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紙の本
大好きなシリーズです
2016/03/01 08:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:秋桜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
陰陽師シリーズは大好きなシリーズの一つです。2人のやり取りが微笑ましい。
これからも読みたいシリーズです。
紙の本
平安時代と現代の違いに思いを致す
2014/03/30 22:24
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズもずいぶん長寿である。いつも清明と博雅の短編集であるにもかかわらずである。平安時代を舞台とした大人のお伽話といってよい物語である。本書を読んでいると、NHKのドラマが目に浮かんでくる。したがって、博雅は杉本哲太、晴明は稲垣吾郎である。
本書の醍醐ノ巻が他の巻に比べて特徴があるわけでもなく、実際に続編である。その軽く読めるタッチと平安時代という時代劇にしては風変わりな時代背景が読者を物語に没頭させるのである。
現代風にアレンジすることも可能であろうが、その時代の特徴をじっくりと織り込むことも可能なはずである。博雅と清明がどこかに「ゆこう」、「ゆこう」となった場合に、それが夜間であった場合に、平安時代ではそう簡単ではなかったはずである。夢枕獏が自らよく言うように、この時代の夜は真の闇であったはずである。
外に出ても明かり一つない闇夜である。どこから何が出てくるか分からない不気味で危険であるはずだ。また、歩いて行くといってもきわめて時間がかかるし、貴族である2人としては歩いていくわけにもいかない。そこで車になるが、これも動力があるわけでもなく、牛に頼らざるを得ない。
お伽話らしいところとしては、鬼が出て人を喰らうところ、清明の蜜虫、蜜夜などに代表される式神、そして歴史上の有名人が登場する点、蛇などが大型化して人と絡む点などであろうか。本書でも阿倍仲麻呂、レギュラーの藤原兼家、楊貴妃、玄宗皇帝など誠に華やかである。
ここまで続くと本シリーズの特徴であるこれらの決まり事を崩すわけにも行かなくなるので、毎回登場することになる。また、読者もそれを待っているのであろう。是非とも続けて欲しいものである。今回冒頭で登場する「笛吹童子」で、広隆寺が舞台としてお目見えするのだが、こういう実在の寺が出てくると、そこへ行った際にこの話が思い出されて、虚構とは言え興趣を添えることができそうである。
電子書籍
なぜこの巻が「醍醐ノ巻」?
2018/12/06 07:07
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『陰陽師 第12巻 醍醐ノ巻』もいつも通りの短編集です。収録作品は、「笛吹き童子」、「はるかなるもろこしまでも」、「百足小僧」、「きがかり道人」、「夜光杯の女」、「いたがり坊主」、「犬聖」、「白蛇伝」、「不言(いわずの)中納言」の9編。相変わらず盛りだくさんです。
「笛吹き童子」では、博雅のライバル登場?!童子のあまりの笛のうまさに「とてもかなわない」と悩む博雅が意外な感じです。さてこの童子の正体は誰でしょう?なかなかほほえましいエピソードです。
「はるかなるもろこしまでも」は都のあちらこちらに楽しげに現れては、伽羅の匂いを残して消える不思議な女の話。これもいいお話で、私は好きです。
「百足小僧」は藤原実貞(さねさだ)がおかしな行動を取り出し、終いには家人を攻撃するようになるエピソード。
「きがかり道人」は月駆け道人という天帝に月と共に地を巡る月守の役を仰せつかっている老人が蝉丸の琵琶に魅了されて寄り道をしてしまい、月がそこに引っ掛かってしまうというファンシーなエピソード。
「夜光杯の女」は唐から渡って来た曰く付きの夜光杯にとりついていた女・楊貴妃が出てくる話。
「いたがり坊主」は、帝の御悩を平癒させた高山の正祐(しょうゆう)法師の正体が暴かれる話。
「犬聖」は、達智門で犬に守られ養われていた赤ん坊を心覚こと賀茂保胤(やすたね)=賀茂保憲の兄が引き取って、ちょっとひと騒動になるというお話。
「白蛇伝」は長楽寺の僧・実恵(じつえ)がある日を境に夜ごと白蛇に通われるようになったというお話。ただし、清明は白蛇の正体を突き止めただけで退治はしていません。そういうオチもあるのかとちょっと意外に思いました。
「不言中納言」は、里を荒らす黒い大猪獅子を藤原忠常が弓で射たら、その獣は出なくなったものの、忠常の屋敷で立て続けに家人が頭部を喰われてしまって晴明に助けが求められるお話。冠茸を取りに山に入って何日間か行方不明になっていた中納言が実はこの射られた大猪獅子を助けてしまい、そのことを誰にも言わないとその獣の妻に約束したことを晴明に告白して、忠常と自分を助けてくれるように依頼します。まさに平安怪異譚というエピソードですね。
それにしても、なぜこの巻が「醍醐ノ巻」なのかよく分かりません。10巻の「夜光杯ノ巻」のタイトルはむしろこの巻の方が相応しいように思うのですが…