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知らないことを焦燥を感じ、知っていることに恐怖する。記憶の負の部分が露出する第3巻。
負の感情。不都合な記憶をすべて取り出し、感情をなかったことにしてもその取り出した事実がまた感情を呼び起こす。しかし、その連鎖を引き起こしてしまう理由も家族を守りたい愛というのも皮肉めいていて良かった。どんな人間も記憶から発生した感情には逃げられない。黒いMSCを配るハルも記憶を取り出したとしても抱いてしまった事実に苛まれる人間に安息を与えるつもりで散布しているのか。父親へのあてつけかもしれませんが、人間に終わりを与える黒いMSCは最終的なMSCの使い途になる示唆なのかな。負の感情に起因する記憶を取り出したとしてもいつかはその記憶の事実が回り戻ってくる、うーむ面白くなってまいりました。
MSCのドロドロとした面が露出してきた今巻ですが、次巻でもうそろそろハルも表舞台に出てくるのかな。いろいろと決着つけるところがあると思うからいい終わりに向かうよう頑張って欲しいです。