紙の本
悔やまれます…
2003/10/24 11:50
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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
後水尾院に落胤と認められ、色里 吉原の惣名主となった松永誠一郎と、『神君御免状』を執拗に狙う幕府老中 酒井忠清との戦いを描いた、「吉原御免状」の続編です。
剣の技に天賦の才を持ち、立場ゆえに人を斬らざるをえない松永誠一郎、前作で修羅の道を生きる覚悟を決めたとはいえ、それでもまだ煮え切らない態度に歯がゆさも覚えますが、「人殺し」と「勝負」を全く別物にとらえ、「勝負」では一切手を抜かず全力で相手を倒しにいく剣士としての生き方は潔く格好がいい。勝負の相手も、すでに死んだと思われていた鎰屋の辻の仇討ちで有名な荒木又右衛門に、片腕を斬られ復讐の鬼と化した元裏柳生の総帥 柳生義仙と錚々たる顔ぶれ。これだけそろっておもしろくないわけがないでしょう。前作同様、吉原の隠された真の姿や天皇と流浪の民との関係など各所で問題が提起されていて、深読みすればいくらでもできるのですが、そんな難しいことは措いておいて剣豪小説としても充分に楽しめます。
「吉原御免状」から登場していた主要人物が次々と死んでいき、一つの時代の終わりと新しい時代の到来を感じさせる本作、解説によると作者はこのシリーズを四部作にするつもりだったそうで、第三部の構想もほぼ固まっていたとのこと。作者の急逝が全くもって悔やまれます。
紙の本
独立した続編
2002/01/18 01:10
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投稿者:すの - この投稿者のレビュー一覧を見る
徳川家康が吉原に与えた「神君御免状」をめぐる裏柳生との争いがメイン。『吉原御免状』の続編なのですが、私はこっちを先に読んでしまいました。いきなり読んでも大丈夫です。
この作者さん独特の世界を作り出しているのに、そこは確かに日本で不思議な感じです。作品の時代の描写が続く中で、不意に現代に対する批判や作者の意見が出てきてたりするのですが、それが良いか悪いかは読者の好みによるかと。高級娼婦というモノの存在は、女性として興味深く感じました。登場人物たちも、本当の強さ、本当の想いなどを追求するかのようで、好感が持てます。本来は3巻物の予定で、もう一冊書かれる予定だったとか。急逝残念に想います。
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『吉原御免状』の続編。
誠一郎自身の出生の秘密も絡みつつ裏柳生との死闘、黒幕の幕府老中酒井忠清との決着が描かれています。
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吉原御免状の続編。
誠一郎の元に「柳生義仙」復活の知らせが入る。
あの義仙が生きる喜びを知るシーンは秀逸。こちらの作品もぜひ舞台化してほしい。
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吉原を独特の切り口で解釈した小説「吉原御免状」の続編です。
隆慶一郎先生の作品はとにかく主人公がカッコイイ。完膚なきまでに男前。最強。
でもぜんぜん嫌味じゃないとことろが魅力です。誠さんは年をとっても清涼感あふれたままでした。
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前作、“吉原御免状”の続編。主人公、松永誠一郎、その妻おしゃぶ、とうとう登場人物が魅力的、敵役の柳生義仙もね。四部作の構想だったそうで、それが作者の急逝のため読めないのがすごく残念。
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「吉原御免状」の続編。
やっぱ主人公 誠一郎がカッコイイ。強い。惚れます。
ちなみにこの本を始めて読んだのは高校生の時。
あまりにも生々しいエロシーンは、高校生には
刺激が強すぎた・・・!!!
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『吉原御免状』の続編。前作もそれなりに面白かったが、今作の方が私的には断然面白かった。著者の急逝がなければ、4部作の構想だったとか、、、(解説より)。う~、心底残念。
とにかく出てくる登場人物が男女関係なく皆、格好イイ。誠一郎はもちろんだけど、あれほど憎き相手の義仙も最後の潔い姿は格好良く感じた。そして幻斎。最後の又右衛門との闘いは圧巻の一言に尽きる。凄い場面を読ませていただきました。
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吉原御免状の続編。亡くなられなければ、四部作の予定だったとのこと。本当に惜しい。前作では宿敵として滅ぼさなければならない相手も、今作で死闘を通して救いを得る。
この方の作品には、共通して、何ものかに対する畏れと人間の持つ根源的な優しさが描かれている。異能の人々も自然や天皇への畏れがあるからこそ、他人の命も自分の命もその生き方も大切にできる。守るべきものも、畏れるものもない人生は恐ろしい。
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全1巻。
吉原御免状の続き。
前作と違って背骨な謎がなく、
ただの時代ものって感じ。
次作構想中に亡くなっているので、
続きがあったら違うかもだけど、
個人的には蛇足な続編って感じがした。
藤沢周平の用心棒シリーズ2作目以降と
似たような感じ。
ただ、最後の決闘はちょっとぐっときた。
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吉原御免状の続編。裏柳生との死闘など読み応え充分。この作品は四部作の予定であったとのこと。隆氏の急逝で完結できなかった事が非常に残念でならない。
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ものすごく静か、そして根深い恨み。
私は前作を読んでいなくてこの作品が初。
だけれどもそれなりに楽しむことができました。
誠一郎対義仙。
てっきり決着がついてしまうのか?
と思ったら、そうではなかったようです。
そしてさらに続編が2つ続くみたいでしたが
それは著者の死によって
かなわぬこととなってしまいました。
おそらくある人物に関してはきっと
今後の主人公になる人だったのでしょうね。
その特性からしても。
続き、読みたかったです。
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『吉原御免状』の続き。
やっぱりシリーズものというものは一番最初が良いものが多い。
この作品もご他聞にもれず、最初のほうが良かった。
作品としては、やっぱり良いものなんだけど、ドラゴンボール化してる。
作者のキャラに対する思い入れが強いのがよくわかる。
その思い入れの強さに共感できれば、面白いのだけれど。
僕の思い入れとは違うので、☆4つ。
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「吉原御免状」の続編。主要登場人物は数人を除いてほとんど変わらない。まぁ、その数人が荒木又右衛門や義仙の従妹だったりするが、設定、展開ともかなり強引。続編で新鮮味が薄れた分を人間関係で補えなかった感じ。それでも、最後のまとめ方は好みだった。続々編があっても、おかしくないけど・・間に合わなかったのかな。
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著者は東大出身でフランス文学の教授もしていたという経歴。大岡昇平も同じようなキャリア。大賀昇平は小林秀雄の友人でもあった、(中原中也とも)。筆者は小林秀雄の弟子でもあった。フランス文学の研究者が時代劇を書くというのも面白い。研究者だけあって時代考証や時代の背景にあるものなどよく調べてると思う。ある個所はかなりのボリュームで歴史背景や言い伝え、民話について記述されてて、歴史書かと思わせる。単なる時代劇ではなくとっても興味深く読める作品。吉原三部作の二作目。