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個人的にはこの方の本が自分が今ほしかった情報としては一番整理されている気がしました。
再生~たたむ段階までそれぞれどんな方法があって、それぞれどんなポイントがあるのかが整理されているのみならず
筆者の倒産経験に基づく説得力のある説明をありつつ、倒産した人が復活したエピソードなども載っていて
実際にそういうことになりそうな場合にとても勉強になりそうです。
なぜどうしようもなくなるまで頑張ってしまうのかの原因を書いたうえで、一度あきらめて再起を狙うという方向で書かれていて、実際そうなった場合には勇気がもらえそうな本でした。
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読み応えあり。この2年間僕が債権回収のためにお会いしてきたすべての経営者と、いつかオーナー経営者になろうと考えているすべての友人に、一読を勧めたい。
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倒産を経験したこの本の著者である三浦氏が、自分の経験をもとにして倒産の瀬戸際にある会社の運営の大変さ、更には無理を続けるくらいならば「倒産」を選択することの大切さを説いた本です。日本の中小企業の経営者はこの10年から20年の間、大変な思いをして会社を経営していると思います。
大学卒業と同時に会社員となった私にはその厳しさ、辛さは分かりません。その中にも経営者だから味わえる「楽しさ」や「充実さ」もあるのでしょうが、この本を読む限りでは、それらを感じることはできませんでした。自分が経験することのできない世界を垣間見ることができました。
以下は気になったポイントです。
・経営者が「さじ」を投げない3つの理由として、1)従業員や取引先に迷惑をかけられない、2)倒産すると連帯保証人にも被害が及び、3)倒産後、自分自身がどうやって生活してよいかわからない、がある(p22)
・第三者の連帯保証人制度は、日本だけのものと言われる(p25)
・2003年に大企業再生をてがける産業再生機構が設立され、カネボウやダイエーの再生を果たした、2007年に役目を終えて解散したが、中小企業再生支援協議会はまだ存続している(p37)
・企業再生のやりかたには、内科的(事業の見直し、財務の見直し、リスケジュール)と外科的(民事再生法による債権カット、第二会社を使った再生法等)がある(p40)
・民事再生は、1)裁判所への予納金が負債総額により決められていて高額、2)税金、社会保険料の未納分はカットされない、3)再生計画が認可されるまでは自力で資金を回す必要あり、でありハードルが高い(p50)
・支払わなければならない優先順位が高いのは、手形の決済、社員の給料、金融機関への返済、外注・仕入れの支払い、各種の経費、最後が税金・社会保険料、である(p74)
・借金が営業利益の10年分以上なら危険、3社以上の商工ローンは危険である(p79)
・個人の破産のメリットは、過去の負債の法的な支払い義務がなくなる点、デメリットは一定期間(5~10年間)は金融機関の個人使用情報に登録されて個人での借り入れ不可能等(p104)
・社長の場合は、会社が借りている全ての借金の連帯保証人になることが多い(p119)
・アメリカの場合は、ベンチャーを支えるキャピタリストが集合する投資システムが充実していて、失敗しても責任を負うのは経営者と投資家のみ、第三者はその責任はない(p141)
・自分だけが儲けようと考えるとうまくいかない、自分の利益だけを考えるのではなく、自分の力を人のために生かしてやろうとすることが成功への道を開く(p194)
・CFを生かしていないとは、1)銀行から資金を借りることに抵抗感がない、2)銀行から借りたお金と自己資金との区別がつかない、3)在庫に関心ない、4)借金を返すために他の金融機関から借り入れをする、である(p202)
・CFを生かす経営とは、1)手元資金がいくらあるかを��握、2)売掛金・在庫圧縮に努め、自社の資産で資金化できるものを精査する、3)返済可能額を借りる、4)借金を返済するための借金はしない、5)入金確認をする、6)資金繰り表を作成し、資金不足を早めに対処、である(p204)