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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
親兄弟で名前が似ていて、しかも途中で改名などするものだからややこしいです。それでも家系図を見ながら一気読み。最後は、もっと苛烈な復讐をするのかと思っていた自分は戦の話を読みすぎな気もしてきました。あっという間に最終巻、5巻目へ。
紙の本
炎立つ4
2020/09/16 17:22
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤原経清の妻であり安倍一族の血を引く結有は前九年の役で朝廷軍として戦った清原武貞の妻になっていた。結有が敵方の武将に嫁いだのは安倍一族の再興と息子の清衡を守るためであった。
一方、清原一族の棟梁の真衡は陸奥を完全に手中に治めることと、朝廷からより高い位階を貰うことに注力していた。そのため、清衡と家衡を亡き者にしようと企んでいた。
真衡と清衡そして家衡の兄弟の争いに清原一族や源義家も巻き込んで後三年の役が始まる。お互いに権謀術策を張り巡らせ、戦が始まる、その結果は・・・。
前九年の役・後三年の役は朝廷(源氏)と俘囚との争いであるが、根本は俘囚への差別が大きく作用していたのですね。両社に歩み寄りの気持ちがもう少しあれば避けられた戦でしたね、でも楽しく読ませて戴きました。第五巻が楽しみになりました。
紙の本
外伝みたいなもの
2002/01/10 18:02
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投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
廚川の戦いで安部氏が滅び、藤原経清も死んだが、経清の遺児清丸は生き残った。戦いの後、清丸は母とともに出羽の清原氏のもとで育ち、元服した。その後、長い間義弟家衡、血のつながらない義兄真衡の間で肩身の狭い思いをしながら日々を送っていた。しかし、清原氏に家督争いが生じ、その家督争いに源氏が介入してくると、その源氏を味方に付けて義兄義弟を滅ぼし、奥州に半独立国家を樹立した。後三年の役である。奥州藤原氏の初代藤原清衡である。そのあたりを描いた作品。
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今、見事な白髪が落ちた。てなこたともかく、冥き稲妻とは。異母異父兄弟の暗闘をそのまま言い表した見事なタイトルだ。
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東北の地に生きる人々、そして武士の壮絶な歴史ロマン。
時代背景は『火怨』→『炎立つ』→『天を衝く』と続く。
格好良い生き方の男達に惚れますよ!涙しますよ!引き込まれますよ!
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出版社/著者からの内容紹介
仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。
安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。
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小さな火花も、機会を過たずに風を送ればそれは再びの炎と化す。たとえ燃えるべきその時を待つ間に、多くを失っても。失って、そしてまた、得る。
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安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後三年の役」の嵐を呼び起す。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/2/15〜2/22
前九年の役で安倍一族が滅んだ後、清原氏が陸奥を治めることになった。経清の妻結有は敵であった武貞の後妻として清丸とともに生きながらえていた。清丸にとっては異父弟となる家衡も産まれる。清衡となった清丸は、父経清、伯父貞任らの夢を実現すべく忍従の日々を送る。清原氏の跡目相続に端を発する私闘が始まらんとするとき、因縁深き源義家が陸奥守として着任する。後三年の役の火蓋が切って落とされる。果たして清衡は夢を実現できるのか?
歴史の教科書に載っていた後三年の役がこういう裏があったとは(もちろん細かいところはフィクションであろうが)まったく知らなかった。結有、貴梨、澪丸の自害シーンは涙がこぼれそうになった。なんで10年以上も積んでおいたのかなぁ。
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今までの3巻の歴史があるので、出てくる人物にいちいち感情移入して泣きまくり、さらには読む手が止まらなかった。
しかし…清衡の決断と運命は哀しい。
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全五巻通読後のレビューです。
ご存知、高橋克彦氏の陸奥三部作の一つです。
前九年の役から奥州藤原氏の滅亡までを描く。
アテルイ(こちらは『火怨』の主人公)たちが叛乱を起こしてからずっと中央政府の方針に納得がいかない陸奥の民はついに再び叛乱を企てる。その中心は安倍頼時(のち頼良)。ついに中央政府から陸奥守として源氏(源頼義)が派遣され、全面戦争に発展。安倍氏は陸奥の民の代表として、物部(吉次は物部の子孫とされる)の支援を受け、陸奥の大地で源氏を迎え撃つ。
そんな中、源氏側の一人としてやってきた藤原経清(奥州藤原氏の祖とされる)は、頼時の娘を妻にしていたし、義弟の平永衡(同じく頼時の娘を娶る)が謀反の嫌疑で殺され、明日はわが身、と危惧し(安倍氏側への共感や頼義への不信感もあった)安倍氏側に寝返る。そこから経清の獅子奮迅の働きもあって、戦いは一進一退の攻防を繰り広げるが、隣国清原氏を味方につけた源氏の征討軍が逆襲を開始。ついに安倍氏は滅亡、経清も鋸びきの刑で壮絶な死を遂げた。
その滅亡した安倍氏に代わって陸奥を収めたのは清原氏。そこに経清の遺児でのちの初代奥州藤原氏となる清衡が養子となって(この詳細は本でぜひ)、ひそかに父と安倍氏の志の実現を図ろうと企てながら暮らしていた。
そのあと紆余曲折あって(ここは本書でぜひ!)、ついに清衡は父・経清と安倍氏の無念を晴らし、奥州に楽土を作り上げたのであった。
そして、約100年勢力を保ち続け、秀衡の時代になると、完全に中央から離れたような楽土となっていた。
そこに、新たな敵が現れる。源頼朝である。秀衡は断固とした態度で頼朝の弟・義経をかくまい続け(しかし、それは隠し「陸奥にはいない」としていた)、その間は頼朝も攻める口実を作れず、にらみ合いが続いた。しかし、その秀衡が亡くなると、その息子・泰衡は頼朝の強硬な態度に屈してしまう。義経と奥州藤原氏はほぼ時を同じくして滅び、頼朝に覇権を譲ることとなった。
以上が小説のあらましですが、安倍氏の陸奥の地への、陸奥の民への思いの強さとその戦いぶりに胸を打たれます。また藤原氏の楽土への思い、それを打ち砕く頼朝のある種の執念のようなものの激突が見ものです。
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朝廷の支配が及ばぬ、平安末期の東北地方。ここに一大勢力を築いた、奥州藤原氏。東北出身のミステリー作家である著者が描いた一大ロマン。
その父祖、亘理権野大夫藤原経清は蝦夷(えみし)の豪族、安倍氏の娘を娶り、源義家の奥州征伐で安倍方に寝返る。時は流れ、その子孫である藤原四代は東北に覇を唱え、豊富な鉱物資源をバックに隆盛を極める。しかし、栄華は長くは続かなかった。
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第四巻は、奥州藤原4代の始祖、藤原清衡の生涯を描く。『前九年の役』にて安倍氏敗北後、敵方の清原氏に母と預けられるが、最後は源義家と共に清原氏を破り、奥州の統一に至る。『後三年の役』が舞台になるが、数々の人間ドラマ(母子、異母兄弟等)を絶妙に描いている。
清衡は父経清に通ずる武士としての一本気な心に加え、現実を直視する政治力を備える。清衡の戦いの舞台での戦略眼は読んでいても爽快。
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ここまで来て、本当の主役はこの東北という地なのかなあ、と。ここまで来たらあとは一気に読みたい感じで困る。
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亡き経清の妻・結有は清原氏の妻となり、その子・清衡と共に、安倍氏の再興への想いをひたかくしながら、苦渋の日々を送る。さまざまな謀略の渦に巻き込まれながら、多くの命を失いながら、経清は生き延び、奥州の統一を図る。