紙の本
桑田氏が語るスポーツにおける暴力問題や勝利至上主義への提言
2016/10/28 13:20
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
暴力の廃絶、勝利至上主義の否定など意見としては新しくないけれども、それを野球界で一時代を築いた桑田氏が発言すると説得力が違います。東大公式野球部の指導現場でのエピソードなども興味深く、「なるほど」と思いました。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
スポーツ界における暴力など深刻な問題について書かれています。昔ながらの男性社会の悪しき習慣なんですかね。
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なるほど、納得の話ばかりでした。
選手時代はあんまり好きでなかった桑田氏ですが、引退後の態度、生き方には感服するところがたくさんあります。
この人、ホントに野球が好きなんですね。
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桑田真澄とノンフィクション作家の佐山和夫氏による対談で、昨今のスポーツの問題をえぐり、スポーツマンシップとフェアプレーの大切さを語った本。
こういう指導者がどの競技にも必要ですし、コーチの端くれである自分も内容を肝に銘じたいと思います。
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スポーツの品格/桑田真澄・佐山和夫 を読んだ。
この本は、スポーツをめぐる問題の根元である「勝利至上主義」について、桑田真澄さんとスポーツ史研究の第一人者である佐山和夫さんの対談をまとめたものである。
昨今、桑田さんはスポーツの「体罰」について積極的に発言をしており、その考えについて触れておきたいと思い本書を読んだ。
桑田さんは本書で、スポーツ界における体罰はなくすべきであると訴えている。
いくつかの論調のなかで選手育成において体罰は協調性を育むうえでプラスの側面があるというものがある
。体罰は育成に不可欠であるというものだ。しかし、桑田さんは、その点についてもNOと言っている。コーチなどへの恐怖心は技術の向上を阻むという側面である。
P38
だんだんエラーをした選手のほうが萎縮してしまうんですね。ー するとその選手はどうするかというと、打球が飛んできたら、膝をついて体で止めるようになるのです。
また、佐山さんも同様に語る。セカンドキャリアの問題である。
P36
若いときに、指示され、殴られ、怒鳴られて、「やれ」と言われたことしかやらなかった人間に、有意義なセカンドキャリアを見つけられるはずがない。
桑田さんはスポーツの楽しみは、結果とプロセスの二つの両立が大切であると語る。どちらがかけていてもだめなものである。
P14
結果とプロセス。この二つを両立し、この二つの価値をともに追い求めていくことこそが、スポーツの楽しみ、喜び、魅力につながっていくと僕は考えています。
P58
たとえば、少年野球にしても学生野球にしても、どの組織も「育成」という目的を掲げているじゃないですか。それなのに、実際にはどこも超勝利至上主義ですようね。あれがもう、僕は根本的におかしいと思うんです。
P80
この間も、あるトレーナーのところにいたら、子どもが来たんです。明らかにひじが曲がっているから「どうしたの?」と聞くと「明日、試合なんです」と言うんですね。ー「学生時代に、大事な試合なんて一試合もない。いちばん大事なのは、自分の体を守ること」って。
高校野球においては、いきすぎた勝利至上主義によって、球児達の将来を危ぶまれることがないようにするべきだ。具体的には投手は投球制限を課せられるべきであると思う。私たちには、甲子園での連投を熱闘として、もてはやすのではなく、彼らの将来を考える、大人として良識ある態度が求められると考える。
本年、柔道・相撲などの不祥事、また部活動での体罰などあまり好ましくない事件が世間を騒がせた。以前であれば、部外者には口出しできない雰囲気があったのではないか。桑田さんのようなスポーツの第一人者から、このような問題に対してNOという意見を発言されていることは非常に良いことであると思う。
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暴力の廃絶、勝利至上主義の否定など意見としては新しくないけれども、それを野球界で一時代を築いた桑田氏が発言すると説得力が違います。東大公式野球部の指導現場でのエピソードなども興味深く、「なるほど」と思いました。
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桑田真澄氏とノンフィクション作家の佐山和夫氏による対談本。
今や体罰否定派の代表的論客として知られる桑田真澄氏だが、ここでは「過去には体罰が必要な時代もあった」ことを前置きとして示唆していることが印象的。これまでの日本のスポーツに蔓延っていた体罰という問題をただただ反省的に捉えるのではなく、なぜ体罰が今のスポーツにそぐわないのか、スポーツ観の変遷が丁寧になぞられたうえでの丁寧な分析が行われている。
「体罰は悪いもの、経験者が『あれがあったから自分は成長できた』と言うのは過去を肯定したい感情の発露に過ぎない」と無条件的に体罰に悪のレッテルを貼り付けるのみの論旨が目立つ昨今だが、根絶を目指すならば本来はこういった論理的な体罰の考察が必要となるはず。
プロセス重視のスポーツ観を推す桑田氏らしい、実体験を交えた丁寧な分析には好感が持てる一冊。この中には、スポーツをより楽しめるものへ導く、さまざまなヒントが転がっている。
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少年(小学校~高校)スポーツの指導者にはぜひ読んでほしい、いや必ず読むべき。子供たちの将来のために。
桑田さんと、ノンフィクション作家で野球史に詳しい佐山和夫さんとの対談形式。
本当に共感できることばかりで、僕もこの本から得たものを生かして、スポーツのコーチングをしていきたいと思う。
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桑田真澄さんと佐山和夫さんの対談。対談形式ということで、お二人の考えがスムーズに伝わってくる。
意外と、猛練習しましたっていうひとじゃないねんなあ桑田さんって。
自分は体罰は必要悪であると思っていたのですが、ここまで自信満々に体罰は技術向上になりませんって言われると、そうなのかなと思ってしまう。
「フェアプレイ」の定義には、なるほどと思った。自分を有利な立場に置かないこと。
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佐山氏、桑田氏による共著。「野球道」に引き続き対談形式の2冊目だが、更に面白い。
野球ひいてはスポーツの根幹から論理立てて、そのあるべき姿について述べられている。
やはり大事なのは軸であり、目的であり、自身の意図である。当著は野球関係者なら必読。特に選手よりも指導者は読むべき。
この知識を活かせる機会がほしい。
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スポーツは進化しているのに指導者は進化していないと嘆く対談。桑田さんの卓越した理論は称賛に値しますが…
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○元プロ野球選手で野球解説者の桑田氏と、野球に造詣の深いノンフィクション作家の佐山氏との共著・対談本。
○野球の話しを中心に、体罰の実態とその批判、指導のあり方の提言、今後のスポーツのあり方等について、思いを語ったもの。
○一つ一つがもっともであり、特に、少年期~学生への指導のあり方や提言については、ぜひ広く普及して欲しい。
○自分も、自分の競技を楽しめるようになったのは、大人になってから。やっているときは辛いことばかりだった気がする。まさに、勝利至上主義の真っ只中にいたからだろう。
○そもそもの「スポーツを楽しむ」ということを忘れてしまわないよう、その一番大事な原則を、スポーツをする誰もが常に胸に刻むことが大事。
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桑田が考える、これからのスポーツについて。
桑田が体罰に対して絶対にダメという。それがどれだけ大きなことか。勝つのは大事。でも、勝つだけがスポーツの目的になってはダメ。努力するのは大事。楽しいのは、勝つことだけじゃない。楽しい努力をすること。スポーツの二面性に気をつけること。
成功した人が、体罰を否定すると自分の成功も否定することになると感じているのでは、という指摘にはっとした。
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[ 内容 ]
フェアであるべきスポーツの世界に、なぜ「体罰」や「不正」といった問題が蔓延するのか。
その背景には何があるのか。
本書は、元選手の立場で積極的にメッセージを発信する桑田真澄と、スポーツ史研究の第一人者である佐山和夫が、スポーツをめぐる問題の根源である「勝利至上主義」について論じ合う。
そして、スポーツの喜びは「勝利を目指すプロセス」にあることが、さまざまな具体例を引きながら語られる。
スポーツにおける「品格」とは何なのか。
新しいスポーツ観を提起する、スリリングな対話!
[ 目次 ]
第1章 「暴力」との決別(体罰否定の根底は自身の体験;後輩のエースへの嫉妬 ほか)
第2章 「勝利至上主義」を超えて(なぜ「勝者にすべてを与える」のか;「勝利の喜び」と「勝利を目指すプロセス」 ほか)
第3章 「東大野球部」を指導する(一〇〇〇回の間違った練習より、一〇〇回の正しい練習;自分のイメージと実際の動きのギャップを知る ほか)
第4章 「新しいスポーツ観」を構築する(アメリカの高校野球を見て;WBCの意義は、切磋琢磨による競技力の高まり ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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懐かしのくわわ。努力する楽しさを感じてもらう…これを今の日本の部活で実現できているのかどうか。部活やクラブ活動では楽しめないから入らないけど、本当はスポーツをやりたいという子はたくさんいると思うんですね。そういう人こそ自分で考えてスポーツが出来る子でもあるのですが…。大阪で体罰による自殺があったのは恐らくこの本より後の話。あの後でも、体罰は必要だよね、という声は案外あった。部活にしろ仕事にしろ、人の命をかけてでもやることなのか。どうなのよ。