語っている気がする。
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人間の心(恋愛)って、不安定なんですよねー。
一人とそれをとりまく周りの人たちの心のベクトルの変化がすごい。
「好き」のベクトルが、同じ方向(両想い)に向いていても、ふとした瞬間や時間の変化でそっぽを向いてしまったり、一時の思い違いやすれ違いでベクトルが相反してしまったり、まやかしをみているようにそちらの方向に引き寄せられたり・・・。
そんな、方位磁石のような、恋愛の心の不安定さや難しさを感じるマンガでした。奥深い・・・。
恋愛って難しいね、もどかしいね。
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安野せんせいの漫画の中で一番すきです。
映画みたいなカットに、セリフ。
センスを感じます。
「恋をしているのは誰だ?」
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「恋をしている奴は誰だ!?」
上記のメッセージをテーマに錯綜する恋愛模様をモヨコ節で描いた傑作。
主人公の野沢ナオは先輩のアラタに恋をする。
そんなアラタは学年一のマドンナ、秋山ユリナに恋をしている。
誰かが誰かを、その誰かがそのまた誰かを好いている、恋しているという恋愛の縮図を見事に「整備された団地」(ニュータウン)に透過させて描いている。
目を引くのは作品の随所に込められた緻密な背景の描写。
綺麗に整備され建ち並んだ団地を遠景から描き、この一つ一つの部屋にそれぞれの人生、恋が詰まっているという作者ならではの感性で「追い、追われる恋の連鎖」を表現。
蝋燭の周りをぐるぐる回る様に、恋してその後を追う者は誰?
「あなたよ」「いいや君だ」
その登場人物の恋愛沙汰を神視点で俯瞰するキャラクターとして超能力者で醜男の「ハミオ」がナレーションする。
彼も次第に恋の渦に巻き込まれ、美しく生まれ変わり自身もその渦に飛び込んでいくが・・・。
彼の台詞に「恋は一種の神経症、錯覚でしかない」
という一文がある。
主人公のナオは大嫌いだった筈だが美しくなったハミオに惹かれてしまう自分の気持ちに困惑し「恋と欲望ってどう違うの!?」と疑問を投げうつ。
両者共正しいし、果たしてそこに最適解など存在するだろうか。
恋のメビウスの輪を第三者として端から見ている時、その様子は愉快でばかばかしいものだ。
だが、ことその輪に巻き込まれてしまうとひとたび笑い事では無くなってしまう。ありとあらゆる妄想を膨らまし、期待と不安のジェットコースターで寝食もままならず撹乱されて正常な判断がつかなくなる。
恋愛のもつエゴイスティックな面を正面から捉え、ただの中学生の恋愛はいつしか「人を愛するとはどういう事か」という壮大な疑問へとシフトしてゆく。
作中、恋をしていないのはてっちゃんやおじいちゃんくらいだが、この2人が狂言回しとして見事に作品全体の味をキリリと締めている。
2人の放つメッセージには恋愛の渦中に居ないからこそ見える冷静な判断と、その様をある種シニカルに捉えた小粋な台詞で、その台詞の力は闇を撃つレーザービームの様に読者の心に突き刺さる。
個人的ベストシーンは第三巻の野沢母とおじいの一コマ
「今夜はアレがいい」
「・・・かます、・・・ですか」
恋をしている奴は誰だ!?