二十一世紀への対話(上) みんなのレビュー
- 池田大作 (著), アーノルド・トインビー (著)
- 税込価格:792円(7pt)
- 出版社:聖教新聞社
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紙の本
西と東の知恵が出合うとき。
2006/07/18 23:05
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
20世紀最大の歴史家と評されるアーノルド・トインビー氏と、宗教者の池田大作氏—。西欧と東洋の知性が出会い、現代世界が抱える諸問題について縦横無尽に語り合ったものが、本対談集である。
本書は上・中・下巻あり、第一部「人生と社会」、第二部「政治と世界」、第三部「哲学と宗教」の、三部構成からなる。目次を見れば分かるように、対談内容は、人間の尊厳、個人と社会の関係、国際政治、科学や医療、宗教など、多岐にわたる。
トインビー氏は、歴史家としての立場から、歴史上のさまざまな事例をもち出して持論を述べ、池田氏は仏法的な視点から、問題の本質を見極めていく。
人種や宗教や立場の異なる両者だが、人生観や目的観は驚くほど一致している。
それは、人生における宗教の必要性を認め、自己超克への不断の努力を払い、“自我”を、宇宙に存在する普遍的な真理に合致させることが重要だ、とするもの。用いる概念の名称の差異こそあれ、両者の目的とするものは、この結論に集約されるだろう。
その一方で、世界的独裁体制を認めるか否か、人間の尊厳としての自殺を認めるか否か、という二つの点でははっきりと見解が分かれており、興味深い。
本書を読んで強く印象に残ったのは、対談者二人の、謙虚さと、貪欲な探究心である。
分からないことは素直に分からない、と認め、相手からできるだけ多くの知恵を引き出そうとする姿勢に、議論以上のものを教えられた。
本対談は1972年に始まったという。その後、現在に至るまでの約30年間、ベルリンの壁崩壊、冷戦終結、中国のWTO加盟等、世界情勢はめまぐるしく動き続けている。
しかしそのような中でも、論じ合われた内容は決して古びることなく、むしろ、対談の先見性と高度さは、混迷の時代に輝きを放っている。
「人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができるものです。」と、自己変革の重要性を訴える本書は、10年、100年、と時を経るごとに、さらに評価が高まるのではないだろうか。
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