紙の本
淡々とした描写
2012/01/26 21:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
長く入手難であったのが、角川文庫から復刊されたので読んでみました。
自分の信じるもののために、愛するものと敵対することも厭わずひたすら愚直に己の意思を貫き進み続ける主人公のアマヨク。
国の仕組みを変えるために理不尽なことがあっても信念を曲げずに生きていく姿に感動を覚えます。
彼の最期は賛否両論ありそうでちょっとやるせない感じもしますが、一気読み必須の面白さです。
電子書籍
kadokawa半額時に購入。
2016/12/31 20:50
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uri - この投稿者のレビュー一覧を見る
kadokawa半額時に購入。評価が高かったので気になっていました。確かによくできた話かもしれないけど、面白いかどうかは個人的には「?」となってしまうなあ。けっこう悲劇的な場面が多いから読んでいてつらくなってしまったので。
投稿元:
レビューを見る
■文庫に降りたので購入。再読。アマヨク・テミズは男でござる。あまりにもまっすぐでかっちょいい。でも眩しすぎる。あまりにもまっすぐなアマヨクの前で、歪んでしまった兄にも共感してしまう。それほどにまっすぐだ。
投稿元:
レビューを見る
特に著者を知らずに、本屋の店頭でおもしろそうだったので購入。
大正解です。
主人公はまっすぐだけど癖のある人。実際にいて一緒にいたら大変だと思うけど、やっぱり偉人はこういう人なんだろうなぁとつくづく思いました。
投稿元:
レビューを見る
心が踊りまくり。
久々に堪能した冒険ファンタジー。
あの話、この話も読んでみたい。
表紙のせいか、かのサーガを思い出し、センチメンタルな気分。
投稿元:
レビューを見る
「『剣も魔法もない』ファンタジー」だったかしら、店頭のキャッチコピー。
うん、なかった、大河ドラマだった。
信じて信じて裏切られてそれでも生きたり、どんな逆境でも信念を曲げなかったり、自分の信じるものを芯に生きた人たちのお話。
ラスト、そう来るかと思ったよ。
投稿元:
レビューを見る
野賊が跋扈し内乱が続くある国で、国の平和のために戦う軍人の人生を描いたお話。
この世に存在しない国での出来事という意味ではファンタジーではあるものの、 魔法も超人も出てこないので歴史小説のような感じ。
主人公アマヨクは大貴族の私生児である母と平民の父を持ち、駆け落ちした両親と山奥で暮らしていたが、将軍である伯父の後押しで国王軍に入隊する。
少尉として最初の行軍で、野賊のオーマ一味と遭遇したことから物語が始まる。
あまたの戦いに勝利し着実に出世を遂げるアマヨクだけれど、
何度も死に目に遭ったり、信頼していた伯父に裏切られ拷問され囚人として採石場に送られるなど、主人公とは思えない痛めつけられ方をする。
ヒロイン的ポジションである野賊オーマの部下カーミラは、
普通だったら敵味方に分かれているのに愛してしまった女性、として悲恋の役割を担うところなのに、物語序盤でアマヨクは彼女を銃で撃つし、敵に捕まって拷問を受けたうえに、子供を二人も産まされるという夢と希望とは程遠い展開に。
その後もかなり悲惨な運命に翻弄されるカーミラ。
カーミラの産み落とした二人の子供も悲惨な境遇で、
正直冒険ファンタジーとしてこれでいいのか激しく謎だし、表紙の印象と違ってブラックだし、途中で読むのをやめる人もいそうなぐらい救いようがない。
だけれどだんだん、信念を持って愚直に進むアマヨクや、とても正直でまっすぐなカーミラの強さが魅力的に感じてくる。
カーミラの息子とアマヨクの関係性もよい。
一冊で30年近い年月が流れるため、どんどん物語は進む。
登場人物たちの心情は詳しく書かれない。
特に主人公なのにアマヨクの心理描写は薄くて、感情移入するのは難しいかもしれない。
それにアマヨクは心優しい人であるけどあくまで国のために働くという信条のため、 時にヒーローとは思えない言動も取る。
同時に悪人は単に悪人ではない。悪にも理由と根拠があるのだなと思わせられる。
人はみな良い人であり悪い人であるということを感じさせる深さがいい。
序盤はなかなか進みが遅いけれども、
二部以降は登場人物たちの動きも活発になり物語の起伏が出てきて一気に読める。
終盤からのスピード感もよかった。終わり方もすっきり。
かなり骨太重厚な物語です。
投稿元:
レビューを見る
同じ作者の作品でおすすめされたモノが面白かったので、実家から帰る電車で読むにもいいしと購入しました。
黄金の~と似たテイストでしたがまた違う感じ。1人の一生を追う物語。リアルファンタジーが面白くなってきました。ファンタジーを読みたい欲望がむくむく湧いてきました。
ファンタジーっていうか、中世のどこかの物語みたいな。。内容量が豊富でこれも読んでも読んでも終わらない!と言いたくなる話でした。面白かったけど。
投稿元:
レビューを見る
うおー、何この感動。心揺さぶられた。ラストもまた心地よい余韻のある書き方で締められた。
人のドロドロしたところを描きつつも、それぞれ個人が信念持った生き様をしており、それを見事に見せつけられた。テミズ大佐の信念とカーミラの不屈の精神にはもう脱帽というかあり得ない。
最初に涙したのは、手負いの部下を自ら手にかけるところ。野葡萄の森の村長に「そのからだに傷つけさせてほしい」なんて、後のコトをしっかり考えて。その発想すごいよね。後半にかけて、そこかしこで各人の思いの強さに涙ぐむ。
「黄金の王白銀の王」は櫓と薫衣に焦点を絞って描かれていたけど、「瞳の中の大河」はテミズ大佐を中心に実に多くの様々な人が息づいてそれぞれの日常・ドラマが描かれていた。いやどちらの表現も素晴らしかった。こんな物語があるんだなあと、話の作り方に感動。沢村凛すごい。ほんとこの本を読めてありがとうと思えた。
解説にもありましたけど、続編というか外伝も面白そうだなあ。二代目オーマのシュナンに、海まで辿りついたエリネの話なんてたまらなく面白そう。イシェルとテミズ父とか、オルタディシャルもすごいドラマ描けそうだもんなあ、櫓とキャラかぶっているところあるし。メイデン殿下もいい味出していたなあ、細くて長い丸太を渡る過程、渡った先はどうなっているのか。書いてほしいなあ。
ファンタジーなんだけど、魔法もモンスターも出てこないから、大袈裟に言えば「ノンフィクションかも」と錯覚するくらいの歴史小説。大河ドラマとして映像化してもいいんじゃない?
もうここまで来たら、複数巻での超巨編が読みたい。ま、1巻完結がわかっているから安心して読める、というところもありますよね。残りページ数気にしながら、どんな結末が?というワクワク感が堪らない。
衝撃のラストは、テミズ父に続いて叫びそうになりましたよ、ほんと。ビックリと哀しみとで。電車の中だったから良かったものの。涙ぐんだのは言うまでもなく。
にしても、カーミラ捕まりすぎ・・・ドジっ娘か、と (笑)
投稿元:
レビューを見る
信念を貫く主人公と、それを支えるひとたち、敵となるひとたち、みなしっかりと書き込まれていて、無駄な登場人物はいないのではないか、と思わせる。
ラストまで気持ちよくドキドキしながら読み進められました。
投稿元:
レビューを見る
理想の国になるようにと思いを定めたテミズは目標をじっと見つめてひた走る。寄り道をしないのかこの男は、休憩することを知らないのかこの男は。
話された言葉と目に見えた事と耳に聞こえた音が文字になっている。人びとの気持ちを直接あらわす表現はほとんど無かった気がする。
それなのに人びとの気持ちがフワッと見える、感じる。不思議な感覚。表情の見えない映画? ラジオドラマ? 何でもいいか。
読んで満足したから(笑)
投稿元:
レビューを見る
読み応えありました。一気読みです。
たくさんの登場人物の思惑や行動がいろんな出来事を引き起こし、事態は坂道を転がるように展開していく。
アマヨクの信念、カーミラの強かさ、オルタディシャル公の思惑や、シュナンやルタンを襲う悲運や幸運等々、読み始めたら気になって止まりません。
ラストの二人の会話もいいカンジで余韻を残しています。
それぞれの登場人物たちのその後も気になりますね。
投稿元:
レビューを見る
そうかそうか、この作品ありきであの傑作が生まれたのか。
沢村凜ーー不思議な文を書く人だ。心の奥底を描いているようでいて、実際は簡単な状況描写しかしていなかったり。難解な単語を用いながらも、すらすらと読める。
アマヨクのように、とはいかないまでも、彼のような大きな志をいつも持っていたいものである。
100点(100点満点)。
投稿元:
レビューを見る
またも異国の権力闘争的ファンタジー。そしてまたも主人公が頑な(笑)…と言いながらも一気読みしてしまう内容で、とても楽しめました。
アマヨク、カーミラ、オルタディシャル、オーマ、アマヨク父。みんな頑な。それぞれの立場で語っているけれども、どうしてそんなにみんな頑ななのか。もうちょっとお互い譲れば…というのは、無理な話なんだろうな。
最後まで気が抜けない展開でしたが、アマヨクの望んだ通りの方向へ、国が向いていくのを確信してのラストだと思う。そう信じたい。
投稿元:
レビューを見る
野賊との内戦が続き、腐敗気味の内政が横行する国で、理想を貫き続けた一人の軍人の物語。常に理想を体現する為に最適な手段を考え、様々な障害に屈すること無くそれを全うしようとする主人公アマヨク・テミズの姿が心を打ちます。(実際にこういう人が近くにいたら、融通が聞かない苦手なタイプに映るかもしれませんが…)
中盤までは比較的順調に昇進して行きますが、策略によって貶められてしまう以降の展開は、どう収束させるのだろうかがとても気になりました。最終的には序盤からたまに話題に挙るある人物の力により大団円を迎えます。最初はちょっと都合が良いかなー、なんて思ってしまいましたが、アマヨクの常にブレなかった理想を追求する姿勢がその人物を行動させたのだと解釈しました。
そうした「行動が周囲に良い影響を与えて行く」という、ある種のカリスマ性を持った主人公の姿は、「黄金の王 白銀の王」の穭と薫衣や「永遠の0」の宮部久蔵に通じるものがあり、それらの作品と同じような感動を得ることが出来たように思います。