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歴史にイフは禁物だが、もしナチスがなくスターリンもなければ世界の知的財産はもっと充実していただろう。迫害を逃れた知識人は法学、政治、経済など多岐に渡る。キッシンジャーも有名なアシュケナジムだ。
ユダヤ人の教養主義の伝統をもっと重視しても良いだろう。
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[ 内容 ]
苦難の歴史を生き抜いてきたユダヤ民族には、スペインを中心に広がったセファルディと中東欧に暮らしたアシュケナージの二系統がある。
本書は、蔑視や差別をかいくぐりながら、知識人・商人・弁護士・官僚などとして西洋社会の中枢で活躍したアシュケナージの群像を描き出すものである。
ポグロムやホロコーストを逃れて米国に移住し、現代史に巨大な足跡を残したユダヤ人たちの出自や業績、交友関係を丹念に追う。
[ 目次 ]
現代のユダヤ人問題の綾
アシュケナージとセファルディ
教養主義の伝統
中東欧の革命と抵抗運動
ハプスブルク帝国崩壊
ワイマール共和国からナチズムへ
革命とホロコーストから逃れて
ロシアからの脱出
ニュー・ディール政策を支えたユダヤ知識人
アメリカの国際化
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ユダヤ人、とりわけ東方ユダヤ人に焦点を当て、
彼らの成り立ち、歴史的な背景と経緯を経つつ、
アメリカに至ったユダヤエリートを列挙する書。
前半のユダヤ人全体としての歴史は大変分かりやすい。
反面、個々人の解説はいかんせん人物が多すぎて頭に入らなかったが
ユダヤ人が想像以上にエリート層として歴史に絡んでいることを知れ、
勉強になった。
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この視点から見れば経済と学問の発展はユダヤ人がいるところを移動しているとも見える。彼らの体験からも平和学や多元性といった政治理論がユダヤ人起源で彼らの理論なしには語れないところなのかもしれない....という気もしてきた。今は問題が改善されたこともあり、よくも悪くも、ユダヤ系も飛び抜けた学問的成果を出すということも少なくなってきているのだろうか。問題あるところに、別の成果あり.....方針はみえない。問題が何かしらの強烈なモチベーションを生むんだよな....それがあることがいいとは決して言い切れないけれど。
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レ・コンキスタによって改宗か国外追放かを迫られたセファルディについては、ノンフィクションの「トレド風雲録」に詳しいが、個人的にこの読書歴がなかったらイベリア半島における、当時のキリスト教・イスラム教・ユダヤ教の状況を理解できなかった。つまり、この本では背景の説明が希薄。最終的にユダヤ人人名録のような内容となってしまい、期待はずれ。