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微妙な言い方ではあるが、勢いがありすぎた漫画
おぞましさで肌を泡立たせる絵柄、陰気で気が重くなるストーリー、虚無より空虚な苦悩と葛藤を抱えている主人公の設定、など作品の質を深く上質な物にする物は揃っていたが、それ故に、読み手を置き去りにしてしまった感はある
読み手に媚びるよりはマシだが、テンポを同調できなかったのは手痛い
ガッツリとした、余裕のない正統派のホラー漫画だったからこそ、真正面から受け止めて、耐えきれる胆力を持つ読み手が少なかったように思える
私自身、深いトコまで潜ろうとはしたが、私の首筋を掴んでいる“手”があまりに冷たい上に、触感が気持ち悪いモノのだから、咄嗟に振り払って、浮上してしまった。一度、こちらから接続を切ってしまうと、さすがに、一度目より深いトコまで潜れなくなってしまう
仮に、最奥まで到達できた読み手がいたとしても、今後、他のホラー漫画に対し、ゾクゾクする楽しみを失う目に遭うだろう
描き手にとっても、読み手にとっても、この終わり方は実に残念である
作品全体から、歯軋りが聞こえてくるほどの口惜しさが伝わってくる
そんな漫画を描ける漫画家を、出版社は大事にしてやってほしいモノ
この巻で、個人的に印象に残ったのは其の七『這う女』
母を子を思う愛、子が母を憂う情にウルっと来た
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2巻で完結、やや打ち切りっぽく、話は巻いている。こうの史代作品をモダンホラー化したようなタッチは面白いが、1巻の「廃墟を読む」ような静的なストーリーのほうが怖く、2巻では話がダイナミックになるぶんかえって矮小化しているような気もした。それにしても、主人公のとヒロインのリンレンはボカロと関係あるのかないのか結局わからなかった。
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怨霊というか残された想いを食べる事によって記憶が失われていく恐怖をもっと描いていくと新たなステージに物語が行ったような気がするけど作者も描ききっていないということをあとがきに書いていたので、どこかで再開というか、別の物語の一部として描いてもらいたい、このままでは残念すぎます
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不動産屋の依頼で「いわくつき」の物件を訪れ、
成仏しきれず名残惜しい場所に留まり続ける霊の声を聞き、
その訴えに耳を傾けて問題を解決する、
「獏人(ばくと)」と呼ばれる青年の話、完結編。
一話一話はおぞましくも物悲しくて面白いのだが、
トータルでは、ちょっと……うーん。
あとがきから、打ち切りとは言わないまでも、
作者がこの物語の中で描きたかったことすべてを
盛り込みきれなかったというのが伝わってきます。
1巻のラストに現れて
「ひきつづきヤツを追うよ」と言っていた
主人公の動静を窺う人物も再登場せず、立ち消え。
タイトルの由来も表明されなかったし、いろいろ残念です。