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城シリーズ、さらなる高みへ
2020/08/30 11:19
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
問題作『『アリス・ミラー城』殺人事件』に続く、城シリーズ第四弾。
本作もまた、論争を呼びかねない大胆なトリック、絶句するほどの物理トリックを兼ね備え、うるさ型のミステリ好きに挑戦します。
とはいえ前作同様、伏線はフェアに張られ、トリックを見破ることは決して不可能ではありません。
トリックの原理が際立つだけでなく、その描写もきわめて巧妙、場面ごとにさまざまな工夫がされています。これも前作同様、その工夫の確認をしながらの再読が実に楽しいミステリです。「石球城」が待ち遠しいのですが、何時まで待てばいいのやら・・・・・・
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2009/3/19 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
2013/11/4〜11/7
「城」シリーズ第四弾。今回は「ギロチン」に魅入られた富豪の建てた「ギロチン城」で起こる連続密室殺人。おどろおどろしい舞台は新本格が勃興した頃の作品を思いおこさせる。面白く読めたが、トリックは「そんなんアリか?」という感じ。でも、こういう舞台設定は大好きである。
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コメントを失いたくなるような小説がメインな作家さんなのですが(主に犯人の動機とか、トリックとか)、今回は比較的まとも。
『比較的』ですが。
キャラクターがどうも好きになれないのが多くて……うーん。
小道具は好きです。
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「双子やクローンでさえ差の生じるパーツが、人間には多くある。――だが、生体認証技術を突き詰めていくと、逆説的に、人間は人形化していくのだ」
「――特定されるのは、パーツでしかない。機械を通し、各パーツに一度解体され、再び組み立て直される。その組み立て直された私というのは、本当に私であって、私に良く似た人形的存在ではないと、はたして云えるだろうか」
「名前」は個の証明なのか、ただの記号なのか。私とは何か。
館物が続いているわけだが、昔のは館=(動機を達成するための)パズルなのに対して、北山氏のは館そのものが事件の動機であり、ひとつの閉じた世界なんだよなあ。キレイ。
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20101101
タイトルに新本格派っぽい匂いを嗅ぎつけて手に取ってみた本作。シリーズものかなと思ったけど、これで読み切りのようです。
ナコというお人形さんめいた探偵(一人称「僕」のクールな少年らしい)が出てくるのだけど、その風貌が「女性的」であるあたりとか、ワトソン的立ち位置の主人公(男子大学生なのに一人称が「私」で少し違和感)がナコと共に潜入した「ギロチン城」にはちょっと同性愛っぽいメイドさんたちがいたり(私の妄想かも・笑)住人は当主の男性を除いて全員美少女の姉妹だったりと、なかなか中二病テイストな世界観なのですが、メインとなる物理トリックはかなり大がかりですごかった。ただそれと同時に、そういったトリックは「ギロチン城」という非現実的な舞台がなければ成立しないわけで、社会派一味から新本格が「絵空事」「子供だまし」とバカにされちゃう一因も垣間見えたり……しかし、[ネタバレ注意]
物理トリック以外にも衝撃?の叙述トリックが最後に明かされたり、(正直あれはちょっとずるいと思う笑)、「ギロチン城」の名前の由来の一つかと思われる大仕掛けがほんとにサラッと描写されたりと、後半にかけてとにかく目まぐるしくとんでもない出来事が読者を襲う。
惜しむらくは、別に本作がいわゆる新本格に該当するかと思われることとは何も関係ないのだろうけど、やっぱり人物が描けてないかなあと。ナコも城の住人も何を考えているのかよくわからないし、主人公の頼科や「雪」の思考回路にもちょっとついていけなかった。もっと致命的なところでいうと、真犯人の動機がどうしても理解できん。。まあ、閉鎖的な城の中で過ごしてきた人々の感性がへんてこなのは仕方ないのでしょうけども。
ちなみに私は新本格ミステリの作家に人間が描けないとは全然思ってないし、そもそもミステリにおける「人物が描ける」基準も最低限こちらが感情移入ないしは心情の理解ができて、人間味があればそれでいいと思っているのです。人の心を切々と描きたいなら何もミステリである必要はないでしょうと。あくまでエンターテイメントなのです。
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読んでいて違和感を感じる箇所がいくつかありましたが、最後まで読んで見て納得。「アリス・ミラー城」同様に綺麗に騙されました。
特に後半の畳み込みが凄くて圧倒されました。
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薦められて読んでみました。本格ミステリですね。後半、面白かったです。でも、後半に行くまでに、挫折しそうになりましたww やっぱり、のっけからその世界に引きずり込まれるような作品を読んでみたい今日この頃です。。。
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すごく面白かった!!大好きな本。設定、世界観、登場人物、全てが上手く、好みだった。この幻想的で美しくも、残酷な世界を書ける北山さんはさすが。
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ひえー何が起きたんだ。わけわかんないぞこれ。物理トリックやばい。でも叙述トリックもなかなか。ひえー。
**ネタバレ**
ギロチン城のスケールが大きくて笑いました。上に刃物ぎらりんしてたら気付けよ…。あの図で廊下は丸く回らないよ…。うまくしゃがんでないと全身がぶつ切り(楽しい)になっちゃう。突然「城はシリーズだったんです!」っていろいろなネタ入れてきたのは何故。
なんか逆叙述トリックとかいうすごいのが使われてるらしいのですがギロチンどすんのインパクト強すぎてあまり印象に残ってないです。名前がわかりやすくて大変よかった。適当な名前ながらキャラ判別できたし。
天井のギロチン錆びなかったの?って思ったけど錆びてた方がホラーチックですね。さっくり切れないと余計痛そう。つっこみどころをいろいろ想像するのも楽しい本でした。
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北山猛邦の城シリーズ第4弾『『ギロチン城』殺人事件』を読了。
城シリーズはかなり久しぶり。今回はギロチン城ということで、名前からして既に物騒な雰囲気である。
自称探偵のナコと、頼科の二人で助けを求めてきた女性を救出するためギロチン城へ出向く。ちなみにナコは態度の大きさが目立つが、頼科は普通というところだろうか。二人の掛け合い(と言えるかは微妙だが)も面白い。
トリックが素晴らしい。スクウェアと呼ばれる都市伝説(遭難した登山者四人がそれぞれ山小屋内の四つ角に立ち、ぐるぐる回る話)を驚くべき方法で利用している。
さらに、城の住人として確かに存在するはずの人物がいないのだが、それについても感心させられた。あまり書くとネタバレになるのだが、捉え方の問題とでも言おうか。成程と感心させられた。
ギロチン城の伝説と上手く絡めた点も良い。ところどころよくできている作品で、完成度は決して低くない作品と言えるだろう。
城シリーズは第3弾の『『アリス・ミラー城』殺人事件』を飛ばしてしまったが、いずれ読みたい。
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巧いなぁ!
驚きでは『アリス・ミラー』の方が上かもしれないけど、真相の隠し方の巧みさで言ったら『ギロチン』の方が上だよ!
このネタ自体は先出の傑作ミステリがあるのですが、使用の必然性という部分ではこちらの方が圧倒的に上。
物理トリックはやや説明不足感が否めませんが大胆にして緻密、よくこんなややこしいの考えたなぁと感服。
北山猛邦の巧さを改めて実感しました。
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イントロからあやしい世界に引き込まれてしまい、あれよあれよというまにギロチンで殺されて行ってしまう人々。
まさかの大規模トリックにびっくりしてしまった。
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今作はなんだかすとんと腑に落ちました。前作がもやもやしたから余計になのか。。
処刑道具コレクションがあるから『ギロチン城』なのかと思ったら、巨大なギロチンが仕掛けられてるお城なのですね。塔の間に渡してあってサロンを両断するギロチン…これはなかなか気付かないと思います。元の城主もこれで亡くなってるのに謎の死になってるなら、これギロチンは元の位置に戻す事が出来るのだろうな。
14人のコード名も凄かった…けれど、名前が一、ニ、三、四、五…ってヴィンスモーク家じゃないんだから…って思いました。悠と藍のYou&Iも。死には名前すらない。人々は人形だから名前も記号でしかない…というのならそうなのでしょう。
悠を消して藍になるために、悠を知っている人を消す、という動機は理解できないけれど筋は通っているので腑に落ちます。悠(首から下)と藍(首から上)で、悠として扱われるけど自分は藍みたいに思うの苦しいだろうな。徹底的に人形として扱う、は心を壊すんだなと思いました。
城シリーズ、わりと城の周りに何もないなと思いました。終わりかけてる世界にあったり、世界の果てにあったり、孤島にあったり、認証システムで外界との交流を断ってたり。
日常に異様な館が建ってるのも良いし、異常に異様な城が建ってるのも良いです。妙な建造物ミステリ、しばらく追おうかな。
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城シリーズ、第4弾。
登場人物の名前が数字だったり、胴体と頭がゴチャゴチャになったり、ちゃんと理解できたのか微妙。
大掛かりなトリックは、図解があっても理解できなかった…。
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「城」シリーズ第四弾。今作ではギロチンが重要なモチーフとなっている。作中では当たり前のように物理トリックが登場する。違和感はあったものの流石にその詳細な仕組みには気付かなかったなぁ。そして物理トリック以外にも最後には驚愕の真実があったわけだが、ちょっと無理矢理すぎる気がしないでもない。情景的にはとても儚く美しい雰囲気があり、その無機質さと刹那的な雰囲気が人間を人形という記号にしていくような感じはした。