紙の本
収束し始める物語
2015/09/16 15:47
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
現世界アレンシアに再臨した黒夢の魔王の正体は、銀獣人スフィアとコルセア王国の烈翔紅帝オリヴィア陛下ことレベッカの一人息子カナクだった。彼は千年前に飛ばされて暁の賢者マールとなった愛するユーリエに再びまみえる為、夢幻界イストリアルを通じてなら過去に行けるというリーゼの甘言に従ってしまった結果だ。
カナクの弟子であり、精霊界フェイエリア起源のダークエルフでもある、マール神殿聖神官のネウは、銀獣人の最後の生き残りであるライカを影砲士にしてカナクを討つというオリヴィアの策を退けるため、カナクを助ける方法を求めて旅に出た。彼女と共に行動するのは、セレンディア王国の王弟であるレニウスと、盗賊ギルド「リュシオルファクル」幹部のアルマ、吟遊詩人ヤヒロだ。
レニウスはユーリエの義兄にしてカナクの友人として、アルマは仕事でありネウへの私情もあって、ヤヒロは養父にして、「金翼竜エキドナム」「白爪竜レディ・ヴェルファリア」「緑牙竜エレネディオ」「蒼尾竜ラザーフェニア」の一体を倒した五英雄のひとりでもあるルイ・ソーンを助けるため、ネウと行動を共にしている。
そんな彼らが向かったのは、中立国ミスティカ公国だ。そこで、黒夢に対抗する白夢の秘密を探るため、秘蔵の書籍を調査に行ったのだ。しかし図書館の館長がとんだ俗物で、対価にネウの貞操を要求してくるのだった。
登場人物は前巻までで出そろったので、本格的戦いに至るまでの準備が今巻の役割となっている。世界会議を開催して各国の協力を求めるオリヴィア。カナクを助けるためにドジっ娘をおして奮闘するネウ。そんな女性たちの周囲にいる男たちは、彼女たちに様々な思いを抱く。だが彼女たちの気持ちの向かう先は揺るぎなく、その気持ちはある意味で救いのないものだ。
そんな救いのない物語は、ついに最終激突の時を迎える。果たしてこれが後味が悪い物語となるのか、別の解決に至るのか、それは次巻にかかっているだろう。
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複雑に絡み合った伏線と各キャラクターの想い、過去と未来が結束していく一冊。よくもまあと思わされるほどに、多視点を自然に読まされる。
次で最終巻だろうか。
これはアニメ化して映像で観てみたい。
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ネウパーティー、カナクとリーゼ、そしてオリヴィアをはじめとしたアレンシア各国。
それぞれがそれぞれの立場から、目的に向かって、表に裏に行動を行う。
決戦に向けた準備となる1巻。
うーん。どうもこれじゃない感が。
「カナクのキセキ」という作品で見たらこの巻が必要なのはわかるけどね。
この巻単体でみたらいまいち。
どうしてもこの手のパーティーでの冒険、軍隊軍や国対妖魔といった展開はロードスやら火の国を思い出されて分が悪い。
カナクのキセキに求めているのはこれじゃないんだよなー。
もっと1巻や2巻のようにキャラクター同士の心情の動き合いとかそういうのを深めて欲しかった。
とはいえ、あくまでこの巻は準備の巻。
次巻に期待するとします。
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新しい愛が生まれて、愛故に堕ちてしまった人がいて。カナクに立ち向かうもの、救おうとするものが希望とするなら、カナクのパートは希望を追い求めるが故に闇に落ちてしまったもののパート、といった感じでしょうか?その対比が面白いですね。カナクはその望みゆえに、魔王と呼ばれる存在に落ちてしまいましたが、その心までは完全に落ちきっていないのが印象的でした。偽悪を演じているところもあるというか。表と裏がついに交わって始まる大戦。キーになりそうなのは、白夢を追い求めるネウでしょう。どんな結果が待っているのか。楽しみです。
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別に悪くはないはずなのですが、
個人的にはだいぶ飽きてしまったようです。
何回も読む手が止まりましたね。
切るほどではないですが、
早くすっきり終わってほしいです。
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カナクを救う方法を求めてミスティカ中央図書館へ向かうネウ。カナクを倒すためライカを影砲士へと鍛えるオリヴィア。物語はいよいよ佳境へ。
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前々から感じていましたが、出てくるキャラクタの考えや行動にまったく同調できません。一巻を読み終えたときにはカナクとユーリエがどんな人生を歩んだのかとても気になりましたが、正直、今は惰性で読んでいます。
ラスト一巻でこの思いを覆してくれることを願うばかりです。
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魔王となったカナクは、ユーリエと再会する日を待ちながら、リーゼの指示にしたがって黒夢を集めつづけます。そんな彼のもとに、リーゼがルイ・ソーンを連れてきます。彼は、蒼尾竜ラザーフェニアからヤヒロを救うため、みずからのうちにラザーフェニアを宿すことを決めたのでした。
一方オリヴィアは、魔王となったカナクを滅ぼすため、銀獣人の少年ライカを影砲士にするための特訓を開始します。
そして、ネウ、レニウス、アルマ、ヤヒロの4人は、カナクを黒夢から解放する方法を探し求めて、ミスティカの図書館へと向かいます。そこでイストリアルについての情報を得たネウたちは、ジェノアにある白夢の泉をめざします。
第1巻や第2巻のような劇的なストーリーや構成の工夫は見られないのですが、ライト・ファンタジーとしての水準は十分にクリアしていると思います。日常系、それもハーレムものの作品が主流となった現在のライトノベルの中にあって、往年の「富士見ファンタジア文庫」を思い起こさせるような、直球のファンタジー小説に仕上がっています。