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電子書籍
秀逸な人物描写
2014/02/10 15:31
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投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
陰のある人物の描写にかけては、作者の右に出る漫画家がいるだろうか。そう思うくらい、純という人物が圧倒的印象を放つ。
「彩りのころ」に例えれば、宗次郎=一雄、葵=瞳、拓也=純。瞳の為に少年院、高校退学、伯父夫婦からの勘当という大きな代償を払いながら、純の瞳への想いは報われない。自分の激しい恋心に恐れをなした純は、瞳と一雄の前から黙って姿を消す。東京へ出た純は、水商売に身を沈め、彼の美貌と陰影に惹かれて近づいてくる女たちと、遍歴を重ねていく。
東京で一雄と瞳に再会した純は、ひたすら良き幼なじみでいようとする。瞳の幸せを願いながら必死で恋心を抑える純の苦悩が痛ましい。誰よりも純粋で一途なゆえに、自ら傷を深めていく。
「彩りのころ」から更に深みを増した人物像に否応なく惹きつけられる。津雲むつみ氏の傑作に数えられる力作だと思う。
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