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純文学調の作品、になるのかな。道尾秀介氏の賞賛ツイートがきっかけで手にとった作品。
個人的には、スカッと謎やわだかまりが解決されるミステリーやエンターテインメントが好きなのだが、この作品は、あえて語りきらず、読み手に自身の心との対話を促すような作品。そういう作品ばかり読んでるときっと疲れてしまうけど、たまに読むと、心に栄養を与えてくれる気がする。命、生、死、性、愛、哀…それらが織りなす心の襞が、架空の舞台である四雁川の流れに垣間見える。そんな連作短編集。、
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道尾秀介氏、心から愛する一冊
「努力しても、どうにもならないって感じたことはあるかい」
四雁川の流域に暮らす人々の生と死、愛憎、老い。
誰もがいつか向き合う現実を、静かなまなざしで綴った短篇集。
玄侑さんの小説はどれも、汚泥の中に咲いた美しい蓮のように見える。
懸命に咲き、美しい色を放ちながら、根はしっかりと泥を摑んでいる蓮のように思えるのだ。
道尾秀介「解説 祈りの裾野」より
この作品も「化蝶散華」に続き道尾さんの紹介で読んだ。
が……やはり全作品を理解するには自分が純文学アレルギーみたいなものをなんとかしなければならないと思った。
ただ「地蔵小路」「塔」「中州」の三編はいずれも死を扱っているが、不思議と哀しみを感じることはなく、静けさを感じた。
http://www.genyusokyu.com/bookreview/bungakukai/michio.html
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いまさらながら、本を読むという行為はそこに描かれている人やモノの生活を感じるということなんだなあ、ということに気づかされる。筋の面白さや笑い・悲しみという刺激は強くないが、自分がいて他者がいて絡んだりすれ違ったりしながらもたしかな生活が営まれ流れていくようすがあふれている。
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人の生老病死をやさしく見つめる玄侑さんの短編集。同じ町を舞台に全く無関係の、それぞれの人生が描かれており、考えること、生き方に共鳴したりしなかったり。
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【努力しても、どうにもならないって感じたことはあるかい】死、離別、病気、ぼけ……誰もがいつかは向かいあう現実や哀しみに対する、深く静かな慰めと穏やかなまなざしで綴られた7つの短篇。