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タイトル買いでしたが、これは当たり。
明治維新が始まる直前の「改革はしなきゃいけないけど、何も出来ない」幕府側の(ゴタゴタな)内情が人間味あふれるキャラクターと共によくわかります。
後は日本人の政治に関するワイドショー的な受け止め方とか200年経っても変わらないなぁとも思いつつ。
時の権力者とその周辺のゴシップネタも満載なので、幕府側に萌えるあなたは是非w
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天保の改革の水野忠邦の時代から幕末動乱期までの江戸幕府内の政治構想について短いエピソードを集めることにより描き出している。
従来の歴史本に対して、大分軽いタッチで書かれていながらも、水野忠邦が何を目指して、そして失敗したのか。開国騒動での幕藩体制の混乱振りが面白く描かれている。
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天保の改革あたりの徳川幕府内のごたごたを、軽妙に書いてある。週刊誌に連載していたものをまとめたので、短く区切られていて片手間にも読みやすい。
今現在の政治状況が幕末くりそつー!と常々思っているのだが、ほんとに、幕藩体制はまだ生きていると確信するよ。
水野忠邦と鳥居燿蔵の暗躍なんてこれぞ時代劇という感じなのだが、水野の政敵の落ち度を鳥居が探って言いがかりをつけて追い落とすなんざ、いや、今まさに、永田町で展開されてるよね、的な。黒船が来た時も「公儀穏便のお沙汰厳しきゆえ、たまたま鉄砲はあれども弾丸を込めず、火縄に火を付けず、大いに異人共に威を示され、かえすがえすも無念」とか、全然変わってねー!
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天保の改革を中心に幕末を読む本。ある程度、この期間の知識があったほうが読みやすいと思う。
小説ではなく、あくまでもエピソード集。今まで知っていた歴史に少し肉付けをすることができる本。
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幕末前夜の社会状況を老中水野忠邦の史料から身元不明者の文書まで駆使した概説書。著者的には幕末は天保の改革から始まったという認識らしい。
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[ 内容 ]
徳川幕府の生き残りを懸けたイチかバチかの天保改革が、幕末の幕を切って落とした―。
改革失敗、経済混乱、飢饉に火事に異国船、未曾有の事件が頻発する中、虚々実々の駆け引きに翻弄される幕府首脳の姿は、青雲の大志と権力欲が渾然一体となった政治の現実を教えてくれる。
尊王攘夷・倒幕開国のうねりが押し寄せる直前、黒船来航までを、さまざまな名珍場面でたどる、既成史観ではわからない幕末政界権力争奪史。
[ 目次 ]
第1部 天保政怪録(老中願望 セクハラ大名 三方領知替え 怪盗日本左衛門 ほか)第2部 嘉永外患録(大江戸金融事情 火元争い ワンポイントリリーフ イケメン宰相 ほか)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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週刊新潮に連載しているときはあまり面白いと思わなかったけど、まとめて読むと大変面白い。新潮で読み飛ばしていたのがもったいな。
(ていうか、週刊連載に合わないのでは?)
天保の改革から幕末の筆を起こす。
水野忠邦を評価している。
「しかし天保改革は、どうしてもやらなければならない江戸時代最後の改革のこころみであり、武士経済の起死回生を賭けた大手術であった。(中略)忠邦は決して凡庸な政治家ではなかった。むしろ破綻を恐れず、あえてそのリスクを冒して大仕事に踏み切った勇気ある人物と言える。」(P15)
と言って期待させるが、天保と幕末のつながりは希薄で、また説明も政争に終始するようになっている。
まあそれはそれで面白いんだが、なんかちょっと残念。やっぱり週刊連載じゃないほうがいいのではないかな。
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江戸 特に幕末に疎い私でも たっぷり楽しめた。学校で習ったあの人この人 あの政策この政策の裏話がうじゃうじゃと…『大江戸曲者列伝』がかなり三面記事的というかワイドショー的面白さだったのに対してこれは、もうちびっと教科書的かな。登場人物も水野忠邦やら水戸斉昭やら遠山景元やら幕末語るに必須の方々で。でもこういう本を読んでると 歴史ってホント面白い って思っちゃうね。「歴史の無類の面白さは、何よりも《当事者が筋書きを知らないドラマ》だという点にある」というのは名言であるな。しかしだ 鳥居耀蔵よ 私はそなたが徹底的に嫌いだぞ。
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筆者は著名な江戸文学者。ここでは、残されたさまざまな記録や日記を駆使して、天保の改革からペリー来航あたりまでの、幕末の政治史を再現して見せる。水野忠邦による天保の改革は、素人目にも明らかな経済政策の失敗に終り、ペリーとの外交も、目も当てられない散々なありさま。唯一の慰めはロシアのプチャーチンとの外交交渉で、ウルップに国境を策定したことか。
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幕末ものの創作物は英雄談的なものが多く、志士目線で物語が展開するから忘れがちだけれど、幕末史は欲望と保身が入り交じる激しい権力争奪戦だと思ってみるの が一番わかりやすいと納得できる。シリーズ1作目は天保の改革から黒船来航まで。ゴシップネタも多い。水戸斉昭公の強制隠居の理由は本当なのかこれ。
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水野忠邦が20年かけて老中を目指す権力闘争。黒船来航の時、クルーズツアーや沿岸からの見学でごった返すなどの庶民の野次馬ぶり。歴史を一本の筋道で語るのではなく、世相やゴシップ(舞台裏)を重ねていくことで、重層的な歴史のうねりを語ります。斉昭が美女唐橋を妊娠させてしまう行動力は若さゆえの豪胆さでしょうか、面白い幕末史が始まります。
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組織内で生き残るためにやりそうなことは今も昔も変わらないのか。
僕自身は特に策は講じてないのだが、やるやつはやってるんだろうな、と思う。
付け届けとかもたぶんやってるんだろうな。
それはそうとして。
筆者はどうやって昔の人がなにを裏でやってきたか、とかを知りえるのか、と思ったが、あとがきに古文書の原典に当たっていることが紹介されていた。すごいお仕事だと思った。
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徳川慶喜をどう評価するかが幕末研究のポイントだと思うのだが、本書は「ダメ将軍」扱い。阿部正弘も徳川斉昭が怖くてオランダ国王の親書を見せられなかったとか、想像ではあるが「あるよなあ」と思う。
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尊王攘夷、倒幕開国の嵐が吹荒れるなかの徳川幕府の政界権力争奪戦と、黒船来航までの大混乱の様相を紐解いた幕末裏話。▷水野忠邦:幕末前夜の天保年間の老中。待ったなしの構造改革だった「天保改革」に着手。やり方が急激すぎ、民衆の怨嗟を浴びて失脚。失敗した政治家は、後世からの採点が辛い...天保15年(1844) 水野忠邦が再動を命じられ、老中首座に復帰したと聞いた人々はのけぞった。▷後門の熊:鎖国日本を前から無理にこじ開けたのはペリ-の黒船、後ろから毛深い腕を伸ばして、お尻を撫でまわしたのがロシアだった・・・。