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紙の本
やっと拭うことのできたイメージ
2001/05/24 17:47
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投稿者:真泰 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「銀ねず城の黒騎士団」完結編です。
読み終え、本を閉じると同時に大きく息を吐いてしまう程に、とにかく読み応えがありました。デュアンとチャールズ王子の間にあったギスギスした雰囲気が緩和していく様子がとても良かったです。お互いに刺激し合えて、結果的に二人とも大きく成長した感じが見て取れました。頼りなかったエヴスリン王も、今回の出来事によって、これから本物の王様らしくなっていくのではないでしょうか。
お城が舞台で魔道士や騎士団も大勢登場し、剣を交えるシーンも多かったせいか、良い意味で重みのあるストーリーでした。
『デュアン・サーク』は、同作者の著名作『フォーチュン・クエスト』の世界から約100年遡った世界を書いた作品です。そういうこともあり、これまでは、『デュアン・サーク』=『フォーチュン・クエスト』のサイドストーリーというイメージをどうしても拭えなかったのですが、この銀ねず城の物語により、やっとで両作品を同等のものとして、切り離して見ることができるようになりました。
紙の本
でも、表紙の絵はちょっと…
2002/07/17 00:44
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投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり、深沢美潮作品は最後のまとめ方が心憎いと思う。広げた風呂敷をきれいに包みなおすようなイメージがあるのだが、今回もそうだろう。
主人公とヒロインが作品ごとに成長していくこと、そして、パーティとしての絆がどんどん深めていきながら、話が進んでいることが分かる。そこにクレイ・ジェダを放り込むことで、先が分からない話になっているところが、今回の話で一番の見所だった。
出来合いの物語ではなく、生き物のようにその場その場でストーリーが変化していようで、読んでいて新鮮さを感じる。
個人的には、主人公・デュアンとチャールズの友情が心温まる話で良かった。物語の途中で、そういう話が織り交ぜられているのは読んでいても、何だかうれしい気分になる。これはフォーチュンでも同じなのだけれど、個人的にはデュアンサークのほうがその気持ちは強いと思う。これは、あくまで個人的な感想だが。
シリーズ通して、(上)(下)が続くが、実質上、全ての話が続き物なので、一話完結ではない分、話が落ち着かない印象はあるが、逆に先先の話に期待を持たせるという意味では面白い手法だろう。
これまで読んだことのない人が、いきなりこの巻から読み始めても面白さは伝わらないだろうが、1巻から読み込んでいる人には堪らないだろう。評者は結構この演出にやられている口であったりする…。
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