紙の本
ほのぼのとした学園の、ほのぼのとした美術部の、ほのぼのとした妖怪達の物語。
2008/07/01 02:49
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テオ・カロア - この投稿者のレビュー一覧を見る
【第14回電撃大賞小説部門大賞受賞作】
ライトノベルレーベルでは最大の約3,000作の応募作品から選ばれた電撃大賞受賞作品。
だからといって大賞作品だからと気負わず、気楽に読んだ方が楽しめる小説です。
逆に言うと、大賞という肩書きに期待しすぎると肩透かしを食らうので注意。気楽に、気楽に読みましょう。
物語は学校に妖怪が現れたことによる騒動が主軸です。
冒頭、深夜の学校でイタチさんと出会う主人公。
美術部員である主人公は、綺麗で可憐な彼女を絵に描きたいと願い、受け入れられます。
以来、イタチさんが来たことで広がったあっちの世界との扉から、様々な妖怪たちがやってきます。
それは音を出すだけで特に何もしない無害なものから、相当な攻撃力を持ったかなり有害なものまで多種多様。まさに妖怪万国博覧会。
結果、いつのまにか物の怪対策本部と化した美術部が出張って各問題を解決していくのですが……基本的に力押しによる解決はあまりありません。
妖怪専門家で知恵袋の先輩の助言を元に、伝承に残る弱点や解決法を駆使して妖怪に対峙していきます。この辺り、ちょいと言葉遊びの感があって面白い。読んでるうちに妖怪に関しての雑学が身についたりして。
そんなスタイルですから、基本的にバトルという感じはしません。だって根本的に力押しで戦う場面があまり無いから。だから戦うというより、むしろとんち合戦の様相が強いですね。
そもそも古来、妖怪の伝承にはその恐ろしさと同時に大抵何かしら弱点も伝えられているわけで、それを駆使して切り抜けるのがちょっと変わった感じで面白い。
最初はついて回るだけだった主人公が、後半になって結構いい役どころを見つけたのも良かった。
強い女の子の後ろに隠れるだけじゃなくて、前線に立つ訳じゃないけれどちゃんと重要なお仕事を担っている。とても重要かつ貴重な戦力です。この辺り、うまいポジションを見つけたなぁと素直に感心してしまいます。
もっとも個人的には、文章を読んでみた印象と挿絵のデザインがちょっとイメージと違ったかな。本文を読んでて作者はもうちょっと大人びたスマートなイタチさんをイメージしてたんじゃないかな?とおも思ったのですが、表紙にあるようにイタチさんはどう見ても可愛い系……。まあこれは個人差が大きいのでなんとも言えません。
表紙と挿絵のイタチさんも十二分に可愛いので、これに惹かれて読む人も多々いるんじゃないでしょうか。それもまたひとつの読み方です。
妖怪学園モノという従来からあったジャンルに「ほのぼの」という味付けをした今作品。
読みやすく気軽に手に取れるまさしくライトノベルないい作品だと思いますよ。
ご一読あれ。
投稿元:
レビューを見る
この本は,電撃大賞受賞したので買いました。
妖怪退治学園コメディーです。ストーリーにスピードがありますが,萌系要素が微量にあります。
娯楽ストリーです。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
「いきなりで悪いけど、あなたの血、吸ってもいいかな」高校生で美術部員の僕は、夜の学校で銀色に輝く瞳を持つ不思議な少女に出会う。少女の正体を“イタチ”だと見抜いて吸血(!)の難を逃れた僕は、その夜、彼女とある『約束』を交わす。翌日。美術室に現れたイタチ少女は、僕に告げた。手遅れになる前に約束を果たしに来た。約束を果たすその日まで、僕のことを守ってくれる、と。一守るって、一体何からっ!?ピュア可愛いイタチさんと僕の、ちょっと不思議な放課後物語。第14回電撃小説大賞“大賞”受賞作登場。
投稿元:
レビューを見る
和風伝奇もの、妖怪ものが好きな私には面白そう、と思って買いましたが、その点よりもキャラにはまってしまった作品。主人公がいい感じにリビドーを昇華しているあたりが最高に滑稽で素敵です(本人は作中で思いっきり否定していますが)。絵画が昇華の代表的な形態であるのは常識ですし。それにしても、主人公の周りに、鳥山石燕もかくやという勢いで妖怪図絵がうずたかく堆積していくさまは、想像するだにシュールですね。
惜しむらくは、登場する怪異たちの姿が挿絵にほとんど描かれていないことですが、そこのところは想像力で我慢しましょう。ともあれ感想を一言で表すなら、イタチさんかわいい、なんですが。
(2008年12月入手・2009年4月読了)
投稿元:
レビューを見る
第14回電撃大賞。マンガチックなキャラが活躍するファンタジックなお話。つまりは過不足なく「電撃文庫」。本当にこのままシリーズ化しても不思議じゃないくらい「電撃文庫」として違和感なく収まっていて、中堅作家がアニメ化狙いで書いたかのよう。破綻なく書けているということでもあるけど、こう、デビュー作ならではの勢いでハミ出ちゃった部分とか、作者の創作の原点となるコア要素・・・つまりはサムシングスペシャルが感じられないのは、受賞作読みには少々もの足りないかな。うん、受賞作!と思って読むのには向いてないけど、「電撃文庫ってどんなレーベルだろう?」と思って読むにはピッタリな一冊です。
あと、ちょっとヒロインの描写の仕方がワンパターンなのが気になった。「綺麗だ」「かわいい」といった主人公の心情叙述以外でヒロインの魅力をもう少し描写した方が良かったのでは。
投稿元:
レビューを見る
<内容>
夜の学校で美少女に化けて血を吸いにきたイタチに会う。
なんとか助かったものの、絵のモデルになってくれと頼み……
こうして妖怪だらけの学校生活が始まった。。
<感想>
これ本当に大賞作品?
ホント微妙。
特に字に力もないし、ストーリー的にもいいとはいえない。
勘弁してくれ。。orz
投稿元:
レビューを見る
ヒロインのキャラが薄すぎる…周りが濃すぎるのか?
あと自分はこの手の文体が凄く苦手とわかりましたorz
表現があまりに口語的すぎて締まりに欠ける気がするんですねぇ。良くいえば読みやすい。悪くいえばまぁ…イラつきますね。自分だけかもしれませんが…。
そういった文体の印象もあいまって、言葉では伝えづらいですが、話の運びもだらだらとメリハリがないように思えました。
内容としては可もなく不可もなく。正直言って「よくある話」。また展開やテーマからしてどうしてもMF文庫の「かのこん」を意識してしまう。というか内容や絵的に考えてもMF文庫っぽいですね。電撃らしくはない。
一応最後まで読み切るつもりではありますが…2巻が出たとしても買うことはないでしょう。辛めの評価ですが、自分が読んだ結論としては人に薦めるのは厳しいレベル、といったところ。
電撃小説大賞って基本的に大賞受賞作より金賞銀賞のほうが売れてる気がする。ってか絶対そうだ。審査員の人たちは何を審査しているのだろう。
投稿元:
レビューを見る
第14回電撃大賞作品。ほのぼのストーリーを全面にだした作品。 かなりマイナーな妖怪からそうじゃないものまでよく調べられた良作だと思います。 ただ、やはりまだ一作目ということもあり、文章の流れに唐突な部分がある。今後に期待。
投稿元:
レビューを見る
あんまり妖怪ものが好きじゃないんですよ
地獄先生とかうしおととらのせいかな?
キャラはかわいいです
伊達さんかわいいよ
投稿元:
レビューを見る
イタチっ娘萌えの歴史は,今ここから始まる。
とりあえずレジに行こう―――
“この話”はそれからだ.
ということだそうですよ.
学校がいつの間にかミステリースポット化してて
放課後に次々と遭遇する日本客地の妖怪たち.
そんな妖怪たちに対して美術部の面々が今,立ち上がった.
何故美術部なのか?
まぁ,そこらへんは本編で.
頑張り屋さんなイタチちゃんもいいけど
九尾のお姉さんも捨てがたい.
投稿元:
レビューを見る
2013 1/22読了。自宅にあったものを自炊してiPhone5で読んだ。
海外出張中に日本の活字に飢えた時用・・・と思ってデータ入れていったのだが、思った以上に電撃文庫でも普通に読めるなあ。
ただし設定の問題か白黒イラスト部分はやや汚れが目立つ。
肝心の中身については、ラノベのフォーマットは守りつつ、かなりマイナーな妖怪も拾ってきたり、その妖怪についてのうんちくも豊富で設定にもこだわりがあったりと、あらためて大賞受賞は伊達じゃないな、と思ったり。
民俗ネタはオタクの鉄板だし、「なんか頭良く思える」快感をライトに提示してたのはいいと思う。
投稿元:
レビューを見る
第14回電撃小説大賞<大賞>受賞作。人によっては激しく好き嫌いが分かれそうな作品。
妖怪退治物に分類されるだろうけど、従来の作品とは少々趣向が違い登場する妖怪たちに危険性のあるものが少ないという事で武力により押さえつけるのではなく、妖怪が信条としている行為やキーワードをぶつけることによって穏便に解決を図ろうとする手法。一応イタチがそれなりの戦力を有しているもののそれを前面に出しているような印象はない。こういった手法は主人公を天才系にして読者の意表をつくことを狙った作品に見られるような気もするのだが、本作の主人公は凡人タイプなのである意味特殊なタイプの作品ともいえる。
基本的に30~60ページほどの短編形式で進んでいくので読み易い。ただ発生する事件が小規模なので緊迫感が伝わってこない点はちと物足りないかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
本編9冊、後日談含む短編集1冊の全10冊完結。色んな妖怪が割りと専門的な解説込みで出てくる。それを退治というか穏便に対処する話。でも8巻のラスボス的なものとの決戦は熱くなった!この巻のあとがきの仮想映画予告編はとても雰囲気でてる。
主人公がヒロインのイタチさんへの愛情を全く隠すこと無くだだ漏れにしてるところが、面白かった。途中から登場のヘビ女房こと山楝蛇鱗さんがとても良いキャラクターです。