紙の本
800字で書いてみました
2008/04/22 03:03
21人中、19人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:redhelink - この投稿者のレビュー一覧を見る
書評でうまく書ききれないことが多い私の目に止まったのは必然でしょう。
概要は、「書く」とはどういうことが原因で起こるものなのか、文章とはどのように構成されているのかというところから始まり、より魅力的な文章を書くための抑えたいポイントや、「書く」ことと表裏一体である「読む」ということについても触れられており、読み書きともに意識が変わる文章です。
感想。かなり読み書きにおける意識や注意が変わります。著者が高校の国語の教員をしていたこともあるのでしょう。非常にやわらかい文章でありながら、それでいて内容は非常に納得のいく、論理的なものです。
なぜ文が文章になるのか?一文では補いきれないから、という内容は当たり前でいて気づけない(私だけでしょうか?)部分に迫っています。文章は次の文で、前文では表せなかった風景や設定を補い、そしてそこから生まれる新たな疑問に対する回答を次の文が・・・というように、ある種の堂々巡りをしてくものであるということは、私には非常にわかりやすい説明でした。
また、文章に波を持たせて、盛り上がりや、場面の切り返しの重要性についての文章も具体例が盛り込まれており、読みやすいです。リレー作文を例に考察している部分や、映画の一シーンにあるようなフレーズを使った例、天声人語での文章のひきつけ方などがそれらに当たります。
疑問や不足に注意しながら文章を読むことで、自分の経験や想いとリンクさせながら、書かれていることを抽象化したり、逆に抽象的な表現を具体化すると、自分と文章との関係に気づけるということです。
積極的に文章に疑問を持ちながら読むことは、すなわち自分を見つめなおすことにつながると言い換えても良いでしょう。
書きたいことはたくさんありますが、秀逸すぎて私にはうまく伝えられないことがたくさんあります。ぜひご自身で読んでください。著者の文から自分を見つめていただける、価値ある1冊です。
電子書籍
予想と違ったが収穫あり。
2018/12/09 18:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
800字で文章をまとめるコツを期待して読んだが、
そのような内容ではない。
だが、そもそも文章を書くのは何故難しいのか、
文章を読む上で大切なこと、心得るべきこと
実際に例文を読みながら解説しており、勉強に
なる。
ノウハウの吸収にはならなかったが、文章の
なんたるかを考える収穫になった。
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☆書き手の論理=不足を補う。読み手の論理=不足を追い求める。☆淀み→展開→思索が深まる→1段上のレベルへ。
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どうも文章を書くのが苦手である.
そう思ってこの本を手にとってみた.
まず書き出せ. そのとおり.
書いた文章に穴があるので, 埋める文章を継ぎ足せ. そのとおり.
たまには, 淀みを作って退屈させるな. そのとおり.
まだまだ, いろいろと書いてある. 納得できる.
人間は言語を使って考える. 言語で表せないものは考えていないことと同じである.
言葉以上の思考はできないのであるから, まず語彙を増やして, 読解力の力をつける.
書いたものを振り返り, その後に続く文章を見つけるのがこの800字を書く一番のきっかけになりそうだ.
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言葉にするということに苦手意識を強く持っていて
最近も苦労することが多いので読んでみた。
これ読んで私も小説家になれるのでは?と思ったw
(うそ)
書くことって、発想とかひらめきに近いもんだと思ってた。
もしくは己の考えを伝えること。
でもなんか違うんだってわかった。
これ読むと考えを紙に落とすことの重要性を感じざるを得ない。
ぺろりと読めるので、本屋で立ち読みでも得れるものあると思います。
ちなみにハウツー本ではありません。
タイトルと内容のずれを感じるのは私だけ・・??
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僕の読み書きの力にはまだ不足があると認識した。とはいえ、僕の読み書きの仕方も大外れじゃないと思えた。この本の内容を踏まえて、読書を続けていければ不足は補えると思っている。
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書くということがどういうことなのか。
漠然と実践していたことが、しっかりとした言葉として認識できたことは収穫でした。書くことは誰でもできる。今は、心からそう思えます。
しかし、それ以上に収穫だったことは、読む力を養えたことかな。
こちらも本を読むときに自然と行っていることを、改めて言葉として認識できたことで、意識して、そこに込められてた意味を読み取る癖を付けたいと思う。
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職業柄、この手の本に興味を惹かれる。著者の作品はどれも分かりやすく、「小説を書いてみたい。でも、難しそう…」といった人の背中をぽんっと押してくれる。「ぐずぐずせずに書いてみれば書ける」という気にさせてくれる。
タイトルにある800字。著者は、新聞の社説(1000字)とコラム(600字)の中間にある800字で「一つの宇宙を築ける人は、数百枚の小説を書くことも、すぐれた論文を書くこともできる」という。その理由を「書くことの根幹にあるものは同じ」だからと話す。
根幹とは、「1文1文をつなぐ力」。1文書くことで必然的に生じる疑問にその後の文で答える。また、生じた疑問をその次の文で・・・これを繰り返すことでいくらでも長い文章を作成できるという。
例えば、「彼はあの発言を今でも後悔している」という1文。彼って何歳?仕事は?何を言ったの?なんで後悔してる?今っていつのこと?などといった疑問が、この1文からわく。それを後の文章で説明していく。そのため、文章中の「不足に気付く力」が必要だという。
しかし、それだけでは優れた文章にはならない、とも指摘。つまらないことを長々と続けても、読者に最後まで読んでもらえないからだ。
そこで優れた文章を書くためのポイントに挙げるのは、①論理の自然な流れの中に淀みをこしらえる②読み進めるごとに視界が開け、認識が深まっていくよう展開の工夫をする、の2点。読者に期待感(①)と達成感(②)を与える、という。それぞれ、具体例を出して分かりやすく説明している。(実践してみると、淀みの作り方が難しいですが)
②については、『結論を先に書く』ようにとアドバイスする。ゴールを先頭に持っていくことで、言葉が次の言葉を拓いていくという文章の性質上、さらなる高みに到達する可能性が高まるからである。自分や世間の思想を疑い、壊して再構築、さらにまた疑い壊す…という作業こそ書くことの核心と述べる。
横山秀夫や東野圭吾、朝日新聞のコラム『天声人語』など僕が好む著者の作品はどれも、途中で浮かんでくる疑問を読後にすべて解決してくれる。すべてのピースがきれいにおさまる感じ。爽快感―。さらに、新しい知見をも与えてくれる。同時に、「こんな素晴らしい作品、とてもじゃないけど書けない」と尻込みさせてもくれる…。そんな気持ちを抱いていても、作文する第一歩を踏み出させてくれる良書だと思う。
また、文書のプロである著者は最後に、「何でもかんでも言語化し、言葉に訴えようとするなら、世界はゆがむ」と言っている。著者の思慮深さがうかがえるとともに、宗教紛争やテロ戦争など「話せば分かる」を前提にしては解決しない問題があると感じていただけに、心にストンと入ってきた。
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見知らぬ誰かが読んでくれる文章だとしたら、
八百字というのは、上限ではないかと思っていた。
自分の読書記録として書いているブクログだけど、
楽しみながらも、難儀することも少なくない。
八百字ぐらい、さくっと書けないものかと、手にした本書。
でも、八百字も長編大作も、書き方は同じという考え。
一文を書いたら、不足を補って、つぎの文をつなぐ。
隣の文、隣の段落をつなげ、流れを作りながらも、
よどみを設けて、読み手をひきつける。プラス、気づき。
感情的ではなく、理論的に書く方法を再認識した。
同時に、正しい読み方の必要性も痛感した。
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小説を書くための本、文章を書くための本はたくさんあって、けっこう読んできた。その中でも「書ける」と、論理的に納得させてくれるという意味では、この本が最高。ここでいう書けるというのは、良い文章、良い小説が書けるということではなくて、「何を書いたらよいか、わからない」という状況を打破できるということ。リレー小説を例に出しての説明が秀逸。
そして、後半で、書けるようになるための「読み方」についても論理的で簡潔な説明がある。書くためには読めなければならない。これもまた、当たり前のことながら、おろそかにされがちなことだ。
欠点があるとすればタイトル。「800字を書く力」からは、この内容は想像できなかったなあ。
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前半は、文章を書けるようになるための心得を明快に説いている。とにかく、何か最初に一文書き付ける勇気。それさえ出来れば、次の文は前の文の不足を補う形で続いていき、文章となっていくと言うこと。そして「淀み」「展開」。最初に書きたいことを書いてしまうこと。そこから続けていくことで思いもしなかった発見、結論にいたるということ。書く勇気と知恵を与えてくれる。
後半は文章の読み方を書いているのだが、少し納得できかねる内容。
不足を補うように積み上げられて文章は書かれていくのはわかるが、積み上げられた文章には不思議なマジックが働いている。それを可逆的に分解することが読解であるとは思えない。著者は出来るものも出来ないものもあると言い訳しているが、説明書とかで無い限り基本的に出来ないだろうと思う。
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本当に読書を楽しむために大切なことが書かれているから、読書入門者は読むべき。書く力は読む力だし、読む力は書く力。
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800字書くのなんて、楽勝。
でも、逆に800字でまとめてくださいってのは難しい。これは至難の業になる。
文章が読める人は執筆できる。
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文章は、書き出せば、書くことは決まってくる。
文章を書く際には、何を書くか予め想定した上で結論に向かって書いていかなければいけない。
そう考えている人も多いだろう。
けれど、この著者は、「文章というのは必ず欠陥がある。それを埋める作業だ」と述べる。
一つの文章塊から得られる情報には限りがあり、常に不足をはらんでいる。
それを作者は埋めていかなければいけないのだ。
だから、どこが不足しているかは文章を丹念に読めば見えてくるし、その意味で良い著者は良い読者でなければいけない。
では、何かを書こうとしたときに、自分だけの文章というのはどうやって生み出せばよいのだろう。
結論から書くことが、その答えの一つになると思う。
結論に向かって書くことは予定調和的だが、
結論から書くと、作者は次に何を書こうかと苦心する。そこから予想外の展開が生まれる。
それが個性にあたるともいえよう。
最後に、これまで言葉の使い方、文章の書き方について述べてきた著者が、言葉の持つ危険性について触れている。
言葉を上手く使えるようになって、これまでより多くのことを明確にできるようになったかもしれない。
けれど、世の中には言語化すべきではないもの、曖昧さを曖昧なまま受け入れなければならないこともある。
だから、安易な言語化は却って世界を縮めてしまう。
世界は言葉で表されるものの外にもより大きな広がりを持っている。
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「書くことの仕組み。」「なぜ800字なのか。」からなる前半と 『書けるようになるためにはキチンと読むこと」の後半に分けることが出来る。私は特に前半部を興味をもって読んだ。そうなんです、文章は「書くと書ける」ものなのです。
興味をもったあなた!すぐに読むべし!!