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幽booksとあるし、幽霊とか出てくるのかなーとは予想してたけれどまぁ可愛らしい。椰月美智子さんらしいYA小説でした。スピリチュアルな要素が苦手なわたしでも受け入れやすい物語。
ところどころ首を傾げる場面があり、それらが重なって導かれたラストが想像通りで、それでも温かいものがじわーとしみてきたのはさすが。消えてなくなっても、というタイトルがとても沁みます。河童のキヨシにわたしも会いたいです。
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途中で何度か「おや?」と思うところがあって。その小さな違和感の正体を知った時、全ての謎が解け、深い悲しみが襲ってくる。
ちょっぴり怖くて、不気味で、そしてやるせないこの物語を、もう二度と会えない大切な人を思って読み返したい。
目には見えなくても、いつもそばにいる。そう思うことで救われる思いもあるのだ。
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タウン誌の編集をする青年・あおのは、ストレス性の病を抱え、神話の伝説の残る緑深い山中にある鍼灸専門のキシダ治療院を取材で訪れる。どこへ行っても治らないという難病がそこでは治ると評判で、全国から患者が後を立たず訪問する治療院だった。先生に会ってみると明るくさばけており、先生の手伝いとして、同じ年頃の小説家志望のつきのという女性が居候していた。あおのは、自分の治療をかねて、三人暮らしをすることになる。規則正しい暮らし、治療の手伝い、つきのとくだけた本音の付き合いをすることで、あおのの病気は少しずつ回復に向かっていく。そしてついに、あおのは庭先で河童に遭遇する! それが意味するものは……。つきのもあおのも同じように、両親を幼いころ亡くしている。つきのは孤児院に、あおのは親戚に預けられていた。あおのの心を開いたものは何だったのか、二人を結びつけた運命とは……。ラストに用意された大どんでん返しは号泣を誘います。生を願い、死をも恐れない、愛されて人は生まれてきたのだということを思い出させてくれる、生への賛歌。、椰月美智子の最高傑作。本年度、泣ける小説ナンバー1確実。
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著者には珍しく、よしもとばななさん的な雰囲気の漂う物語である。精神世界とか、この世ならぬ者との触れ合いなどによって、傷ついた心が少しずつ修復されていく過程は、読んでいる自分も解き放たれていくような解放感と安心感に包まれて――主人公のあおのやつきのの心のなかは不安定であるにもかかわらず――心地好い。これですべてがうまくいく方へ進んでいくのだと思いかけたラスト近くに仕掛けられたどんでん返しは、驚くばかりで、思わず涙を誘われるが、だからこそのこの物語なのだと、次第に納得させられた。心が浄化されるような一冊である。
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田舎のはずれ、山にある治療院で生活することになったあおの。そこで、治療する先生とつきのと共同生活を始める。読み進めるうちに、どこかあれ?と思うことも出てきて、どのようにつながるのか、気になって頁をめくるのが止まりませんでした。タイトル通りの展開に、とても切なく悲しいのだけれど、これも一つのハッピーエンドなのではないかと思います。読後、どこかすがすがしく、心が温かくなりました。
目に見えないものを見えたり感じたりすること。その力を借りて人助けをしようとすること。読んでいるうちに読み手の心も浄化されていくようでした。
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『しずかな日々』で好きになった椰月さん。
最終的にはやっぱり、日だまりと緑のあったかなイメージにたどり着いた。
それでも、オビに書かれているほどの号泣、というか涙はなかったかな…。
途中からなんとなくオチがわかってきてしまって、それが悪いとは思わないけれど、読後感がちょっと物足りなかった。
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山の奥の治療院 人ならざるものが見える節子の元に居候するあおの、つきの。
読後は「ふーん」という感じ。印象薄というか。
作者はキヨシがお気に入りらしい。キヨシ良いよね。
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すごく不思議な雰囲気の作品。幽ブックスということも関係しているのだろうと勝手に解釈。若干、スピリチュアル的要素があるのでそういったものが苦手な私にはちょっときつかった。
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読みやすくて、とてもよかった。
淋しくて、優しい気持ちになった。
キヨシの科白がとても美しいです。
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清々しい気持ちと温かさが残った。
自然に溶け込んで生きると色々な世界が見えてくるのかもしれない。
現実にはないけれど、ひょっとしたらと思わせる何かを自然に受け入れられた。
彷徨っていた二人の行く末にも安堵。
読み終わってタイトルの意味を感じる。
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途中で結末が読めてしまった。
自分が治らない持病を持ってるせいか、この治療師の元に行ってみたいとか、一緒に暮らしてみたいとか、そんなことを思いながら読んでしまいました。
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こういった話も書くんだー。大人のメルヘン、といった感じ。
メルヘンに浸るには大人になり過ぎたのかもしれない。イマイチ乗り切れなかった
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タイトルを見て、切ない系のラスト?と思ったものの。読み進めていくと、日常+ちょっと不思議系の主人公成長ものの雰囲気……。ときおり涙ぐみつつ、そして衝撃のラストのどんでんがえし!!
そ、そうくるかぁー!! そうとなれば思い当たる節がある言い回しの数々。唸りました。ハッピーエンドですが、切ないです。
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不思議なお話で先が読める…けど、 ゆっくり優しい暖かい時間をもらったような気がする。見えないものと優しく向き合える時間。
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「気」をつかう節子の治療の場面を除けば、穏やかな時間が流れている世界にゆらりと漂っていられたのですが、最後は思いも掛けない展開で切なくなりました。
家族全員がやっと揃うことができた最後はハッピーエンドなのかもしれませんが、終盤にかけての展開の加速感が切なさをいっそう濃いものにしていき、読後はなんともやりきれない感情でいっぱいでした。
治療の場面は鬼気迫るものを感じ、日常は温かみを感じられ、河童はわくわくさせてくれ、とても軽いのに場面が目の前に浮かんでくるほど惹き込まれる作品で、椰月さんのやわらかな、心に染み込んで来るような空気感が大好きです。
「解明し暴くのではなく・・・内なる素直な感覚だけを受け入れること」でこの作品の様々な色や温度を感じられると思います。
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タウン誌の編集をする青年、あおのは、キシダ治療院を取材で訪れる。先生とその手伝いをするつきのとしばらく暮らす。幽ブックス。