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印象として文章の一文一文が長いなあと、従って読みにくさって言うのは否めないわけで。
ただ、書いてあることは最近の経済を把握する上で充分な内容であり、これくらいのことを把握しないで金のことを語るのは如何かとも思えるくらい。おれ自身知らない言葉も出てきて、もっと勉強しないといけないなあと思った。
何より今は、経済というより通貨そのものに興味を持っている。株やその他の派生商品と違って通貨だけは絶対にどれかはもたなければいけないし、その価値についても興味深いところが多い。
株や国債よりも先に、通貨や為替の知識がないことに何の疑問ももたなかったのがちょっと危ないと思える今日この頃。何気に身近にあるからこそその理解というのは疎かになっていたのかもしれない。
それは特に俺の中でそうで、近い友達やなんかの方が今何をしているとかどうしているとかが気にならなかったりする。まあ遠くのはもっと興味がないけれど、それは今はおいておく。
何にしても今の日本のこれだけ高い円をもって政府が無策なのはもはや政府の所為だけではない。国民も外国の通貨や株式に知識がなく、根本的に外国に対しての見識が欠けているように思える。
世界に出た多くの日本人をもって日本がいい国だからという情報だけで日本に住み続けていては柱をかじるシロアリと変わらない。
通貨というクラスだけではなくそれ以外の点でも、もう国内だけの感覚では自国を維持出来ない状態になっていることを自覚しなければいけない。
その意味で一番動きの早い通貨を扱った本書で何を感じるのか、読むだけ読んでみていいかも
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『通貨で読み解く世界経済―ドル、ユーロ、人民元、そして円』(小林正宏、中林伸一、2010年、中公新書)
本書は、円、ドル、ユーロ、人民元といった主要国の通貨について、国際経済の潮流を踏まえながら解説したものである。それぞれの通貨はつながっているから(たとえば円高になればすなわちドル安)、相互の関連がわかっておもしろい。加えて、2010年現在の世界経済の時事ネタも豊富で本当に勉強になる。ただ、国際経済、国際金融の専門用語(たとえば、クレジット・デフォルト・スワップとか、インフレ・ターゲットというようにカタカナのものが多い)がたくさん出てきて、しかも解説があまりないという構成になっている。そのため、初学者は他の国際経済の入門書を読んでから本書を読むか、あるいはそのつどでてきた専門用語を調べながら本書を読み進めるという方法をとるのがよい。後者がおすすめである。
(2010年9月19日 大学院生)
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財務総合政策研究所のランチミーティングで著者が発表するとのことだったので読んでみた。
タイムリーな話題で興味深いが、若干理解しきれず。。。
再読するつもり。
終わりにのところに出てくる国際局長や審議官の名前を知っているのがなんか面白い。
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ドルの将来、ユーロの展望、人民元の国際化、そして円の課題などを金融システムと経済の動きから丁寧に検証している。
ブレトン・ウッズ体制からリーマンショック、ギリシャ危機に至るまでのここ数十年の金融ネタには触れているので、歴史の復習には良かったかな。
金融の知識が圧倒的に不足しているので、少しずつ勉強せねば。。
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私は金融の知識はなく、初級レベルのマクロ経済学の知識しか持っていないが、一気に読み切ることができた。
マクロ経済学に興味のある学生には面白いと思う。
キーワードは2つ。
「国際金融のトリレンマ」
(資金の自由な移動、国内金融政策の自由度確保、為替の安定の3つを両立させることはできない)
「トリフィンのジレンマ」
(基軸通貨の流通量が拡大すると基軸通貨国の国際収支赤字が拡大し、基軸通貨の信認を保つことができない)
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グローバル経済のさまざまな動きを通貨、金融政策、実体経済の各側面から分析している。新書ではあるが、物事を分かりやすく伝えるというよりも、非常に細かく分析している、専門書的な本。
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非常に秀逸。近代の経済の流れや各研究が非常に高い精度でまとめられており、辞書的な利用も可能。特に最終章の国際通貨体制に関する記述は、他ではなかなか目にすることができない。
但し高品質かつ高密度のため読み込むには相応の体力が必要か。
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通貨を軸にして主要国のパワーバランスを解説。特に元のスタンスがよくわからなかったので、この本のおかげで多少スッキリした。しかし、全ての主要通貨国でのカントリーリスクがこれまでになく高まっている。これからいったいどこへ向かうのか。突然、大きな動きがありそうな予感もする。
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難しすぎてさっぱり分からなかった。経済や金融は、基礎が分かっていないから、頭で理解しようとしてもなかなか難しい。私としては、円とドルとユーロのうち、どれが「最初に」破綻するかを知りたいだけなんだけどね。円もドルもユーロもいずれ「破綻」(←定義不明確)するのは既定路線だと思うので、問題は時期と順番ということになる。まあ、専門家も含めて誰も分からないんだろうけど。本当にどうにもならなくなったら、アメリカとEUが組んで「世界統一通貨」なるものを強制導入してガラガラポン、とかやるのかね。って、そこまで考え始めたらもはやSFの領域か。
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ふむふむ。分かりやすかった。
特にアメリカが基軸通貨ゆえに、貯蓄せずに
消費に向かうのは金融の側面では理解できるね。
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中国含めて通貨問題、なかなか難しい状況というのはよくわかりました。そしてまさかのSDR。ちょうどこないだもテレ東でSDRの話してましたね。
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昨今、ちまたで通貨といえばFX。
ではこの本を読めば儲かるのか、というとまったく関係ないでしょう。
なら価値がないかというと、世界を経済という一断面から読み解きたいと思う人になら千金の価値かり、かもしれません。
たとえそれが金融市場を通してでも、世界を理解したい、というのは知性の本源と言っていいと思います。
ドル、ユーロ、人民元、そして円、という副題どおり、章別にそれぞれの通貨が取り上げられるのですが、市場を揺るがせた歴史上の事件の冷静な分析と、現況への考察は非常に高いレベルの内容だと感じました。
ドルは双子の赤字が問題だあ、と言われますが、経常収支が赤字だからこそ、ドルは基軸通貨として力を持ったのだ、なんて指摘は目からうろこ。
さりげなく本質を説明してみせるお二人の著者には脱帽。
新書ですが、情報量が多く、読み応えは充分。
派手に煽るような文言はないので、金融市場が根っから好きでないと苦しいかもしれませんが、本質はこういう処にあるんだよな、と感じました。
ともかく勉強になったと感じました。
良本として再読、再々読本の候補ですね。
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世界経済やドル、ユーロ、円、元の概観や見通しがある程度わかるが、最後の章で財政再建の記述に誤りはあるし、通貨がその国の国力を反映するとか素人みたいな考えが書いてあったから一気にこの本の評価は下がった。
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ブレトン=ウッズ体制の終焉から2008年のアメリカ発の金融危機、そしてユーロ危機に至る通貨の歴史を、世界の主要通貨である米ドル、ユーロ、人民元、円を中心に記述した本。これを読めば、いま世界経済で起きている様々な出来事が歴史と有機的に結びつけて理解することができ、視野が拡がる。非常に中身が充実しており、一読しただけで全て知識として定着させることはできなかったので、折に触れて本書を再読したい。
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主だった地域(通貨)毎に経済の流れと通貨の関係がわかりやすく書かれている。ここ数十年の経済動向と通貨政策について頭を整理するのに非常に良い。歴史を振り返ると、ツールであるはずの通貨に世の中が振り回されていることが良くわかる。