紙の本
愛の重さ
2019/10/27 14:45
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティーがメアリー・ウェストマコット名義で発表した非探偵小説。後半が冗長に感じましたが、探偵小説でなくても驚きの結末。
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前半は秀逸。特に、洞察力にあふれる人生訓を垂れるボールドックがいい。
でも後半、観念的でうっとうしいルウェリンが出てきてからグダグダ。急にとってつけたような話になってしまった。特に最後は何だかなあ。
『春にして君を離れ』の主人公もそうだけど、他人に自分の幸福の価値観を押しつける女性って、コワッ!
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私の好きなミス・マープルやポアロは登場しないが、クリスティー特有の軽快な進め方で、とても面白かった。
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途中、頭に入っていかない文章がところどころ・・・
宗教的な内容はどうも頭に入らなくて読み終わるのに時間かかりました。
娘は娘の女友達の言葉にもありましたが、愛されるというのは重いことなのですね。
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両親からの愛情に飢え、盲目的に妹シャーリーを愛するようになるローラ。辛く息苦しい前半から、後半唐突に訪れるラスト。
作品としての出来は唐突なラストによって落ちているとは思いますが、わたしはとても救われました。
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アガサ・クリスティのミステリ以外の作品。
つまり普通の小説ですが、これは読み応えがある方。女性には面白いのでは。
モンゴメリのエミリーブックスを思い出しました。
ただいま再読中なので、またあとで加筆するつもり。
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愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。
人間の性格はなかなか直せないが、
愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。
愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
どちらか一方では、手抜かりなのだということを感じた。
ps.
解説において、ハンセン病に対する時代的な認識の限界について断りがある。
原作を書き換えると、時代的な認識の限界が分からなくなるので必ずしも書き換えは必要はないが、最低限、解説では言及がある。
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メアリ・ウェストマコット名義の作品で一番最後にかかれた作品らしいですね。
人にとっての幸せは
他人から見て幸せかどうかでは計り知れないものですよね。
ローラは頭のいい人でした、自分を戒めて愛を抑えていたと思うのです。
愛するあまり、人に気を使いすぎるあまり何を相手がほっしているのかわからなくなることありますよね。
自分が勝手に思い込むこともしかり。
そう考えると愛になれていたチャールズやヘンリーはある意味幸せだったのだと思います。
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両親に愛されなかった姉が、
新しくできた妹を疎んじてという話ではなく、
逆に愛しすぎることにより起こった悲劇。
家族であっても人の人生に干渉しすぎることは良くはない。
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一部なかなかサスペンスじみてドキッとしたり。
近所のボールドック氏が好きだわ~。
ある意味癒し系。
破滅型の妹はもうどうしようもないね。
こういうふうにしか生きられない人も、世の中にはいるのよね。
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ウェストマコット名義の作品はどれも名作
どれも現実の人間性が驚くほど内側まで書かれてて、クリスティはアドラーを知っていたのではと思うほどだ。
この作品ではパウロ・コエーリョのピエドラ川を思い出した。
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原書名:The burden
ローラ(一九二九)
シャーリー(一九四六)
ルウェリン(一九五六)
初めのごとくに(一九五六)
著者:アガサ・クリスティ(Christie, Agatha, 1890-1976、イングランド、小説家)
訳者:中村妙子(1923-、大田区、翻訳家)
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愛の重さは、愛すること、愛されること、これが同じ重さになるのが理想なのか。親対子、兄弟姉妹、夫対妻、どちらかが一方的に愛するだけでは破たんし、愛されるだけでも、愛するだけでも幸せにはならない。
賢く愛くるしい兄、控え目でおとなしい妹ローラ、両親の愛は兄に傾きがち。妹はそこで葛藤する。だが兄は病気であっけなく死んでしまう。そこに兄に似た妹が生まれる。また両親の愛は妹に向かう。私は妹の死を願う。が家が火事になり、とっさに妹を助け出したことで、妹への愛に目覚める。
主人公ローラは誰かに愛される事を願いながら、ずっと愛することで人生を生きてきた。親に愛されなかったと思い込んでいるローラ、妹をひたすら愛したローラ、それは不均衡な愛で幸福な結果にはならなかった。最後に愛し愛される男を配し、均衡な愛を授けた。
妹シャーリーの結婚相手、押しが強く悪気はないが不誠実な男、の描写がクリスティの最初の夫アーチボルトを念頭においてるのか。妹に次に思いを寄せる思慮深い旅行家はクリスティの再婚相手の考古学者マローワンを思わせる。
1956発表
2004.9.15発行 2019.7.25第3刷
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2004年発行、早川書房のクリスティー文庫。解説は馬場啓一(作家)。第二部までは普通(?)の小説。姉妹の愛し方愛され方とそれに伴う人格形成の物語として恐ろしいがとても理解できるお話。第三部は突然高尚な感じのお話が始まったような感じがして唐突に感じる。とはいえその部分が第四部、ラストに繋がる、のだろう。
訳者あとがき 有
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アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた小説はどれも面白い。人間の本質を突いている。
どの小説にも存在するのが、物語の登場人物を冷静に見て、的確なアドバイスする人物。今回はポールドック氏がその立場のようだが、ボールドック氏の発言にアガサ・クリスティーが考えることが凝縮されているように思う。