紙の本
大いに期待外れ
2009/08/10 21:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:jeccehomo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ数年、好景気に沸いたドバイが、世界的不況の影響をどのような形で受け、その影響がどのように深刻なのかに興味を持ち、大きな期待を持って読み始めた。しかし、読み始めて数頁で、期待外れと分かった。それでも、読み進め、最後まで読みきったが、やぱり期待外れ。
「ドバイを始めとする湾岸諸国は若年層の人口に占める割合が高く、今後、安定的な経済成長を実現するには産業の多角化、雇用の創出、安価な住宅の提供と政治の民主化が必要。そのために石油と天然ガスがもたらす豊富な資金を活用して、各種のプロジェクトを進め…」というのがオーソドックスな主張と思うが、この本は、単にプロジェクトを羅列しただけという印象。
「世界的な金余り現象から多くの投資(又は投機)資金がドバイへ流入し、数多くの建設プロジェクトが計画された。昨年秋からの景気後退に伴い、世界的規模で信用が収縮し、ドバイで計画された多くのプロジェクトも延期又は中止された。」これだけを説明するために190頁は不要。何故、筆者は各プロジェクトの概要(名称、施工業者、建設費、大きさ、元々の完成目標時期等)と完成が遅れる事実を延々と書き連ねたのか理解できない。
ドバイだけでは不十分と思ったのか、アブダビ、カタール、サウジアラビアのプロジェクトについても延々と語っているが、だからどうしたという印象。
以前、筆者はもっと面白い本を書いていたと思う。本作については、非常にがっかりした。
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バブル崩壊後のドバイやアラブ諸国の現状と未来への期待を滲ませた本。アラブ圏へのとっかかりとして読みには良いが、同じ内容の繰り返しも多いのが残念。
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[ 内容 ]
世界中の建設用クレーンの半分が集中しているといわれたドバイでは、不動産バブルがはじけ、経済は沈滞、労働者の解雇も進められた。
数々の巨大プロジェクトは休止・延期。
世界同時不況もあり、ほかの湾岸諸国の経済も悪化している。
しかし、将来を期待させる材料も多々ある。
サウジアラビアの人口増加による住宅不足は、不動産・建設業界にとって魅力的だ。
カタールは天然ガスの大輸出国であり、アブダビはドハイを反面教師として安定した経済成長を目指している。
現状から、湾岸経済の今後をうらなう。
[ 目次 ]
第1章 ドバイ不動産バブルの崩壊
第2章 ドバイ経済の光と影
第3章 湾岸の経済はどうなるか
第4章 開発が続くサウジアラビア
第5章 カタールとアブダビの発展
最終章 湾岸経済復調の可能性
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[ 関連図書 ]
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ドバイでは政治的権威主義体制のせいか、人々はなかなか本音を語らない。
ドバイのブームが去ってからはアブダビが湾岸のプロジェクトの中心になっている。
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ドバイ行ってみたいと思っていたので読んだ。知っている状態でドバイに行くと印象も変わると思う。
今はアブダビの方がアツイらしいけど。
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2009年刊行。著者は静岡県立大学国際関係学部准教授。2008年9月に発生したリーマンショックのため、急成長していた中東経済にブレーキがかかった。その実態、地域差、その後の模様と未来像を検証。急ブレーキが顕著なドバイ(UAE)、堅実なアブダビ(UAE)、ガス田発見に沸くカタール、石油依存脱却、石油化学工業など多様化を模索するサウジ。多様な状況を解説。このように本書は現代中東経済情勢がテーマで、イスラム政治史専門の著者のフィールドからは少し外れるものの、新書で検証されることが少ないので、貴重な書かも。
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小説じゃないからストーリーが必要ないってわけじゃないんじゃよ…。著者に明確な意思がないので、情報が断片的で全体としてのつながり、統合性がない。毎章毎節同じ内容の繰り返しで、文章量に対する情報量が少ない。ソースも基本的に大本営発表の内容そのままで、何を噛み砕くわけでもなく、反論を挟むなんてあるはずもない。"地理"でも"歴史"でも"経済"でも"政治"でもなく、"社会"に分類すべき一冊。