紙の本
一技術者たち星を創る
2015/02/01 16:29
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投稿者:はるはろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
土木SF。プロジェクトXほど劇的ではないが、現場の危機を一技術者たちが乗り越えていく短編連作。未来になっても人々の営みは変わらないし、こういう技術者たちの努力で社会が成り立っていくんだ…途中まではそんな雰囲気が、最後は怒涛の展開!! 尺が日々の生活から人類の存亡にまで広がってこの結末に唸るしかありませんでした。
紙の本
2014年星雲賞受賞作
2016/04/08 10:25
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類が月や火星に進出するようになった未来が舞台だ。太陽系の建設現場で挑戦を続ける技術者たちの思いは、現代にもつながるのかもしれない。
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実に四半世紀を経て完結した宇宙土木SF連作集。
『NOVA』に掲載された「メデューサ複合体」でシリーズの存在を知って以来、ずっと初期作品を読みたいと熱望していたので、一挙に読めて感無量。
宇宙という生きることさえ過酷な環境の中で、様々なトラブルを技術と知識で解決していく技術者たちの矜持に胸が熱くなる。
客観的な視点で読むと、未来の人間なのに「不退転の決意で臨めば」とかいう、現在でも古典のようなセリフ回しが出てくるのには、なんだか笑ってしまうんじゃないかと思うのだが、谷甲州ファンとして「これなんだよ、これ」という感じである(笑)。
これまでのエピソードに登場したキャラクタたちが集合して、ストーリーが一気に太陽系を超えて拡大する書下しラストエピソードも素晴しい。
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太陽系内での土木工事技術者の短篇集。
これは面白かった。設計とかエンジニアでSF好きは必見だろうな。
最後の短編は、そうきたかぁと思わせる設定でした。
やっぱこういうSF好きだわ
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なんと表現したらいいのでしょうか。
宇宙SF土木小説?
水星、金星、火星、木星、土星、で展開する宇宙開発工事に関わる人々。
徐々に明らかになっていく地球外生命体の痕跡。
「未知との遭遇」では無くて、「ETが創り上げた遺跡との遭遇」との視点が新しくて珍しい。
最終章で6600万年前に地球外生命体が残していった工事(装置?)が明らかになり太陽系の存続に係る重大な意図が明らかになる。
何かのきっかけで装置が作動を開始してしまうが、太陽が赤色矮星になるには50万年かかる事も判明、とたんに人類の動きは緩慢になり、問題を先送りしようとする動きが出てくる。
この辺は妙にリアリテイが有るが、最終章で全てが動き出すので途中がダルイ。短編を20年にも渡って雑誌に掲載していたらしいが、リアルタイムで読むのはツライんじゃないかな。
壮大な設定とアイデアは面白い。途中にもう少しエンタメ感が欲しかったな。盛り上がりに欠ける。最終章は素晴らしい。
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未開の地に進む意志があふれるものだと思ったら、もっとドライな登場人物たち。確かに宇宙が仕事の場になったら、こんな感じになるのかな。
最後の展開は、とって付けたようで、がっかり。
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近未来、太陽系の至るところで、現場に命を懸けて工事を遂行する土木技術者が現れるのかなぁ。予期せぬトラブルにあらゆる可能性を探りつつ、正確な判断を下さねばならない。責任は己の肩に全て掛かっている。でも、決して現場から離れることはない。ストーリーの真髄とはずれてるかもしれないけど、少なからず共感する連作ではありました。
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宇宙土木工学SF.連作。 冒頭の作品は奇想天外で読んだ気がする。著者の出自が土木技術者とは知らなかった。25年ぶりに完結ということで、土木技術に加えて、最近流行の組織の中の個人像が描かれる。最後に時空を跨いだ大風呂敷の話が展開するが、映画インデペンデンスデイと同じオチはいただけない。
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土木に着目したSF、というのはワシの少ないSF読書歴の中には覚えがありませんが、本書はそこに着目し、ある種の「宇宙開拓史」を描いています。
舞台は太陽系の各惑星で、それぞれの特徴に基づいた開発が短編形式で綴られます。それらは連作であり、最終章に収斂して、ひとつの大きなオデッセイが描かれます。
それらひとつひとつの惑星、例えば金星の灼熱マグマの地表や、木星の多重衛星や冷たいガス雲の下、それぞれがどれも、宇宙が好きでちょっと惑星をかじって調べたり教科書を熟読してた人なら「ありそう!」と思えるものばかりで、なんとなくニンマリとしてしまいます。
本作を読むと、結局、宇宙を、未来を開拓していくのはヒトなんだな、というのを実感します。さらにいうなら「建設」の力なんだな、とも。実は今の社会も、それら「箱」があって文明として成立している、そんな忘れてしまいそうになることを思い出させてくれます。
最後は意外な方向に落ち着きましたが、まぁこれもSFならではなのかもしれません。
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土木SFが超進化
土木シリーズ短編をまとめたものだが、書き下ろしの表題作が圧巻。かなり無理があるものの、バクスター風のスペース・ファンタジーで締めくくっている。
土木シリーズのエンディングにはそぐわないし、土木シリーズの登場人物総動員の割にはそれぞれの役割が希薄だったりするんだけど、うまくまとめたなぁって感じ。20年の集大成だから敬意を表しよう。
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宇宙開発も本格化すると、生活基盤や拠点の建設といった要素は避けて通れない。
そんな、インフラ構築という観点からの宇宙小説群。
第一話「コペルニクス隧道」で出てくる粉体と流体の性質をもつ物質「レゴリス」が出てきます。思わずクラークの名作「渇きの海」を思い起こさせます。厳しい自然を相手にするシリーズの最終話で、あのひねり。う~ん、個人的には微妙な感じでした。
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宇宙の建設現場を舞台に描かれる短編集。1作目が書かれたのが30年前。当時は宇宙そのものの描写が新鮮に読まれたんだろうと思うが今読むとちょっと地味かも。ありそうな近未来として淡々と読んでしまった。その連作としての最終話で提示される真相はやや飛躍してると感じました。面白い視点ですけどね。
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#日本SF読者クラブ 「土木宇宙シリーズ」とある。自分もそっち系の仕事なので、興味深く読めた。最後は、「エッ」となった。帯には、「衝撃の結末に瞠目せよ」とある。