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紙の本
北条早雲が登場する短編集
2018/05/27 22:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本編は北条早雲が宗瑞、伊勢新九郎などの名前で各短編のどこかに顔を出す短編集である。当然、時代は早雲が活躍した時代である。鎌倉公方、堀越公方、古河公方、太田道灌、三浦道寸、上杉各派など関東の戦国時代の役者たちが暴れまわる。
太田道灌は扇谷上杉派の家宰であったが、主人を上回る勢力を持ち始め、疎まれるようになり、ついには誅殺されてしまう。江戸城の主として、戦国武将たちの仲介役として、武将としても有力であったが、あっけなく殺害されてしまう。この道灌の生涯を描く第一作。
扇谷上杉派の定正の馬丁を主人公にし、伊勢宗瑞と絡ませる第二作。堀越公方として関東に派遣された足利政知の息子である茶々丸が主人公で、伊豆の堀越御所での中途半端な立場を持て余す様子を描く第三作。
主人公は大磯の仏師であったが、小田原の領袖、大森氏頼から寄進を受け、仏像造立の依頼を受ける。この短編でも宗瑞が登場する第四作。稀なる人、今川氏親を描く第五作。時代を追って書かれている本短編集であるが、第四、第五作ともなると、歴史上の事実を追って記述がなされ、かなり混乱したこの時代を理解する助けとなる。しかし、登場人物が多いことと、戦局が中心となるこの時代は読者を混乱させ、今川氏の事績説明が省略されている点が惜しい。
最終の第六作は、三浦家と北条早雲との決戦を描いている。鎌倉時代の宝治合戦で滅びた三浦家であるが、辛うじて遺された系統の子孫が三浦道寸である。あさしもの三浦家も北条早雲には歯が立たず、滅亡する。第四作からの北条早雲の登場は、ほぼ主役といってもよい。
この時代は、関西は足利幕府の時代であるが、鎌倉以降の関東は戦国時代そのものである。下剋上という風潮は関東にも及び、補佐役である関東管領が主人である公方を掃討するなど、主客逆転する例が多い。また、合従連衡と言うには信条も信念もないので、離合集散が目まぐるしい。同じ流派の鎌倉上杉も山内、扇谷、犬懸と分家同士での争いがおこり、収集がつかないし、読者の頭の中の整理もつかない状態となる。
この複雑な時代を短編集で総括することはかなり無理がある。伊東の著作の中には同時代を扱ったものがあるのかも知れないが、分割して時代を追って記述したものを読みたいと思う。
紙の本
欲しかったのはこの時代
2016/01/31 19:28
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投稿者:monmo - この投稿者のレビュー一覧を見る
15世紀後半・終わりの時代を描いた小説が少ない中で、この短編集は主要人物を絞り込み見事に描き切っています。しかも、その一つ一つを順番に読み進めると、関東戦国時代の鼓動から黎明期の時代が分かる仕掛けになっており、興味深く読めること間違いないです。
紙の本
着想と構成の妙
2022/07/19 22:06
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
北条早雲の名で知られる伊勢新九郎盛時、早雲庵宗瑞の事跡を連作短編集という形で描くが、各話の主人公は別の人物で脇役として色々な形で宗瑞を絡ませ、多面的に宗瑞を描いたところが巧みで面白い。
紙の本
おもしろい
2012/08/12 12:41
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投稿者:Shin - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国初期にフォーカスした作品。
北条早雲、太田道灌など、なかなか小説として取り扱われない人を選んでいるのが面白い。
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