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いつも通い慣れた道にかかっていた小さな橋が突然取りさられた! そのとき阿部小三郎の中で何かが変わった! 山本周五郎の最期の長編作。
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読み始めは、とにかく「うわー、長そう。読みずらいし、人物掴めねぇーよ」と毎回、山本周五郎の長編に手を出すたびに思うんだが、これも同様。序盤、流れに乗るまでは正直きつかった。
でもね、一度、主水正に感情移入(しにくいけど)した時点から、展開にスイスイ付いていけた。どっちかとゆーと、冗長な流れなんだが、話の中心に、一本の骨太な筋が通ってるあたりが凄い。
たんなる立身出世物語じゃなくて、一国を動かすマツリゴトとは斯く在るべし、といった忍耐と信念を感じさせる。
読後は一時的に信念の人と自己変革をもたらす。三日で元に戻ったがな。
心に残る作品だけど、まとまった時間がないと読みにくいので、どちらかとゆーと、周五郎のほかの人情系短編のほうが好みかも。
でも最後の登城のシーンはね、コイツはくるぜ?ジーンとね。
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主人公の名前がいまいちはっきりわからない…
だけど、主人公の頭脳のよさにとりこになって、ふるーい本を大事に大事に読みました。
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三浦主水正が、家格の低い家に生まれながら国家老になるまでを描いた出世物語。時より押し寄せてくる不安が,時折感じる感覚が自分と似ていてドキッとした。数々の困難を潜り抜けるのだが,その度ごとにかんがえさせられる。さすが。
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最高。主人公には正直ついていけない部分が多すぎるのだけれど、それはそれで、男としてそういうこともあるよね。山本周五郎、イイとは聞いていましたが、これほどイイとは!瀬尾まいこは女の本でしたが、この本は男なら読まねばならないでしょう。
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時は江戸時代、7万8千石の小藩の下級武士の子阿部小三郎8歳が、
屈辱をバネに一生懸命勉強して、城代家老にいたるまでを描いた作品。
予想以上に面白かった。あっという間に読んだ。
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サラリーマンが読むと、激しく共感できると思う。
宮仕えの厳しさなど、さらりと書かれているけど
本当に深い作品。
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『長い坂』は、とかくサクセスストーリーのように言われたり、企業で働くビジネスマンの指南書のような、いわゆるビジネス本のテーマになったりしているので本のタイトルだけは知っているという方も多いと思います。しかし山本周五郎が描き出している三浦主水正の姿はあまり伝えられることがないのではないかという気持ちもあって...
【開催案内などはこちら↓】
http://www.prosecute.jp/keikan/001.htm
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もんどのしょうの努力の連続とその知性と能力を見出した国主の藩の改革物語。史実ではないが、多くの脇役がそれぞれ良い味が出ていて飽きない。利己を捨て自己犠牲を厭わない勇気と純粋な使命感が無ければ大きな改革を成し遂げる事はできないだろう。ものどのしょうの苦悩がまた非常に良く描かれている。思春期と若手が読むべき人生の1冊。
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主人公が子供の頃に、彼にとって山や川と同じように不動の存在であった橋が土地の所有者である城代家老の都合で取り払われてしまった。そして、その際、川を迂回するよう告げた小使いへぺこぺこしていた父親を見て小三郎は二度とこんなことのないよう決心し、学業に剣術に明け暮れ平侍の子にはない出世を果たしていく。
彼は同じ藩に暮らす人たちには心底親切でいい街づくりに明け暮れていく。自分の進む道を信じて突き進む。納得のいかないことも人から言われると客観的に考えてみる。しかし、実家の家族からの頼みごとはじっくり考えることなく甘い戯言と切り捨ててるように見える。
彼にとっては父親は進歩することを諦めた惨めな存在で、それに対する反発が怒涛の勢いで出世を果たす原動力となっている。
僕は父親のように釣りなど小さなよろこびを大切にする暮らし方もいいと思うが、出世していく息子を当てにする態度はみっともないと思う。
小三郎の生き方も自分の信じる道を突き進むことで、彼の価値観とは相容れない父親の価値観をないがしろにする側面が気に入らない。
どの観点から評価しても完璧な生きかたなんて存在しないのはわかっているし、自分のものさしを信じて人の評価は消化しときたま反芻しながら突き進むしかないと今の僕は考えている。
だけど、なんだか寂しく感じた。
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リストラや会社の倒産に遭ったとき
POINT
変えようがないと思える現実も、自らの努力で少しずつ変えていける
難題にぶつかったときは、歴史の中に解を求める
苦しい経験を将来の力に変えられるかは自分次第
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読むのに随分と時間がかかってしまった。
幼いときから達観した主人公が今後どうなっていくか気になる。
つるがいいキャラクターだと思った。鼻持ちならない部分も多いけれど今後変わっていく気がする。
強い信念で下の身分から這い上がる主人公とサラブレッドで英才教育を受けたにも拘わらず落ちぶれていく兵部の対比が面白い。
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ある一つの出来事をきっかけに自分の人生、世の中の不条理を変えようと一心腐乱に進む主水正があるとき、周りからの羨望・嫉妬、期待や仕事に対する重圧に耐えかね、恩師の谷宗岳に相談した時、谷から「お前が自分で進むと決めた道ではないか、その道へ進んだときからもう逃れることはできない」と言われた言葉が印象に残った。自分も普通の会社に終身雇用を期待して就職したのではなく、自分の力で仕事を得て、食べて行こうと決意し、その道を歩み始めた。今は日本の会社はいるが、あくまで契約社員としてのプロの自覚を持って行動するべきであると思う。辛いがそういう道を選んでしまったわけで自分も主水正と同じように後戻りはできないのだから。
自分の進路や目標に悩んだときには、試行錯誤しながら前へ進む彼の姿をまた読むべきだと思う。
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全2巻。
身分の低い家の子が
家老までのぼり上がるサクセスストーリー。
や。
よかった。
サクセスストーリーと言っても、
キラキラした華やかさはない。
静かな佇まいの主人公が、
人知れず苦しみながら
一歩一歩のぼっていく様を、
著者らしい淡々とした調子で描写している。
そう。
静かで淡々としてるの。
なのにいつのまにか引き込まれ、
夢中になり、ドキドキする。
結構長いけど一気読み。
さすがという他ない。
樅ノ木は残ったと似たような雰囲気だけど、
悲壮的ではなく、
静かに、しみじみ染みてくる人生観と、
爽やかな読了感。
とりあえず、見えてる坂をのぼってみようと思った。
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会社の上司に勧められて20代の頃読んだが、周五郎作品は若い世代には少し難しい(3回読み返した)
主人公、主水正に自分を重ねて読むうち引き込まれていった。
上を目指すサラリーマンにはバイブルとなる山本周五郎、最後の長編作品