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アジア新聞屋台村 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー51件

みんなの評価4.1

評価内訳

51 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

日本在住アジア人たちの、きわめて個性にみちた、しなやかで、したたかな生き方

2009/07/18 23:22

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アジア・新聞・屋台・村、ってなんのこと?
 本書を手にとった人が一瞬でもそんなこと感じたら、これはもうタイトルの勝利といえよう。

 アジア人という、きわめて個性の強い人たちが、この日本という国で、しかもなんと日本語を共通語として(!)、それぞれのマイペースで働きながら、しかしそれぞれの国出身者向けの新聞発行にたずさわり、デッドラインだけは必ずまもって仕事を仕上げるさまが、いきいきとした筆致で、しかも愛情込めて描かれる。

 東南アジアではショピングモールですらそうなのだが、すべてが個人商店の寄せ集めだ。
 たとえば、どこにでもあるフードコート、これももともとは飲食の屋台村だったものを、建物に中に入れたものだ。
 物販店でも事情は変わらない。タイ・バンコクの MBK (マー・ブンクロン)などは、その最たるものである。いわば屋台村を寄せ集めて、ひとつのビルのなかに押し込めた、ごった煮のような風情できわめて活気にみちみちている。
 個々の商店がそれぞれ客をめぐって激しくしのぎを削っている。

 本書は多くの人たちが評しているように「青春物語」である。仕事でもまれながらの、人間としての成長。
 しかし、文庫版の解説者である元バックパッカーの角田光代もいうように、そういう読み方だけではもったいない。

 私もタイを中心に東南アジアで仕事していたが、東南アジア共通の特性もあるし、もちろんタイ人だけとってみても個人差も実に大きなものがある。
 この本を読んで、登場人物である台湾人、韓国人、タイ人、インドネシア人、ミャンマー人の代表選手とみなして、それぞれの国民性をわかったつもりになるのは危険なのだ。
 結局は個人個人であり、なによりも個人と家族、そして友達を大事にするのが一般のアジア人だ。一社専属のサラリーマン人生ほど、彼らの生き方から程遠いものはない。しかも仕事を掛け持ちしていれば、そう簡単に食いはぐれることはない。
 日本人が再びアジア人としてやっていくためには、彼らのきわめて個性にみちた、しかもしなやかで、かつしたたかな生き方に学ぶことはすごく大きい。

 いまや日本も先行き不透明な状況であり、若い人たちが就職ができないのも、中高年が再就職できないのも、時代状況のせいにするだけでは決して道は開けない。
 こんな世の中で生きていくには、こういうアジア流の生き方もある、ということだけでも頭の片隅においておいたほうがいいのではないか。

 アジア好きの若い世代の人たちはもちろん、若い世代の子供をもつ親世代にもにもぜひ一読をすすめたい。

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紙の本

タカノ青年が、アジアの多国籍屋台村とも呼べる日本の新聞社で遭遇する、混沌のアジアンパワーと、奮闘の青春記。

2010/07/22 19:04

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

物語は、フリーライターのタカノ青年にかかってきた一本の電話から始まる。
エイジアンという東京にある謎の新聞社から、タイについての記事を依頼されたタカノ青年は、オフィスを訪れた。
そこでは、台湾、タイ、ミャンマー、インドネシア、マレーシアの在日外国人と日本人に向けた、半分外国語、半分日本語でそれぞれ違う記事を掲載するという不思議な新聞を発行していた。
実はこの会社、各発行新聞に合わせた外国人ばかりで日本人は一人もいない。日本語ページは間違いだらけで校正もしない。それを指摘したタカノ青年は、日本人がいたら便利だということで、アジアの新聞が集まる屋台のような新聞社エイジアンの編集顧問に就任することとなった。


この作品は、エイジアン新聞社でのハチャメチャな新聞作りを物語の軸にしながら、新聞作りを通して台湾、タイ、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、韓国の人々とおりなす、タカノ青年の混沌と奮闘の青春記である。これまでの高野作品と同じくユーモアに満ちたエンターテインメント作品。

この作品が魅力的なのは、国籍の違いを単なる個性として感じさせる無国籍感。
日本、台湾、タイ、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、韓国というパーソナリティーを持った人間同士のコミュニティーを楽しめる。そんな中にも小さな民族対立など生々しい民族模様が展開されるのも面白い。
この作品の見所は、そういう日本語を共通語にして、さまざまな在日外国人向けの新聞を作る在日外国人達の人間模様であり、混沌としたハチャメチャ感である。

そのエイジアン新聞社での、ハチャメチャでユニークな新聞作りを行う登場人物たちは個性的で多彩。
面白いことを求め安定すると新しいことを始める好奇心いっぱいの子犬的社長の台湾人劉さん、美人系容姿を持つクールな姉御的雰囲気の韓国人朴さん、大学院生でかわいい系タイ人のレックちゃん、エリート一家に育った武蔵丸的容貌で豪快なインドネシア人医師バンバンさん、各国用の名前を使い分け人の噂話は絶対しないエイジアンの良心と言われるミャンマー人マ・ラ・ウィンさん、シャイで大人しいイギリス人ロックバンドのメンバーセバスチャン、敬虔なムスリムにして大手国際電話会社のプリペイドカード売り上げ日本一を誇るインドネシア人アブさん、など他にも多くの個性的な人物が登場する。

この本を読み終えると、日本はなんて潔癖なんだろうと感じる。
多国籍だから暗黙のルールもない。混沌?何か変わったものがゴロゴロそこらじゅうに転がっていそうで面白いじゃないか、という気分にさせられる。
そう思わせるのは、高野氏の筆致が巧みであり、彼の目を通して個性豊かな登場人物達を見ているからだろう。
「異国トーキョー漂流記」と並んで、日本にいる外国人の見る目が変わる作品である。


ところで本書を読んだ人は、少なからず、この作品がノンフィクションであるような錯覚に陥ると思う。

というのも、物語の文章はノンフィクションそのもので、いくら小説として読もうとしてもノンフィクションとして読んでしまうことに加え、主人公タカノ青年のプロフィールは、大学探検部時代にコンゴで怪獣を探し(幻獣ムベンベを追え)、ミャンマーのゴールデントライアングルでせっせとアヘンを生産し(アヘン王国潜入記)、中国南部からミャンマーを通りインドに入国(西南シルクロードは密林に消える)など、著者のプロフィールそのものであり、このエイジアン新聞社にしても、以前高野氏が実際に勤めていた新聞社を材にしている。

だから冒頭の編集部の補足で、<自伝的>物語としてお読み下さい、としているとおり、自伝を脚色した物語と見るのが妥当だろう。

本書「アジア新聞屋台村」は、「異国トーキョー漂流記」、「ワセダ三畳青春記」と併せて「東京青春三部作」と位置づけられている。

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2009/03/19 11:37

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2009/04/21 19:28

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2009/12/15 11:11

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2010/09/06 17:21

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2010/12/09 21:01

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2011/08/04 22:05

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2011/08/29 21:34

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2011/12/13 09:29

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2009/06/30 16:59

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