紙の本
通勤電車のコケコッコウ
2011/12/11 23:12
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン エトセトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宝くじが当たったとしても、今の仕事を続ける?
答が”YES”ならば本書は必要ない。
もし万が一、答が”NO”ならば必読の書となる。
「本人が組織の歯車としての働き方を受け入れるかどうか」が、「どの部署にも合わない変形した歯車」になってしまうかどうかの分かれ目だと著者はいう。
また「就活を勝ち抜いたような人は基本的には常識人です」ゆえに凡人であることをまず真摯に受け止め、「個性を捨て、自分らしさにこだわらず、自分の脳を過信せず、歯車になることを厭わない存在」が正しいサラリーマンの姿だという。
基準どおりに仕事をすることを言っているのだが、どこか規格どおりのタマゴを生み続けるニワトリを思い起こさせる。
聴きたくもない真実の姿を、ズバッとついてくるところはさすがだ。
さらに「(世に出回っている天才型の著者が書いた)教訓をどこまで凡人が鵜呑みにすべきか」あるいは「天才型のアドバイスは凡人には毒にもなりえます」と痛烈だ。
一方で企業側の姿勢にもメスを入れている。その痛快さは本書にて。
そういえば、就活解禁が去年より2ヶ月遅いのは大変だと本人もマスコミも騒いでいる。
大学3年生から活動しなければならないほうが、よっぽどかわいそうだと思うのは私だけか。
期間が短くなったことに企業側もあせっているという。
そんなに心配しなくても本当に優秀な人材は、あなたの会社には来ないのだから、あわてる必要も無いのでは、と本書読後にふと感じた。
とどめには、「世の中の大多数を占める普通の人にとって(社畜は)もっともリスクが低く、かつ満足できる可能性の高い選択肢に過ぎない」と断言。
今日も社蓄たち、あるいは(著者の言うところの社蓄にもなれない)変形した歯車たちが通勤電車にすしづめだ。
せめて宝くじの中吊り広告を見ながら、コケコッコウと心の中で鳴けるだけましということか。
紙の本
年を重ねて わかる 本かな
2015/12/19 21:01
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投稿者:森のくまさんか? - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルは過激ですが
年を重ねて 会社の中で生きていると
本書の内容がとても納得できるように感じます。
でも若いうちは 社畜ということに過剰に反応するかも?
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タイトルは凄いが、中身は至極まっとうな本。
仕事での成長を守破離のステップで捉え、守の段階での下積みを「ブラック」と切り捨て、早期に離職してしまっては次のステップに進めない、すなわち成長できないという主張には100%賛成。
ただ、「この本よかったよ」って部下に薦めたら、確実にパワハラとか誤解受けちゃうよなぁw
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もっと早く気づけば良かったと、今さらながら思いました。サラリーマンであれば知っておくべき大切なことが、とてもわかりやすく書かれています。
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かなり過激なタイトルとなっているが、筆者は本当に社畜(=会社の家畜)となって奴隷のように働くのが良いと説いているわけではない。
入社したての頃は、「自分らしさ」を求め我が道を行くのではなく、指示されたことをその通りにただひたすらにこなすのが良い、そしてこのようにして知識を付け基礎固めをしない限り、応用力も付かず成功することはできないと説いている。
ただやみくもに仕事をこなすことが基礎固めになるかと言われると疑問だが、仕事をする際の自分の態度を考え直させてくれる良い本だと思う。
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仕事に「自分らしさ」や「やりがい」とかを求める前に、会社の歯車として最低限は役に立て。いろいろな自己啓発本の内容が、「やりがいを大切にしろ」というのは、売るためであって、企業側にとってはそんなこと言い出されても困る。という内容の本。
以下は、私の勝手な妄想だが、例え社畜であっても、ビジョンに共感して自ら進んで社畜化すれば、それはもはや社畜ではない。それは、「ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則」に出てくる「カルト的熱狂」になるのではないだろうか。
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最近、自己啓発本ばかり読んでいて、やれ独立だ!やれMBAだ!なんて考えてたけど、会社から得るものはたくさんあるなって感じる。
あらゆる仕事はすべてマネージャーになるための基礎練習。
「ワークライフバランス」うんぬん言っていたら満足する仕事はできないんじゃないか?残業悪なんていってたら、成長できないんじゃないか?むしろ残業しない会社は競争力落ちるやろ??
もっと自分の会社を大きくしたいと思い直した本。
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これから社会人になる人はもちろん、就職して三年未満の方々に是非読んでいただきたい。きっと明日から仕事に対する意識は変わるだろうし、これが理解できないのであれば…。これから40年以上働いて行く中の、がむしゃらな努力を費やすこの数年がどれだけ重要か。とにかく前向きに。とにかく全力に。
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『「自分らしさ」を必要以上に求め、自己啓発書をうのみにすることから生まれるのは、ずっと半人前という悲劇だ。そこから抜け出す最適の手段は、あえて意識的に組織の歯車になることである。「ワークライフバランス」「残業は悪」「転職によるキャリアアップ」等の美辞麗句に踊らされない、現代サラリーマンの正しい戦略を指南する』
その象徴として、「社畜になりなさい」という提案
論旨は、世阿弥の「守破離」をベースに展開される。基礎ができていない人間が「自分らしさ」を求めて悩んだり、彷徨ったりしても、成功には結びつかない。まずは、上司先輩の言うことを素直に受け止めて目の前の仕事を全力で片付けて、信用を積み重ねなさい。その過程を経て、実力がつき、「自分らしさ」が発揮できるようになる。「断る力」の勝間さんにしても、つらく厳しい修行の期間があったからこそ、成功を手にできた訳であって、「修行の期間は無駄であった」という言葉だけ都合よく取り入れて、手を抜く奴に将来はない etc.
と至極まっとうな内容が展開されます。
あと、「知識検索力」はうまい表現であると思いました。「知識カードを増やし」「知識検索力」を鍛えることで仕事力が向上する。知識検索力を高める秘策はなく、知識を引き出す機会、すなわち、場数を踏むことがその解決策。はい、これもその通りと思います。
残念なのは、別に「社畜」っていうコトバを持ち出す必要ないのにということ。結局、あまりにもまっとうな内容なので、こういう挑戦的なタイトルにしないと商業出版として成立しないんだろうなぁ、と。
このタイトルにしたことで、本来、一番読んでほしい新社会人(1年生に限らず)は、ほぼ間違いなく手に取らないですよね(笑)。
本書一番の収穫は、この引用
『あらゆる経験の快苦の記憶は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まる』
米国の行動経済学者ダニエル・カーネマン提唱の「ピーク・エンドの法則」
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著作名が誤解を与えかねないが、言っていることは至極まとも。特に世阿弥先生の「守破離」は心にとどめておきたい。ただ、一つ注意したいのは、著者も、どんな会社で働いたていても内容が当てはまるわけではないということだ。
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2011/12/11読了。
巷に溢れる成功者の啓発本を10冊読むなら、この1冊を読んだ方が学べることは多いだろう。
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【リード】
意識的に組織の歯車になる。
【内容】
○ 守破離の守の段階を大切にする
- いきなり自分らしさを求めない
- 二台目社長が失敗しやすいのは、守の段階に相当する積み重ねがないから
○ 人は自分と同レベルの目線の持ち主や、同じ段階に立ったものから発せられたメッセージしか理解できない
○ 一つの企業で10年以上まじめに我慢して働いたということは転職市場ではプラスに評価される
【コメント】
タイトルはセンセーショナルだけど、言っていることは『基本を大切に、謙虚に仕事しよう』ということ。
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キテルわー。凡人勘違いくんの私にとっては今年一番の名著。
【チェック入れた箇所抜粋】
P71 大切なことは、”与えられた”仕事の歯車になるための努力が、成長の源だと理解することです。
P107 しかし、残念なことに成功者のヒントを完全に自らの肥やしにできる人は、同じように成功するポテンシャルを持っている人だけなのです。
P116 社会人になる前に所属する組織としうのは、たいてい規模が小さく、年齢も似通っていますから、前向きで画期的なアイデアといったものを受容しやすい。だから、野球部をまとめた経験が、会社でも役に立つと思う人が現れるのです。
P130 この種の交流会では、様々な業種から様々な年代の人が参加します。その中には自分と同じ「守」の人もいれば、「破」に進んだ人もいます。問題は、他業種、他社の「破」の人の言葉に必要以上に振り回されてしまうことです。
P136 ただ、評価をする立場を続けてきて経験上言えることは、キャリア初期においては、下手に才気走っている人よりは、愚直な人のほうが思った以上に評価される傾向にあります。
P152 それは、パソコンの入力スピードです。入力スピードが一定水準以下であれば、それは頑張って残業しているのではなく、単に仕事が遅いだけの可能性があるのです。
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負け組にならないための指南書。
自分らしさを追求し、会社とのギャップが生じ、それが原因となって転職をしてしまう。それを繰り返してしまうから負け組になる、と著者は述べている。
勤め始めた段階で、プロセスを無視した個性を求めるのは害。わがままと見なされ、孤立し、結果、被害者意識が強まる。
こうならないためにはどうすればいいのか。自分らしさを捨て、真似るのである。
著者は本書で守破離というものを提示してくれている。成長するにはこれに従うべきで、成功者は必ずと言っていいほどこの道を辿っている。
何事も下積みが大事で、満遍なく真似て初めて上へと通じる道を進める。本書を読んで、思考停止することなく、謙虚に毎日から学んでいきたいと思えるようになった。
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読者諸氏の中には、タイトルに食いついて、「一応読んでおこう」と思われた方も多いのではないか。少なくとも私はそうだ。この「社畜」という言葉は、鋭い言葉で手裏剣のようなキャッチだと思った。
本書は、実直なサラリーマンの心構えを説いたもので、至極真っ当な内容である。後ろ向きな情報の集積でないのに、ネガティブにも取れる表題付けは、編者・著者の販売作戦勝ちか。
本書の内容を私なりに抽象化して一口でいえば、「凡人は社会性を持った組織人たれ」と感じだ。言いかえれば、「天才でない一般人が、リスク管理を念頭に置いた場合、会社の高性能歯車として機能するように意識する」とも表現できるかもしれない。
特筆すべきは、56頁で「自衛官の心構え」を抜粋して紹介していることだ。これによって、内容が非常に絞まったものとなっている。以下に抜書してみる。
4 規律の厳守
(1) 規律を部隊の生命とし、法令の遵守と命令に対する
服従は、誠実厳正に行なう。
(2) 命令を適切にするとともに、自覚に基づく積極的な服従
の習性を育成する。
これが民間で機能すれば、かなりハイレベルな組織だといえよう。
「歯車」という言葉も嫌悪感を抱く方もいるかもしれない。でも、ようは法人・団体に所属しているのならば、その手足となって行動することは自明である。法人の体の機能の健全さを促進するために、個々人が育たないといけないという考え方はごく自然。本書では、知識カードを増やし、引き出す機会を得るよう、説いている。
「実務スピードが低い人の残業は要注意。」というくだりがあるが、意外にこの手の人は多いらしい。不当に残業代が支給されない仕組みは浸透するのか。