紙の本
城ファンから歴史好きまで
2015/10/05 00:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なんでも評論家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
城そのものの造りというよりかは、地政学と歴史、攻防戦の推移に軸足を置いた内容。武将の気分にはなれなかったが、楽しめた一冊。
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≪目次≫
はじめに
第1部 北海道・東北
第2部 関東
第3部 甲信越
第4部 東海
第5部 西日本
≪内容≫
雑誌「歴史人」連載の記事をまとめたもの(一部書きおろしあり)。いわゆる紀行文や蘊蓄本と言うよりも、小説家の著作なので、史料を超えてフィクション的な感じも見受けられる。むろん、新書なのでそれなりの本を読んでの分析も見られ、ときどき「へえ」となる部分も見受けられる。
もう少し地図や図版を増やした方がよかったと思う。
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いわゆる城紹介本というよりは、そこでどういう戦いがあったのか、とか、その戦いの経緯なり原因なりはなんだったのか、というようなことを解説している本でした。
伊東さんの本なので、北条氏や家康あたりの記述がとても面白く。
とくに、北条氏の説明の件は納得。
伊達政宗、上杉景勝、前田利家ら、権力者の前に膝を屈し、江戸時代まで生き延びた大名ばかりが評価される昨今、堂々と秀吉と戦い、散っていった北条氏は、もっと評価されてしかるべきと思う。(105頁)
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実際に戦いが行われた城をテーマに戦いや興廃の推移を分析。小説家でもある著者の仮説も盛り込まれており、どこまでが本当か当てにならないが、それなりに面白い。地図が随所に入っているが、地名が見慣れないこともあり、読んでいて少し分かりにくいかも。
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戦いに使われた城にこそ見所がある、という著者がより集めた全国各地の城を紹介している。
戦国時代の知識を一定以上持っていることを前提にして書かれており、入門書よりも深いレベルを求められる。しかし土台の知識さえ持っていれば非常に興味深く読める一冊。
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合戦の行われた城について書かれた本。
城は使われてこそ美しい、そんな著書の考えが本書のそこかしこに書かれている。
多少言い過ぎでは?と思うところはあったが、全体として楽しめた。
城巡りをする際には、予備知識があるほうがやはり楽しいよなぁ。
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「実戦あってこそ、城には魅力がある」との言葉どおり、城をめぐる戦の話が主体であり、建築物としての城そのものの説明は少なく物語主体になっているので、城に興味がある人というよりは歴史に興味がある人向け。所謂国宝級の城の話はない。かなりマニアックな歴史本。地域別に分類されている、時代がいったり来たりするのがちょっと読みにくい。ガイド本ではなく、歴史にフォーカスするなら、すべて時系列に編集してももよかったのではないか。
印象的なのはあとがきで、小説家の書いた歴史研究本は見下されてきたという、先達の歴史小説家批判。エッセイ・雑感・紀行文的なモノを排除した著者の矜持を感じた。
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城に対するこだわりと造詣は伝わってきたが、文章と平面図だけでは、その表している城の構造の素晴らしさが理解できなかった。
紹介する城の数を減らし、図を何回も参照しながら説明する形であればもうちょっと楽しめたかもしれない。
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天守が聳える城ではなく合戦があった城を取り上げる、
というコンセプトはいいのですが、
やや不十分感が否めません。
もっと城の縄張りや、
なぜその城は攻めにくいのか、どこが弱いのか、
重点的に解説してほしかったですね。
どうも合戦の記述が優先されている気がします。
著者自身も認められていますが、
城の選別も偏っている気がします。
東日本が大半ですし、江戸時代以降が半数近くを占めています。
戦国以前は皆無でした。
視点としては今まであまり見なかったものなので、
ぜひ続編を期待したいです。
(他著者の類似本でもいいので)
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城をめぐる攻防の話を期待したが、筆者の意図は戦いのあった城の配置資料集的なものだったようで、戦いの経緯説明はあっても、城の攻防戦の記述は少い。それは小説に委ねるということらしい。残念ながら新書版単色印刷では図版も見易くはない。
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他の天守閣とかの写真で城をもてはやすのではなく、戦いを前提に今は城跡、ただの山みたいになってる城をも取り上げ、歴史を自説も交えて説明してくれるんだよね。そこがおれの感性に凄くあったとゆうか、こういった知識を持って城跡巡りしたらもっと学こと大なんだろな。
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城郭攻防戦。おもしろかった。大河ドラマや他の時代劇で見て知った合戦や城取りが取り上げられていた。戦いから人生を学んだ徳川家康、学ばなかった武田勝頼などの人物評、奇襲戦といわれる合戦の多くが不測の遭遇戦。力による勝利よりも内通による敵の寝返りによる勝利。中央集権的・垂直的主従関係ではなく、地方分権・並列的主従関係など。「信長の城」参照。
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戦国歴史作家である著者が、戦国時代の有名な合戦を「城」の観点から読み解こうとしている本。両軍の軍事作戦における城の役割を軍略的観点で大局的に述べることを主眼としており、防御施設としての城の構造や、局地的な攻城戦についてはそれほど記述していない。それどころか、「精神的な支柱」の一言で片づけられてしまった城すらある(春日山城の章)。それでも、地政学や外交的な駆け引きも含めた軍略全般に興味があれば、本書はそれなりに楽しめると思う。
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歴史小説作家である伊東潤が2014年に発表したお城を紹介した本。本書では、戦のためのお城を取り上げており、五稜郭や会津若松城、大阪城など有名な城もありますが、あまり一般的ではない山城などを選択しているのが特徴。著者が歴史小説の題材として取材旅行などをしたことのある場所というのも選考の基準だったのかもしれません。ある程度、お城を好きな人向けに書かれているため用語や歴史的背景が端折られている部分がありますが、一般的なお城紹介本に飽きた人には面白く読めると思います。作者の推論が多いので読む際に注意が必要。
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日本の城の解説本だが、美しい写真集や名所案内ではなく、攻城・籠城戦を紹介する異色作。対象となる城そのものの攻略法・守り方というよりは、近隣の城主の調略や陸海路の確保など、大局的な要素が勝敗を握る重要な鍵となった事例が多いのが興味深かった。