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紙の本
コーンウェル氏が贈る検屍官シリーズです。
2016/11/03 09:58
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、コーンウェル氏が贈る検屍官シリーズの一冊です。悪夢のような「狼男」の家宅侵入事件から24時間がたちます。危うく命を落としかけたスカーペッタは友人の精神科医の家に身を隠します。しかし、追い打ちをかけるように彼女に殺人疑惑が降りかかったきます。血まみれの死体で発見された副署長のブレイ札芸に関わりがあるというのです。この吾、一体、この事件はどのように展開していくのでしょう。彼女はどうなるでしょう。
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シリーズ11作目
2022/02/24 08:51
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投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作の事件の容疑者が逮捕された後のストーリー。これまでの強い主人公像のイメージがかなり変わります。検事局長を辞する決断をしたところで下巻へ。キーパーソンと思われるタリーの本当の姿も気になります。
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不在者の存在感
2001/01/28 11:08
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投稿者:よんひゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
『警告』から始まり、『審問』上下巻と続いた、長い事件がやっと一段落した。シリーズ自体はまだ続いていくようだが、主人公の身の上に大きな変動があり、次巻からは新しい局面を迎えることとなる。
『警告』は、主人公ケイの亡くなった恋人ベントンが知人に託した「死後に読むべき手紙」が、ケイに届けられるシーンから始まる。とにかくこの3冊は、強烈に「ベントンの不在」という色に彩られている。
恋人の死というのは、それだけで計り知れないストレスをもたらすが、殺人の嫌疑をかけられる、という破滅するかどうかの瀬戸際という状況もワンセットでついてきたわけだ。当然ながら、ケイの心象風景は荒涼としていて、感情を剥き出しにする場面もいくつも出てくる。読んでいて気が滅入る。しかし、だからこそ、物語の問い掛けるものは、重く心に響く。
いままであまり語られなかった、郡の検屍局長で、医者にして弁護士、というスーパーウーマンのケイの隠された心の暗がりが照らし出される。そして、すでに存在しないベントンの心の中も。いままでの巻では、主人公の恋人という重要な役回りにも関わらず、ベントンの存在感は、わたしにとってもうひとつ薄かった。ハンサムで有能で他人の心のひだを理解する繊細さを持った男。もちろん、魅力的な人物なのだろうが、どうもできすぎという感じ。先回りして考え、状況を支配しようとする人物を、わたしがあまり好まないということもあるかもしれないが。
しかし、自分のおかれている立場の重要性を理解し、それに見合ったふるまいをする、というのは、それはそれで誠実なことなのかもしれない。自分を過大評価するのはこっけいなものだが、過小評価するのも、現実を直視できない弱さを持っていることを意味する。まわりの状況をきちんと冷静に判断して行動できる人間でも、自分自身を直視することはつらく厳しい作業だ。だが、ケイは、弱さをさらけだしながらも、また一つ切り抜けた。ラストの謎解きの衝撃はまた次巻にあとをひきそうだが、これもまた人気シリーズをここまで維持してきた作者の力量だろう。
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検屍官シリーズの集大成変わるべき時への助走胎動
2001/01/18 01:29
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投稿者:yukatti (香雪雑記帳) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラスト・プリシンクト。“最終管区”と訳されている。その意味するところは。マガヴァンとルーシーが始めた「秘密結社」「理想の組織」である私的な捜査機関の名としてだけでなく……。この物語の謎を解く手がかり、キーワードとなる言葉である。
主人公ケイ・スカーペッタの内面が対話や自問自答を通じてくっきりあぶり出される。この掘り下げの手段の選択と描き方はさすがコーンウェル、見事だ。ケイ以外の登場人物…これまでクールで大人のたしなみを保ってきたシリーズ登場人物に対しても同様のことが行われる。秘密事項の一種の暴露。結果、深い闇の底に横たわっていた真実、苦しみとともに隠されてきたこと、見て見ぬ振りをしていたものが次第にこの『審問』のなかで明るみに出る。上巻は助走的に、ゆるゆるとした話の運び。前作『警告』直後から話が始まるだけに、その陰鬱な雰囲気をそのまま引きずっている。前作までの内容の振り返りもストーリー・会話の中に織り込んで要所を押さえながら物語は次第に白熱し加速し、下巻に入ってついに疾走するに至る。重大な変化の予感、読後に漠々と広がる未来への示唆。これからケイはどこに旅立つのか。…とりあえず最愛の姪・ルーシーのヘリコプターで、ニューヨークへ向かうようだ。
検屍官シリーズは本作で11作目。シリーズが続く中で物語的には特に人間関係などにおいて煮詰まってしまい、過剰に複雑かつ繊細、内向的な部分も出てきていた。ここのところの数作においてやや閉塞感が漂ってきていたのは否めない。今回でどうやら大きく設定が変わり話が動くきっかけが見え、そうなることで今後の伸びやかな新展開に期待したいところである。
さて、本書ではケイの「あり方」に明確な変化が起こっている。ケイは『警告』の中で殺人未遂・傷害事件の直接の被害者となり、心身に深い傷を負う。本作『審問』ではそれゆえケイは上記のように精神的には「自分のことしか考えられない」状態になっているようで(当然ながら検屍局長・傑出した人物ケイらしく、それでも精一杯冷静に状況を分析し、周りに配慮してはいるけれども)、我が身を支えるために懸命に生きる、やや頼りなくはかない状態になっている。周りのサポートも自然と受け入れているような状況だ。そんなふうな、弱っているが故・悪状況に巻き込まれたが故に生じたものではあるがある種の無防備なナチュラルさ、権威から離れた自由なケイの姿や、彼女を中心に据えた話の運びがどこか検屍官シリーズ初期の諸作品を彷彿とさせ、好もしい。(恐らく)一年後の次作発売を、ゆっくりと再読を繰り返しながら待とうと思う。
上記初出・香雪雑記帳。加筆修正しました。
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シリーズ次作への重要な作品!
2002/03/12 03:03
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
検屍官シリーズ11作目。シリーズ中でかなり大きな転換点になるだろう作品ですね。一応独立した作品にはなっていますが、前作の「警告」を読んでいないとかなり分かりづらいです。今回は主人公のケイに殺人容疑がかけられて、さらにあらたな凶悪犯までもが登場!ケイの進退にも新たな展開が…。
シリーズが長く続くと途中でかなりダレル作品が多いのですが(検屍官シリーズもそうです)、この作品で今まであまり触れられなかった、ケイの内面に触れられている事もあり、ケイを取り巻く環境が大きな変化をしようとしている事で、新たな展開にかなり期待が持てそうです。これは次作も買いですね。
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「検屍官」シリーズも転機か?
2001/01/14 16:14
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投稿者:エンドルフィン - この投稿者のレビュー一覧を見る
パトリシア・コーンウェルの検屍官シリーズもついに11作目をむかえることになった。シリーズ全体として、最近ではミステリというより人間ドラマの方に比重がかかっていく傾向にあるようだ。物語は前作「警告」の直後から始まる。
連続殺人事件の犯人<狼男>シャンドンに襲われたものの、危うく難を免れ、シャンドンは逮捕された。しかし、自らが犯人の標的にされたことや、被害者として供述をとられることに心中おだやかではない。しかもシャンドンの有罪を裁判で確定的なものにするために過去の事件を調査をしていくと、あらたな疑惑も浮かんできた。が、その捜査以前に、シャンドンの犠牲になったはずの警察副署長の殺害容疑がなんとスカーペッタ自身に降りかかってきたのだ。
ケイの親友で精神科医のアナ・ゼナーとの会話を通して、ケイの個人的な過去の出来事や思い出を語らせることによって、より人間的なケイ・スカーペッタを描くことに腐心している。
「業火」「警告」「審問」と続く三部作のような感じで、その間が一年づつあいていると読者としては記憶が曖昧な点も多く、読み終わってなんとなく消化不良の感が残る。ベントンの死の真相、検屍局長辞任、マリーノの息子の存在と新しい展開の予感させる点が多く、ファンとしてはとりあえず押さえておくべき一冊というとこか。
なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。